目指すゴール

パナソニックグループは2050年に向け、3億トン以上のCO2削減インパクト※1を目指します

2020年度から2050年度へ向けたカーボンニュートラルの拡がりを示した概念図。左右に1つの小さな円と3重になった大きな同心円があり、左の円は2020年度の自社バリューチェーンにおけるCO2排出量1.1億トンを示し、右の同心円は2050年度のPanasonic GREEN IMPACTによる3億トン以上のCO2削減インパクトを示している。右の同心円は、中央の円がOWN IMPACT、2重の円がCONTRIBUTION IMPACT、3重の円がFUTURE IMPACTになり、3つの同心円の外に拡がるように+INFLUENCEがある。OWN IMPACTでは1.1億トンの排出量削減を目指し、CONTRIBUTION IMPACTとFUTURE IMPACTではそれぞれ1億トンの削減貢献量を目指す。

2022年1月、私たちは、グループすべての事業で最優先に取り組んでいくべきは、世界全体の喫緊の課題である気候変動を含む地球環境問題であるとの考えから、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」を発信しました。

これは、当社グループや社会のCO2排出を削減する視点で、取り組み(ACT)を積み重ね、社会とともにカーボンニュートラルを目指す、との思いを込めて策定したものです。

またPGIは、私たちの責務として事業活動におけるCO2排出削減への取り組みを意味する「OWN IMPACT」、そして社会のCO2排出削減への貢献を意味する「CONTRIBUTION IMPACT」と「FUTURE IMPACT」、さらにはこれらの取り組みと関連するコミュニケーションによって、社会やお客様の行動変容を通じた社会全体のエネルギー変革や脱炭素化にもたらすポジティブな波及効果を意味する「+INFLUENCE」に分類し、すべてを合わせて現在の世界のCO2排出量の約1%にあたる3億トン以上の削減インパクト※1を、2050年までに創出することを目指しています。

※1. 2020年 エネルギー起源CO2排出量 317億トン(出典:IEA)
※2. CO2排出量は2020年度実績の数値

OWN IMPACT


自社バリューチェーンで1.1億トン※2のCO2排出量削減を目指します

Panasonic GREEN IMPACTのカーボンニュートラルにおける自社バリューチェーンの領域を示した概念図。3つの同心円のうち、中央の円が色で塗りつぶされている。OWN  IMPACTでは自社バリューチェーンにおける1.1億トンのCO2排出量削減に取り組む。

自社バリューチェーンにおける「OWN IMPACT」では、原材料の調達や製造から、製品の配送、使用、廃棄までの過程で排出される、事業活動におけるすべてのCO2排出量の実質ゼロ化に取り組みます。

工場の生産活動におけるCO2排出量を実質ゼロにする「CO2実質ゼロ工場※3」の拡大や「省エネ家電」の開発などのアクションと、社会の脱炭素効果※4とともに、2050年までに1.1億トンのCO2排出量削減を目指します。

※2. CO2排出量は2020年度実績の数値
※3. 省エネルギーと再生可能エネルギー導入に加えて、電力証書やCO2クレジットの活用によりCO2排出量の実質ゼロを達成した工場
※4. 各電力供給事業者の脱炭素化が進むことで、電気のCO2排出係数が良化すること

イメージイラスト

CO2実質ゼロ工場※3の拡大​​

イメージイラスト

省エネ家電の追求​

2030年までに全工場でCO2実質ゼロを目指すための、CO2実質ゼロ工場の数とCO2排出量の推移を表したグラフ。CO2排出量は、2020年から数値は右肩下がりで2030年には実質ゼロになる。それに対してCO2実質ゼロ工場は、2020年には0だった数値が右肩上がりに増加。2025年には50以上になる。2030年には100以上に工場が拡大し、全工場がCO2実質ゼロ工場になる。

2030年までに全工場でCO2実質ゼロを目指す​

CONTRIBUTION IMPACT


既存事業で1億トン以上のCO2排出削減に貢献します

Panasonic GREEN IMPACTのカーボンニュートラルにおける自社バリューチェーンの領域を示した概念図。 3つの同心円のうち、中央から2番目の円が色で塗りつぶされている。CONTRIBUTION IMPACTでは既存事業で1億トン以上のCO2排出削減に貢献する。

