私たちの取り組み カーボンニュートラル

CONTRIBUTION IMPACT

既存事業を通じて、社会やお客様のCO2排出削減に貢献していきます。​
例えば、車載電池の性能/コスト力向上による環境車の普及促進や、化石燃料から電気を使うヒートポンプ式温水給湯暖房機への置き換え、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うRE100ソリューションなどの取り組みを通じて、電化や再生可能エネルギーへの変革を後押しし、社会全体のCO2排出削減に貢献していきます。 ​

車載電池


エネルギー密度も安全性も高い、車載用円筒形リチウムイオン電池

グループ全体のCO2削減貢献量の6割※1を占める車載電池は、もともとはノートPC用だった円筒形リチウムイオン電池の用途を車載用に変えて開発したものです。​

長持ち・軽量という、ノートPC用の円筒形リチウムイオン電池の特性を活かしながら、エネルギー密度や安全性を高めて低コストを実現するなど、技術革新を続けてきました。

また、セル形状である円筒形の車載電池は冷却性能が高く、電動自動車(EV)の普及を後押しする急速充電にも適しています。

さらに、リチウムイオン電池の製造において、精製の際により多くのCO2を排出するレアメタルの使用量削減にも取り組み、レアメタルのコバルトを使用しないコバルトフリー電池の開発も完了。 環境負荷を低減しながら、性能向上と供給拡大の実現を目指しています。

※1. CO2削減貢献量は2030年度の計画、グループ全体のCO2削減貢献量は9,300万トン (2022年7月 第二回サステナビリティ説明会公表値から)

円筒形車載電池の特長である、資源の有効活用、エネルギー密度の向上、安全性の向上を表したイラスト。

円筒形車載電池の特長​

写真

絶え間ない技術革新を続ける、円筒形リチウムイオン電池​

北米のEV市場拡大に応えて、電池工場の生産を増強

今、電気自動車(EV)市場はグローバルで拡大しており、特に北米では、2021年から2030年の間に年平均で35%急成長する見通しです※2

パナソニックグループは、国策としてEVサプライチェーンの構築を進める北米政府の強い要請に応え、米国で車載電池事業を拡大。北米の電池工場を中心に生産増強と投資効率の改善に努め、車載電池の生産能力(GWh)を約4倍(2022~2030年比)にまで高めていきます。 

※2. CAGR 35%(当社推定) 

EV市場の拡大が示す、電化技術への高いニーズを示した折れ線グラフ。今後2020年から2030年に向けて、35%拡大と急成長する見通し。

EV市場の拡大が示す、電化技術への高いニーズ​

内観写真

進化を続ける北米の車載電池工場​

車載電池事業の拡がりで、CO2削減貢献量を高めていく

車載電池事業の拡大とともに、北米の工場では、リサイクル材の長期調達契約の締結など様々な取り組みを通じて、環境負荷を低減するサプライチェーンを構築。

車載電池事業において、2020年度は800万トンだったCO2削減貢献量を、2024年度には2,100万トンに、2030年度には、2022年度比の約5倍となる5,900万トンまで高めていきます。 

※3. 当社製電池搭載バッテリーEVによるCO2削減貢献量 ​ 

EV用電池の普及によるCO2削減貢献量の拡大を示した折れ線グラフ。 2030年度には、2022年度1,500万トンの約5倍となる5,900万トンまで高めていく。

EV用電池の普及によるCO2削減貢献量の拡大​

Air to Water


CO2排出削減で注目されているAir to Water(A2W)とは?

Air to Water(A2W)と呼ばれるヒートポンプ式温水給湯暖房機は、大気中の熱を集めて温水をつくり出し、住宅に循環させるシステムです。
化石燃料を燃やす従来の暖房機器に比べて、CO2排出量を抑えることができ、新築だけでなく既築住宅でも従来の暖房機器からの置き換えが可能です。

日本では、2002年3月に家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機「エコキュート」※4の生産を開始し、2022年3月に累計出荷台数200万台を達成しました。

また、寒冷地でも暖房性能をキープでき、欧州向け製品においては、温暖な地域で冷房機器としても使えます。

※4. 電力会社・給湯機メーカーが家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式電気給湯機を総称する愛称。

ヒートポンプの仕組みを示したイラスト。

大気中の熱を利用した給湯・暖房で、CO2排出削減に貢献​

写真

欧州向けヒートポンプ式温水給湯暖房機「Aquarea」シリーズ​

欧州のA2W需要に応え、社会のカーボンニュートラルに貢献

欧州では気候変動対策が進み、A2Wの需要が年々増加。市場規模は、2030年度までに大幅に拡大すると予想されています。

欧州連合(EU)の各加盟国では、EUの脱炭素政策にともなって補助金制度が導入されるなど、政策面でA2Wの需要が加速しています。
また、欧州では世界情勢によって、天然ガスの価格が高騰。従来のボイラー式暖房からA2Wへの転換も進んでいます。

