Report

活動報告

歩行トレーニングロボットの概要

ひとり一人に寄り添い、これからの自立支援を先取りする「歩行トレーニングロボット」。実は開発の初期段階では、現状の製品とは異なる形状をしていました。
多くの高齢の方に実証実験を行い意見をいただくなかで、高齢の方が使いたくなるデザインや、トレーニング成果の見える化、一人ひとりに合わせた効率的なトレーニング機能の追加により、高齢の方と施設職員の方、どちらにも満足していただける製品になりました。

構想段階で対話から課題を見つける

高齢の方がいつまでも健康に暮らすためには、運動が欠かせません。しかし同時に、高齢になると転倒するリスクも高まります。
そのため、専門スタッフが居ない施設では、転倒に対する不安からトレーニングに消極的になってしまっているという課題があることが分かりました。そこで、安心して歩行トレーニングに取り組めるロボットを構想。
プロトタイプを作成し、病院や介護施設での実証を進め、技術的な課題をクリアしていきました。しかし、高齢の男性から「ロボットの見た目がかっこ悪いから使いたくない」と言われることがありました。

写真:歩行トレーニングロボットのプロトタイプの写真とユーザーが利用しているシーン

対話を重ねて解決方法をブラッシュアップ

ユーザーである高齢の方の歩くモチベーションを上げるという課題に対しては、使いたくなるような形状やカラーリング、身長や体の状況に合わせた持ち方ができるハンドルや、 見やすく分かりやすいモニターなどを、高齢の方と対話をしながら改良を重ねました。
また、施設職員の方からは「専門のスタッフが居なくてもトレーニングできるが、トレーニングの成果が出ているか判断できないのが不安だ」という声や、「操作が複雑で使いこなせない、操作を覚えても手順が多く普段の業務に組み込みづらい」といった声をいただきました。

写真:改良された保歩行トレーニングロボットを利用している笑顔のユーザーと職員

解決できているか検証

気軽に始められつつも、歩行動作の中に運動負荷を組み込んだトレーニングができる機能を搭載。また高齢の方々に自ら「使いたい」と言っていただけるデザインも実現できたため、高齢の方に笑顔で利用いただいています。
また施設職員の方からは、数値によって一目でトレーニング成果が判断できるようになったことや、ニックネームを選択してログインするだけで利用者の身体機能に最適な設定でトレーニングできるようになったことが、ご好評をいただいています。

写真:介護施設で歩行トレーニングロボットを利用しているユーザー