1966年(昭和41年)
高度成長期を迎える
「社史松下電器50年の略史」に載った1964年当時の主要商品群。
ヒット商品を相次いで発表
新販売制度の実施に際し、松下幸之助会長は、販売会社、代理店に「もっといろいろ要求してください。よりよい製品をメーカーに作らせ、需要家に満足を与えるのは、みなさんの使命です」と訴える一方、社内にヒット商品の開発を強く要望した。
これに呼応して、1965年後半から、家具調ステレオ「飛鳥」「宴」、スピーカ「テクニクス1」、完全自動洗濯機「フルオート」、家具調テレビ「嵯峨」など多くの魅力商品が集中的に発売され始めた。1965年は減収減益で終わったが、新販売制度の成果が次第に市場に定着しつつあり、次の発展への強固な基盤を築くことができた。
1966年から、日本経済は実質成長率10%強の高度成長期に入り、国民の生活と意識は大きく変わっていった。「いざなぎ景気」の始まりである。この年には「3C」(カー、カラーテレビ、クーラー)が流行語となり、人々は生活水準の向上を強く望んでいた。わが社ではこの時期、技術革新を重ね、カラーテレビやクーラーはもちろん、家庭用電子レンジやカセット式テープレコーダ、家庭用VTRなどの新規商品を次々と発売した。
一方、ファンの組織「くらしの泉会」制度の本格的展開、ショウルームの全国的展開など、需要家のニーズを汲み取り満たしながら、年々、前年比30%前後の飛躍的な販売増を達成していく。
1968年には日本のGNPが自由主義世界の第2位になり、経済大国への道を歩み始める。