私たちの取り組み カーボンニュートラル

CONTRIBUTION IMPACT

既存事業を通じて、社会やお客様のCO2排出削減に貢献していきます。​
例えば、車載電池の性能/コスト力向上による環境車の普及促進や、化石燃料から電気を使うヒートポンプ式温水給湯暖房機への置き換え、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う「Panasonic HX」​などの取り組みを通じて、電化や再生可能エネルギーへの変革を後押しし、社会全体のCO2排出削減に貢献していきます。

車載電池


エネルギー密度も安全性も高い、車載用円筒形リチウムイオン電池

パナソニックグループの車載電池は、もともとはノートPC用だった円筒形リチウムイオン電池を、車載用の用途に変えて開発したものです。​

長持ち・軽量という、ノートPC用の円筒形リチウムイオン電池の特性を活かしつつ、エネルギー密度や安全性を高めながら低コストを実現するなど、技術革新を続けてきました。
また、セル形状である円筒形の車載電池は冷却性能が高く、電動自動車(EV)の普及を後押しする急速充電にも適しています。

さらに、リチウムイオン電池の製造において、資源の有効活用としてレアメタルの使用量削減にも取り組みながら、車載電池の性能向上と供給拡大の実現を目指しています。

車載用円筒形リチウムイオン電池の特長である、資源の有効活用、エネルギー密度の向上、安全性の向上を表したイラスト。

車載用円筒形リチウムイオン電池の特長​

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絶え間ない技術革新を続ける、円筒形リチウムイオン電池​

EV市場動向に合わせて、電池生産を強化

EVの普及は、脱炭素社会の実現に向けた最も効果的な施策の一つです。
パナソニックグループは、北米市場で業界に先駆けて高性能・高品質な円筒形リチウムイオン電池をネバダ拠点において生産し、EV 市場形成に貢献してきました。2025年7月にはカンザスに北米2拠点目となる新工場を開設し、生産体制を強化しています。

内観写真

進化を続ける北米の車載電池工場​

カンザス新工場の外観

カンザス新工場(米国 カンザス州デソト)​

車載電池事業の拡がりで、CO2削減貢献量を高めていく

パナソニックグループは、車載電池事業を通じてCO2削減貢献量の最大化に取り組んでいます。化石燃料を動力とする車両が当社グループの電池を使用するEVに置き換わることによる削減貢献とともに、自社工場からの排出をはじめ、車載電池の製造に関わる製品ライフサイクル全体のCO2排出量の低減にも取り組んでいます。

北米拠点では、環境負荷の低い原材料の現地調達比率を高め、物流過程の環境負荷を低減するサプライチェーンを構築しています。さらに、使用済みリチウムイオン電池を原料とした再生材を活用することで、資源採掘時に発生するCO2排出量の削減にも貢献しています。
これらの車載電池における取り組みを通じて、社会のCO2排出量削減に貢献していきます。

Air to Water


CO2排出削減で注目されているAir to Water(A2W)とは?

Air to Water(A2W)と呼ばれるヒートポンプ式温水給湯暖房機は、大気中の熱を集めて温水をつくり出し、住宅に循環させるシステムです。
化石燃料を燃やす従来の暖房機器に比べて、CO2排出量を抑えることができ、新築だけでなく既築住宅でも従来の暖房機器からの置き換えが可能です。

日本では、2002年3月に家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機「エコキュート」※4の生産を開始し、2022年3月に累計出荷台数200万台を達成しました。

また、寒冷地でも暖房性能をキープでき、欧州向け製品においては、温暖な地域で冷房機器としても使えます。

※4. 電力会社・給湯機メーカーが家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式電気給湯機を総称する愛称。

ヒートポンプの仕組みを示したイラスト。

大気中の熱を利用した給湯・暖房で、CO2排出削減に貢献​

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欧州向けヒートポンプ式温水給湯暖房機「Aquarea」シリーズ​