「CONTRIBUTION IMPACT」では、既存の事業領域で、車載電池の性能/コスト力向上による環境車の普及促進や、街や家庭で化石燃料から電気を使うヒートポンプ式給湯暖房機への置き換えなどに取り組み、お客様に私たちの製品やサービスを導入していただくことでお客様のエネルギー使用量を減らし、CO2排出削減に貢献します。
くらし、街、モビリティなどの領域で、2050年までに社会やお客様のCO2排出削減に1億トン以上の貢献を目指します。

モビリティの領域では、自動車の燃料を高効率の電力に置き換える「電化」も欠かせない取り組みの一つです。
環境車向けの車載電池・充電器の普及を通じて、お客様のCO2排出削減に貢献していきます。

車載電池によって環境車の製品寿命を延ばしながら、ガソリン車から電気自動車に置き換える「電化」でCO2排出削減に貢献する折れ線グラフ。

電化を通じて、社会のCO2排出量削減に貢献​

写真

モビリティの「電化」に貢献する、車載用円筒形リチウムイオン電池​

FUTURE IMPACT


新事業と新技術の創出によって1億トン以上のCO2排出削減に貢献します

Panasonic GREEN IMPACTのカーボンニュートラルにおける自社バリューチェーンの領域を示した概念図。 3つの同心円のうち、中央から3つ目の円が色で塗りつぶされている。FUTURE  IMPACTでは新事業と新技術の創出によって1億トン以上のCO2排出削減に貢献する。

新事業や新技術の創出によって社会のエネルギー変革に貢献する「FUTURE IMPACT」では、2050年までに社会に対して1億トン以上の削減貢献量を目指します。

「ペロブスカイト太陽電池」など、現在開発中の先進の環境技術を向上・普及させることで、社会のカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

利用CGイメージ

ガラス建材一体型の「ペロブスカイト太陽電池」​

容器に入っている成長刺激剤、ノビテクの写真

空気中のCO2を利用して、農作物の収穫量を増やす「バイオCO2変換」​

削減貢献量とは?

社会全体のCO2排出削減に貢献する「CONTRIBUTION IMPACT」と「FUTURE IMPACT」では、削減貢献量という指標を用いています。

削減貢献量とは、お客様にパナソニックグループの製品やサービスを導入していただいたとき、導入されなかった状態と比較して、お客様や社会のCO2排出の削減に貢献した量を価値として数値化したものです。これにより、導入することでどれほどのCO2排出削減につながるのかを評価することができます。

パナソニックグループは、電化製品や電化によるサービスを通じて、化石燃料を使う製品やサービスよりも高いエネルギー効率を実現し、CO2削減効果を生み出しています。

電化製品の普及で電力需要は増えますが、私たちはエネルギー効率を継続的に高め、さらに、蓄エネやエネルギーマネジメントなどによる需要の抑制や最適化、再生可能エネルギーの普及促進によって、各地域の系統電力の負荷削減につなげていきます。

また、現時点では、削減貢献量には国際的に統一された規格がありません(2023年8月現在)。そこで私たちは、政府部門や企業との共創を通じて、削減貢献量の必要性について対話を進めています。

削減貢献量の仕組みを示したグラフ。縦軸がCO2排出量。横軸が時間。製品・サービスの導入なしの時と導入ありの時のCO2排出の差分を削減貢献量としている。

+INFLUENCE


3つの「IMPACT」の活動や社会とのコミュニケーション・企業市民活動を通じて、より多くの人々を巻き込んでいきます

Panasonic GREEN IMPACTのカーボンニュートラルにおける自社バリューチェーンの領域を示した概念図。 3つの同心円の外側に+の表示。また円の外には色がついている。+INFLUENCEでは3つの「IMPACT」の活動や社会とコミュニケーション・CSR活動を通じてより多くの人々を巻き込んでいく。

一人ひとりの行動変容や環境意識を向上させることも、社会のカーボンニュートラルの実現に欠かせません。私たちは「OWN IMPACT」、「CONTRIBUTION IMPACT」、「FUTURE IMPACT」の活動と、「Panasonic ECO RELAY for Sustainable Earth(エコリレー)」をはじめとする社会とのコミュニケーション・企業市民活動を通じて、社会により良いインパクトを拡げていきます。

