Report

活動報告

洗濯機操作用アプリのアクセシビリティ配慮の概要

タッチパネルを採用した家電製品の普及に伴い、これまで手探りで製品を操作していた見えない・見えにくい方にとって、製品の使いづらさが加速しているという課題がありました。
それを解決すべく、洗濯機を操作できるアプリ「スマホで洗濯」において、アクセシビリティに配慮した設計を行いました。実際に使っていただいた見えない方・見えにくい方から、高い評価を頂きました。

構想段階で対話から課題を見つける

パナソニックの洗濯機をお使いの日本科学未来館館長・IBMフェローで全盲の浅川智恵子さんから、「液晶パネルを中心とした操作はボタンが少なく、見えない方・見えにくい方には使いにくい。」とご意見をいただきました。

写真:スマートフォンの操作画面のイメージ

対話を重ねて解決方法をブラッシュアップ

見えない・見えにくい方といっしょに、各機能の要件整理、ニーズの確認、優先づけなどをすることで、アクセシビリティに配慮した設計を行いました。
プロトタイプで見えない方・見えにくい方にテストを行ったところ、ユーザーが見えている前提の画面構成が使いにくいことが分かりました。
例えば、よく使われるスタートボタンが画面の一番下にあると、上から順番に画面を探っていく見えない方・見えにくい方にとっては不便になるという課題が。
そこでスタートボタンを読み上げる順番を早くすることで、使いやすくなるよう改善を行いました。

写真:スマートフォンの操作画面

解決できているか検証

見えない方・見えにくい方が多数所属されている一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティのみなさんや、浅川さんにプロトタイプを確認していただきました。
「すごく楽で、画期的」「今までに体験したことがなかったので、すごく心が躍る、惹かれる」「すごい、これはかなり100点に近くなっている」と感激のコメントをいただくなど、高い評価をいただきました。

写真:ユーザーが感想を語っている写真