パナソニックグループは、欧州を中心に高効率のA2Wをお届けし、社会のCO2排出削減に貢献していきます。 

ヒートポンプ式給湯暖房機の普及によるCO2削減貢献量の拡大を示した折れ線グラフ。2020年度には110万トン、2024年度には380万トン、2030年度には1100万トンと削減貢献量を増加させていく。

ヒートポンプ式給湯暖房機の普及によるCO2削減貢献量の拡大​

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欧州での需要増大に応える、ヒートポンプ式温水給湯暖房機​

欧州市場の前線でA2W事業を強化

パナソニックグループは、欧州向けのA2W事業の成長を加速させるため、欧州内で開発から製造、販売までを一気通貫して行う体制をつくり、事業競争力を高めています。

また、チェコ工場では生産設備を増やし、 A2Wの生産能力を拡大。 2025年度までに55万台、中期的には100万台の生産体制を構築し、2030年度に1,100万トンのCO2削減貢献を目指します。 

A2Wの工場内観の写真

欧州内でA2Wの生産体制を強化​

地球環境もくらしも大切にする、A2Wの技術

A2Wの技術では、大気中の熱を運ぶ冷媒が重要な役目を果たします。パナソニックグループのA2Wは、自然界にもともと存在する物質を冷媒に使った自然冷媒を採用し、環境負荷をおさえています。

また、自然冷媒の加熱能力の高さを活かして、外気がマイナス20℃の寒冷地域でも暖房性能をキープ。 さらに遠隔操作も実現するなど、A2Wの提供を通じて、くらしの質も向上させていきます。 

A2Wの特長を示したイラスト。 特長は、環境負荷の少ない自然冷媒、寒冷地域でも暖房性能をキープ、遠隔操作で安心の3つ。

A2Wの特長​

仕組みのイラスト

大気熱を自然冷媒に集め、その熱でお湯を沸かす。​

純水素型燃料電池


純水素型燃料電池の普及拡大で、カーボンニュートラルに貢献

水素で発電する純水素型燃料電池は、パナソニックグループのカーボンニュートラルの取り組みにおける重要分野の一つです。

家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」の技術を応用しているため、優れた発電効率でありながらコンパクト。屋上や地下室、狭小地などの限られたスペースにも設置できます。
また、複数台の連携制御で需要に応じて発電出力のアップも可能です。

私たちは水素燃料電池の普及拡大を通じて、2020年度は20万トンだった削減貢献量を、2024年度には60万トン、2030年度には600万トンまで高めていきます。 

純水素型燃料電池の普及によるCO2削減貢献量の拡大を示した折れ線グラフ。2020年度には20万トン、2024年度には60万トン、2030年度には600万トンまで高めていく。

純水素型燃料電池の普及によるCO2削減貢献量の拡大​

RE100ソリューション


純水素型燃料電池を活用したRE100ソリューションとは?

パナソニックグループでは、純水素型燃料電池などを活用して事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う「RE100ソリューション」の実証に取り組んでいます。

「RE100ソリューション」では、純水素型燃料電池と太陽光発電、余剰電力を蓄える蓄電池を組み合わせ、エネルギーマネジメントシステムで連携制御。
天候や需要の変化に合わせて、最適で安定した電力を供給し、効率的なエネルギーの地産地消を実現します。 

写真

純水素型燃料電池 複数台設置イメージ​

H2 KIBOU FIELDのRE100ソリューションを世界へ

草津拠点の工場にある実証施設「H2 KIBOU FIELD」では、本格的に水素※5を活用した世界初※6のRE100化に取り組んでいます。

実証実験でノウハウ蓄積し、お客様の施設に展開していくことで事業化を推進していきます。 また、2024年度には、クリーンエネルギーへの関心が高い英国やドイツなどの欧州で実証実験を開始します。

※5. 環境価値証書の活用を含む再生可能エネルギーにて生成されたグリーン水素を活用することでRE100に対応可能、実証開始時は再エネ由来の水素を用いるものではありませんが、将来的には再エネ由来の水素を使用したRE100化を目指しています

※6. 工場の稼働電力を賄う自家発電燃料として本格的に水素を活用した実証において(2022年3月31日現在、パナソニック調べ)

EMSと呼ばれるエネルギーマネジメントシステムの仕組みを示した図。草津拠点の燃料電池工場の製造部門では、ピーク時の電力680kWを想定し、パナソニック製純水素型燃料電池(465kW(5kW:99台)と、太陽電池(570kW)とリチウムイオン蓄電池(1.1MWh)を組み合わせ、全使用電力を3電池の連携で賄う。この独自のEMSは天候・季節の変動や需要変動に追従しながら24時間365日、エネルギーを制御しながら最適に安定供給することができる。