エコリレーなどの取り組みが、世界中に拡がっていくイメージ図。この取り組みを通じて、社会の環境意識向上に貢献する。

パナソニック エコリレーなどの取り組みを通じて、
社会の環境意識向上に貢献​

Panasonic ECO RELAY for Sustainable Earthのロゴマークと活動イメージ写真

エコリレーでは、世界各地の従業員とその家族が地域に根ざした環境保全活動に取り組む。​

3つのIMPACTのタイムライン


カーボンニュートラルに向けた、2050年までの行動計画

私たちは、「Panasonic GREEN IMPACT」の実現に向けたマイルストーンとして、​2030年度に「全事業会社のCO2排出量の実質ゼロ化」と「約1億トンの削減貢献量の創出」を目指しています。​2022年度には、2024年度までの行動計画「GREEN IMPACT PLAN 2024(GIP2024)」を策定し、取り組みを進めてきました。

「OWN IMPACT」では、自社工場とオフィスのCO2排出削減や、お客様が使用する当社製品の省エネ化などを​通じて、2050年の自社バリューチェーン全体のCO2排出実質ゼロを目指しています。その目標達成に向けて、まず2030年度には自社工場・オフィスのCO2排出量実質ゼロを実現します。

また、「CONTRIBUTION IMPACT」では、既存事業の競争力を高めることで、お客様や社会に対するCO2排出削減に​貢献し、2030年度には9,300万トンの削減貢献に取り組みます。

そして2050年には、合計で3億トン以上の削減インパクトを目指します。

なお、当社グループは、持続可能な成長を実現するためのグループ経営改革を進め、新体制のもとで2026年度から​新たな中期戦略をスタートします(2025年2月発表)。
PGIは事業成長と連動する取り組みのため、2025年度は、現行の環境行動計画GIP2024を1年間延長した​単年度目標を設定(GIP2024+1)し、継続的に活動していきます。

サーキュラーエコノミー


持続可能な社会に向けた、サーキュラーエコノミーの取り組みを加速させます

「Panasonic GREEN IMPACT」では、持続可能な社会に向けて、 製品のライフサイクル全体で資源の最も効率的な利用を目指すサーキュラーエコノミーの実現に貢献します。

工場廃棄物のリサイクル率は継続的に約99%を維持し、2024年度実績も99.2%と目標を達成しました。一方で、再生樹脂使用量は2022年度から2024年度までの3年間で、2019年度から2021年度実績の約2倍となる9万トンを目指したものの4.5万トンにとどまり、計画には及びませんでした。今後は、環境負荷のより小さい植物由来樹脂等の材料開発や製品への適用を進めることも含めて、再生樹脂の使用促進に着実に取り組んでいきます。

また、サーキュラーエコノミー型事業では、2024年度時点で15事業を創出し、目標を達成することができました。

循環型モノづくりを進化させることで、工場廃棄物のリサイクル率、約99%を維持することを示した折れ線グラフ。2017年、2018年、2022年のリサイクル率は99.1%。2023年は99.3%、2024年は99.2%。この7年間を通して、リサイクル率は約99%を維持している。

循環型モノづくりを進化させ、
工場廃棄物リサイクル率約99%を維持​

再生樹脂使用量を示した棒グラフ。再生樹脂使用量の累計の推移は、2014年に16キロトン、2015年に34.7キロトン、2016年に50.6キロトン。2021年に122.7キロトン、2022年に135.1キロトン、2023年に152.3キロトン、2024年には167.6キロトンと右肩上がりになっている。再生樹脂は冷蔵庫のカバーダクトやエアコンフィルターの枠などに活用。部材の40%が再生樹脂の洗濯機もある。

再生樹脂利用実績の累計​

サーキュラーエコノミー型事業の累計を示した棒グラフ。サーキュラーエコノミー型事業の累計は2021年度に6事業、2022年度に10事業、2024年度には15事業を展開。

サーキュラーエコノミー型事業の累計​

写真:パナソニックエコテクノロジーセンター作業風景

家電リサイクル拠点、パナソニック エコテクノロジーセンター(PETEC)

イメージ写真

賃貸住宅向けの家電サブスクリプション事業「noiful」