マグネットダンス

リスーピアの「マグネットダンス」では、目に見えない磁界を、不思議な液体で見ることができました。
何重にも巻かれた大きなコイルは磁力を生み、不思議な液体は磁界の強さにあわせて形を変化させます。
コイルの電流が強くなると磁界も強くなり、液体の形も大きく変化します。

電流と磁力の原理・原則や、身近な事例を学んでみよう!

パナソニック クリエイティブ ミュージアム「AkeruE(アケルエ)」では、リスーピアの「マグネットダンス」展示をアップサイクルし、「突き出す、流れる」として展示しています。

原理・法則

フレミング左手の法則

フレミング左手の法則 フレミング左手の法則

U型磁石のS極の上から、S極とN極の間に金属の棒をぶら下げ時計回りに電流が流れるしかけを作ります。
電流を流すと、金属の棒は磁石の内側に向かって動きます。
この時、磁力線の向き・電流の向き・金属の棒に働く力の向きは上の図のような関係になります。
これをフレミングの左手の法則といいます。

コイルと電磁誘導

一時停止
コイルと電磁誘導(1)
コイルと電磁誘導(2)
コイルと電磁誘導(3)

コイルの中の磁界が変化すると、コイルに電流が流れることを電磁誘導といい、流れる電流を誘導電流といいます。
1831年にファラデーが発見しました。コイルに磁石のN極を近づけると磁石に逆らおうとする力が働き、コイルの磁石側にN極ができます。
この時、磁場の向きと誘導電流には、電流が流れる方向の時計回りに磁場ができるという関係があります。
ネジの先に電流が流れるとした場合、磁場がネジを締める方向にできることからこの関係を右ネジの法則といいます。
コイルの磁石側にN極ができると、誘導電流は右ネジの法則に従って左に流れます。磁石を遠ざけると引き戻そうとする力が働き、コイルの磁石側にS極ができます。この時誘導電流は右ネジの法則に従って右に流れます。磁石を止めると磁界に変化がなくなるため、誘導電流は流れません。

身近な事例(1)

IH調理器の仕組み

コイルについて

IHとはInduction Heating(電磁誘導加熱)の頭文字です。IH調理器の中にはうず巻状のコイルが入っています。
このコイルにインバーターによって変換された数万Hzの電流を流すと、電磁誘導に則ってコイル周辺に磁力線が発生します。

IH調理器の仕組み

磁力線が金属鍋の底を通過する時、鍋の内部にうず電流が発生します。
うず電流が流れている間、鍋底には電気抵抗により発生した熱が生じ、中身を温めることができるのです。

身近な事例(2)

モーターの仕組み

モーターの仕組み

コイルに電流が流れるとフレミングの左手の法則に則って、磁力の中にある電流には一定の力が生じます。
この時、コイルの右側には下向きの、コイルの左側には上向きの力が働きます。
これらの作用により回転子は右側に回転します。電極が分断されているところでは電流は流れず力は働きませんが、回転の勢いで半回転すると、再び電流が流れる位置になり、回転が持続されます。
これがモーターの原理です。

発電の仕組み

発電の仕組み

コイルを右回転させると、コイルの中にある正の電気も右回転します。
この時、フレミングの左手の法則から、磁場の向きに対し正の電気は上向きに移動するため、磁場から力を得た運動電流は親指の方向に流れていきます。これが発電の原理です。