1932年(昭和7年)
第1回創業記念式を挙行
大阪の中央電気クラブで開催された創業記念式典
真の使命を明示する
ある日、所主は知人の案内で某宗教本部を訪れ、喜々として働く信者の奉仕の姿を見て感銘を受けた。そして事業経営について深く考えさせられた。「人間には精神的安心と物質的豊かさが必要である。宗教は人々の悩みを救い、人生に幸福をもたらす聖なる仕事である。対して事業経営も人間生活に必要な物資を生産提供する聖なる仕事ではないか。そこに事業経営の真の使命があるはずだ。今後はこの真の使命に従って経営をしていかなければならない」と思い至った。
1932年5月5日、所主は全店員を大阪の中央電気倶楽部に集め、わが社の真の使命を明示した。
「産業人の使命は貧乏の克服である。そのためには、物資の生産に次ぐ生産をもって富を増大させなければならない。水道の水は加工され価あるものであるが、通行人がこれを飲んでもとがめられない。それは量が多く、価格があまりにも安いからである。産業人の使命も、水道の水のごとく物資を豊富にかつ廉価に生産提供することである。それによってこの世から貧乏を克服し、人々に幸福をもたらし、楽土を建設することができる。わが社の真の使命もまたそこにある」
事業の真使命を明示した「所主告示」
そしてこの使命を達成するために、建設時代10年、活動時代10年、社会への貢献時代5年、合わせて25年を1節とし、これを10節繰り返すという250年計画を発表した。その使命の崇高さ、計画の壮大さに全員が胸を打たれ、会場は興奮のるつぼと化した。