第5回「グループDEI推進委員会」開催レポート

写真:「グループDEI推進委員会」に参加した多様な社員、事業会社社長、楠見グループCEO 写真:「グループDEI推進委員会」に参加した多様な社員、事業会社社長、楠見グループCEO

グループDEI推進委員会は、パナソニックグループの目指す「一人ひとりが活きる経営」に向けて対処すべきDEI課題について共通認識を持ち、グループ共通の取り組みについて継続的に対話する場です。

2023年6月開催の第5回グループDEI推進委員会には、各事業会社、パナソニック ホールディングス株式会社およびパナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社の社長9人とグループのCHROがオンラインで参加。「同質性の高い組織の中で、異才を含めた多様な人材が活きるためには?」というテーマでディスカッションを行いました。

※所属や肩書などの情報は、イベント開催当時のものです。

楠見CEOからのメッセージ

はじめに、パナソニック ホールディングス株式会社 楠見CEOから参加者に向けて、次のような呼び掛けがありました。

「パナソニックグループがDEIの取り組みによって実現したいことは何でしょうか。私は3つあると考えています。1つ目は『多様な個人が、常時ベストなパフォーマンスを発揮する』こと、2つ目は『異才が活かされ、競合のない新たな取り組みが進む』こと、3つ目は『多様な知見・意見が迅速に集まり、競争力のある意思決定が迅速にできる』ことです。DEIで取り組む個別のテーマをこの3つにクロスさせ、大きく進化させることが経営戦略として重要です。

『異才』とは、特別な才能を持った一部の人を指すものではありません。自分とは異なる経験や知見に基づき、自分にはない発想ができる人。私にとってはみなさんこそが異才です。自らにはない知見や意見を積極的に経営に活かせるような風土は、どうしたら定着するのか。そのような観点で議論いただければと思います」

DEIアクション事例の共有

「マネージャー支援の取り組みが、結果的に現場のDEI推進につながった」という事例が、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社から紹介されました。

マネージャー支援を通じた現場変容

パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社では2022年7月から12月までの約半年間、パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社 松本工場のマネージャー職25人に対し、コーチングプログラムを実施しました。コーチングとは、自発的な行動を促進するコミュニケーションのこと。月に1~2回、業務上の悩みを言語化し、半年後のあるべき姿を模索する時間を設けました。困りごとを言葉にする過程で課題を自ら発見し、解決するための行動につなげていくことを目的にしたプログラムでしたが、参加したマネージャーが一様に「チームメンバーが幸せに働いてほしい」と語ったことから、DEI推進の側面でも意義のある取り組みであることが分かりました。

画像:コーチングプログラムの実施概要。スケジュールや実施メニュー、事後アンケートの結果などが記されている。

コーチングプログラムの報告資料

各チームでのディスカッション

後半は5つのチームに分かれ、「同質性の高い組織にありながら、異才を含めた多様な人材が活きるためには?」というテーマについてディスカッションしました。パナソニックグループに集う一人ひとりが異なる個性を持っている、という点で「異才」であるという共通認識の下、違いをチカラにするためのアイデアを各チームで出しあいました。その結果、以下のような案が出ました。

  • 同調圧力を下げ、価値観の多様化を目指す
  • 失敗を避けるのではなく、まず挑戦してみようとする組織文化をつくる
  • 意見の違いによってぶつかりあうことを、リーダーが率先して許容する
  • 今あるルールは何のためのものなのかを問い、「ルールは変えられる」という認識を持つ
  • 「インクルージョン」を「自分たちの『普通』の中に入れてあげること」と捉えない
  • 開発・製造・販売部門などの多様な人たちが組織の機能を超え、お客様の近くでアイデアを出しあう
  • 社内だけでなく、パナソニックグループ外とも積極的につながり、文化の異なる環境で経験を積む
  • 組織が目指す方向性や成し遂げたいゴール、一緒にいる目的をベースとして設定する