お客様の価値観やライフスタイルの変化とともに、モノではなく機能を使用する新しい考え方がグローバルに拡がっています。
特に欧州では、資源消費に依存せずに持続可能な経済成長を目指すサーキュラーエコノミーの実現が、経済戦略の一つとして位置づけられています。
パナソニックグループでは、このサーキュラーエコノミーの考え方も取り入れ、資源の有効活用と顧客価値の最大化に取り組んでいます。
取り組みコンセプト
「循環型モノづくりの進化」と「サーキュラーエコノミー型事業の創出」に挑む
私たちは、資源効率が脱炭素化に寄与するとともに、地球上の限られた天然資源の消費を削減することが必要であることを認識し、持続可能な社会の実現に貢献するためサーキュラーエコノミーに取り組んでいます。
■循環型モノづくりの進化
「投入資源の削減」と「循環資源の活用」、生産活動の「ゼロエミッション」化、製品の「リサイクル」といった従来の活動を継続しながら、新規材料や最新デジタル技術も活用していきます。
■サーキュラーエコノミー型事業の創出
一つの製品を多くの人と共有する「シェアリングサービス」、機能をベースにしてサービスを充実させる「モノのサービス化」、製品そのものや製品に使われている部品を再生・再利用し、その機能・価値・ 寿命を最大限に活用する「リペア/メンテナンス」「リファービッシュ」「リマニュファクチュアリング」などといった事業の創出に挑みます。
私たちは、お客様やパートナーと協力し、循環志向の経営、情報共有や製品使用の新しいあり方を共につくっていきます。
セルロースファイバー樹脂
廃棄されていた植物資源が新素材に生まれ変わる
パナソニックグループでは、石油由来の樹脂使用量削減を目指して、植物由来の高機能素材、セルロースファイバー樹脂を開発、「kinari(キナリ)」の名称で提供を開始しています。
従来は廃棄されていた間伐材などの植物資源から植物繊維(セルロース)を抽出し、高濃度で樹脂に混ぜ込む独自技術を向上させることで、複雑な形状への加工や、原料の特性を活かした木質感や香りなどの表現も可能にしました。
このセルロースファイバー樹脂は、企業や自治体などとの共創によって、環境配慮型のリユースカップやボタンなどに活用され始めています。
PETEC
サーキュラーエコノミーの実現に多角的に挑む、パナソニック エコテクノロジーセンター
パナソニック エコテクノロジーセンター(PETEC)は、2001年に操業を開始したパナソニックグループの家電リサイクル拠点です。
使用済みの家電製品から高効率・高純度で回収した資源を新しい商品の材料として生まれ変わらせる活動や技術開発に取り組んでいます。
PETECでは、再生資源の利用拡大やリサイクル技術の進化に貢献するだけでなく、資源循環の大切さを学べる環境学習の場として工場見学を実施し、その知見を広く社会に還元しています。
MULTISHAPEシリーズ
合理的なアイデアで環境負荷削減に貢献
欧州・北米市場向けの「MULTISHAPE シリーズ モジュール式パーソナルケアシステム」は、投入資源を最小化する取り組みです。
一つのボディに各部位のトリミングや歯磨きなど、5種のヘッドが着脱でき、必要なケアパーツだけを購入できます。 また、メインユニットと電源アダプターの設計を共通化することで、製品重量を従来比で約60%削減しました。
Panasonic Factory Refresh(パナソニック検査済み再生品)
パナソニックの家電を再生して、くらしと世界をより豊かに
パナソニック公式通販「Panasonic Store Plus」では、循環型モノづくりの一環として、お客様から返品された商品をもう一度使える状態に再生して販売する活動に取り組んでいます。
パナソニックの工場において高い品質基準の下、パナソニック品質として認められたものだけをご提供しています。
循環型モノづくり 関連情報
サーキュラーエコノミー型事業創出の実績
2023年度は6事業から10事業に拡大
既存事業のサーキュラーエコノミー型事業への転換を進め、2023年度は6事業から10事業へと拡大させました。
今後、さらにサーキュラーエコノミー型事業の創出を拡大していきます。
1 |
冷凍冷蔵ショーケースのサブスク事業 |
---|---|
2 |
医療向けクーラーボックスのサブスク事業 |
3 |
あかりEサポート事業 |
4 |
PCサブスク事業での電池管理事業 |
5 |
所有建物の有効活用 |
6 |
セルロース混合樹脂の事業展開 |
---|---|
7 |
ローソン様とのリファービッシュ事業 |
8 |
家電サブスク事業(noiful) |
9 |
工場廃材の部材への活用 |
10 |
乾電池の紙パッケージ採用 |
ローソン様と取り組む、リファービッシュ事業
パナソニックグループはローソン様と共同で、中国の重慶や上海などで使用済みの店舗設備をリファービッシュして店舗で再利用するサービスを展開し、設備廃棄の削減に取り組んでいます。
また、2020年7月にオープンした南京の店舗では、プレハブ工法や資材の再利用で建設廃棄を大幅に削減し、瀋陽や天津でも同様の店舗を展開しています。
持たないくらしを実現する、家電サブスク事業「noiful」
賃貸住宅向けの家電サブスクリプション事業「noiful」は 、パナソニックグループならではの家電パッケージ提案で「持たない豊かな住まい方」を実現します。
賃貸住宅にあらかじめ先進家電を備え付け、家電の使い方をサポートするほか、もしもの時の修理・交換や入退去時の家電クリーニングなど、様々なサービスを提供していきます。
工場端材を「主材」にする「端材活用エコシステム開発プロジェクト」
パナソニックグループは、生産プロセスで生じる資源のムダを減らすために、工場端材をできるだけ「そのまま」使い、魅力的なプロダクトとしてアップサイクルするノウハウ・仕組みの構築に取り組んでいます。
この「端材活用エコシステム開発プロジェクト」では、「データ活用」「二次利用エコシステム」「クリエイターとの協業」という3つのアプローチで、キッチンカウンターなどに使用される人造大理石の工場端材をプロトタイプから一歩進んだプロダクトに生まれ変わらせました。この取り組みをモデルケースとして、新しい資源ライフサイクルの創出を目指していきます。
乾電池に紙主体の「エシカルパッケージ」を採用
地球環境に配慮した消費行動「エシカル消費」への関心が高まっている今、パナソニックグループは、環境負荷低減と使いやすさを両立した紙主体のエシカルパッケージの採用に取り組んでいます。
第一弾として、2021年10月に「乾電池エボルタNEO」の一部のモデルにエシカルパッケージを採用し、2023年4月からはモデル数を拡大しています。
また、充電式ニッケル水素電池「エネループ」では、エシカルパッケージの採用で、従来のブリスターパッケージに比べて包装材の使用量を約38〜 70%削減※1。ラインアップを拡大することで、年間で約5.7トンのプラスチックと約21.5トンの紙、合計約27トンの包装材削減を実現します。
※1. エネループプロ(BK-3HCD/4H、BK-4HCD/4H)とエネループ(BK-3MCD/4H、BK-4MCD/4H)において。従来品エネループプロ(BK-3HCD/4C、BK-4HCD/4C)と従来品エネループ(BK-3MCC/4C、BK-4MCC/4C)との比較。
CO2の増加により地球は過去1400年で最も暑く、地球温暖化が加速しています。
「Panasonic GREEN IMPACT」に込めた決意を当社グループCEOが語ります。
パナソニックグループは2050年に向け、3億トン以上のCO2削減インパクトを目指します。