1996年(平成8年)

業界初、重さ100gを切ったデジタル携帯電話を発売

1990年代に入り、通信の手段を大きく変えたのが携帯電話やPHSの普及である。自動車電話をはずして持ち運びするショルダーホンとして登場した携帯電話は、小型化が一気に進み、料金も大幅に下がっていった。またコードレスホンの発展型として出てきたPHSも、いわば廉価版携帯電話として若者を中心に受け入れられた。こうした中、携帯電話利用者は増加の一途をたどっていった。

パナソニックでは、1979年の日本における自動車電話サービス開始以来、松下通信工業を中心に、情報通信事業に積極的に取り組んできた。国内においては、従来のレンタル制から、1994年4月に携帯端末売り切り制が導入されたのを契機として、各メーカーが独自の機能を搭載した新機種を続々投入する中、率先して小型・軽量のデジタル携帯電話の開発に取り組んだ。

1996年10月には、業界初で重さ100gを切る「デジタル・ムーバP201HYPER」をNTT移動体通信網(株)(現NTTドコモ(株))向けに納入、大ヒット商品となった。その後も次々と業界をリードする画期的な端末を発売していった。

通話のための端末だった携帯電話は、NTTドコモが1999年2月に開始した「iモード」サービス、さらに2001年1月からの「iアプリ」サービスなど、インターネットとリンクした様々なアプリケーションサービスの台頭によって、本格的なネット端末へと進化を遂げた。そして、10月に開始される次世代移動通信サービスによって、テレビ電話や各種映像・音楽配信にも対応するモバイルマルチメディア端末に変貌しようとしている。

パナソニックでは、国際標準規格であるW-CDMA方式の次世代携帯電話サービス用無線基地局装置を、NTTドコモに納入しており、端末の企画・開発とともに、インフラ設備も含めた次世代携帯電話のトータルサプライヤーを目指した取り組みを推進している。