欧州のA2W需要に応え、社会のカーボンニュートラルに貢献

欧州では気候変動対策が進み、A2Wの需要が年々増加。市場規模は、2030年度までに大幅に拡大すると予想されています。

欧州連合(EU)の各加盟国では、EUの脱炭素政策にともなって補助金制度が導入されるなど、政策面でA2Wの需要が加速しています。
また、欧州では世界情勢によって、天然ガスの価格が高騰。従来のボイラー式暖房からA2Wへの転換も進んでいます。

パナソニックグループは、欧州を中心に高効率のA2Wをお届けし、社会のCO2排出削減に貢献していきます。 

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欧州での需要増大に応える、ヒートポンプ式温水給湯暖房機​

欧州市場の前線でA2W事業を強化

パナソニックグループは、欧州向けのA2W事業の成長を加速させるため、欧州内で開発から製造、販売までを一気通貫して行う体制をつくり、事業競争力を高めています。

また、チェコ工場では生産設備を増やし、 A2Wの生産能力を拡大。 2025年度までに55万台、中期的には100万台の生産体制を構築し、2030年度に1,100万トンのCO2削減貢献を目指します。 

A2Wの工場内観の写真

欧州内でA2Wの生産体制を強化​

地球環境もくらしも大切にする、A2Wの技術

A2Wの技術では、大気中の熱を運ぶ冷媒が重要な役目を果たします。パナソニックグループのA2Wは、自然界にもともと存在する物質を冷媒に使った自然冷媒を採用し、環境負荷をおさえています。

また、自然冷媒の加熱能力の高さを活かして、外気がマイナス20℃の寒冷地域でも暖房性能をキープ。 さらに遠隔操作も実現するなど、A2Wの提供を通じて、くらしの質も向上させていきます。 

A2Wの特長を示したイラスト。 特長は、環境負荷の少ない自然冷媒、寒冷地域でも暖房性能をキープ、遠隔操作で安心の3つ。

A2Wの特長​

仕組みのイラスト

大気熱を自然冷媒に集め、その熱でお湯を沸かす。​

純水素型燃料電池


純水素型燃料電池の普及拡大で、カーボンニュートラルに貢献

水素で発電する純水素型燃料電池は、パナソニックグループのカーボンニュートラルの取り組みにおける重要分野の一つです。

家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」の技術を応用しているため、優れた発電効率でありながらコンパクト。屋上や地下室、狭小地などの限られたスペースにも設置できます。
また、複数台の連携制御で需要に応じて発電出力のアップも可能です。

私たちは水素燃料電池の普及拡大を通じて、2020年度は20万トンだった削減貢献量を、2024年度には60万トン、2030年度には600万トンまで高めていきます。 

純水素型燃料電池の普及によるCO2削減貢献量の拡大を示した折れ線グラフ。2020年度には20万トン、2024年度には60万トン、2030年度には600万トンまで高めていく。

純水素型燃料電池の普及によるCO2削減貢献量の拡大​

Panasonic HX


クリーンエネルギーソリューション「Panasonic HX」の実証を加速

パナソニックグループの滋賀県草津拠点では、水素を活用したエネルギーソリューション「Panasonic HX」の実証実験を行っています。

また、英国のパナソニック マニュファクチャリングイギリス(PMUK)では、純水素型燃料電池と太陽電池を活用した自家発電により、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う電力需給運用の実証を開始しています。

PMUK では、既設の太陽電池(372kW) に加え、5kWタイプの純水素型燃料電池21 台(合計出力:105kW)、蓄電池(1MWh)の設備を新たに導入。英国カーディフでの気象変化や電力事情に応じた電力需給運用を検証し、電子レンジ工場に必要な電力を100%再生可能エネルギーで供給する運用を目指します。

さらに、純水素型燃料電池を活用することで、設置スペースの削減や安定電源の確保だけでなく、水素発電時に発生する熱を暖房・給湯に利用するなど、エネルギー効率の向上も図っていきます。

PMUKでのエネルギーソリューションの実証を通じて、地域特性に最適なソリューションを開発し、水素事業に関連する現地パートナー企業やビジネス顧客との関係構築に取り組んでいきます。