エネルギーコンバージョンボール

「エネルギーコンバージョンボール」の展示では、位置エネルギーと運動エネルギーの関係をゲーム感覚で学んでいただきました。
エネルギーの原理・法則や、身近な事例をご紹介いたします。

原理・法則

重力と質量

重力

地球が物体を引っ張ろうとする力を重力といいます。重力は地上にある全ての物体にはたらきます。私たちが物体を手で持ったときに感じている重さとは、その物体にはたらく重力の大きさのことです。

物体にはたらく重力の大きさは天体によって異なり、例えば月では重力が地球上の約1/6しかないので、月面上で物体を持つと地球上で同じ物体を持った時に比べて約1/6の重さになります。
これは、重力によって重さが変わっただけで、物体そのものの量が変わったわけではありません。
この「物体そのものの量」を質量といいます。

質量

仕事とエネルギー

仕事とエネルギー 仕事とエネルギー

ある物体が違う物体に力を加えて動かしたり変形させたりしたとき、ある物体は仕事をしたといいます。
加えた力の大きさ(F[N])と物体が動いた距離(s[m])をかけることにより、仕事(W[J])を表すことができます。また、物体が仕事をする能力を持つとき、エネルギーを持っているといいます。

位置エネルギー

位置エネルギー

高いところにある物体は、重力によって落下することで仕事をするため、エネルギーを持っているといえます。このエネルギーを位置エネルギーといい、物体のある位置が高いほど、また質量が大きいほど大きくなります。

位置エネルギーの計算式

位置エネルギーの計算式 位置エネルギーの計算式

運動エネルギー

運動エネルギー

動いている物体は、他の物体に衝突することにより仕事をするため、エネルギーを持っているといえます。このエネルギーを運動エネルギーといい、物体の速さがはやいほど、また質量が大きいほど大きくなります。

運動エネルギーの計算式

運動エネルギーの計算式 運動エネルギーの計算式

力学的エネルギーの保存

力学的エネルギーの保存 力学的エネルギーの保存

真空の状態で空気抵抗がなく摩擦力もない場所においては、坂の上からボールを転がすと再び同じ高さまで上ります。
これは、重力による位置エネルギーと、それによって生じる運動エネルギーが変換されながら動いているからです。
このように変換し合う位置エネルギーと運動エネルギーを足したものを力学的エネルギーといい、位置エネルギーと運動エネルギーの比率が変わってもその大きさは常に一定に保たれています。これを力学的エネルギーの保存といいます。

身近な事例

水力発電の仕組み

水力発電の仕組み 水力発電の仕組み

水力発電は、位置エネルギーと運動エネルギーを利用して発電しています。ダムや溜め池などの高い位置にある水が持つ位置エネルギーで水車を回し、運動エネルギーに変換します。この運動エネルギーによって発電機のタービンが回ることで電気がつくられています。
また近年は、大きなダムや水路を構築することなく、既存の水路や小さい川にある水車に発電機を取り付け、少ない水量とわずかな落差を使うことによって発電するマイクロ水力発電というシステムの普及も進められています。 ※発電機の仕組みについては「マグネットダンス」のページをご覧ください。

様々なエネルギーの変換

火起こし器

■火起こし器
擦るという動きによって運動エネルギーが生まれ、それを熱に変換することで火をおこします。

自転車のライト

■自転車のライト
タイヤの運動エネルギーでモーターを回し、電気エネルギーに変換することでライトをつけます。

電気ケトル

■電気ケトル
コンセントから電気を取り、その電気エネルギーを熱に変換することで水を加熱します。

太陽電池

■太陽電池
太陽がもつ光エネルギーを電気エネルギーに変換することで様々な電化製品を動かします。