“働く”ことへの理解を深める
新教材「発展編」、活用のススメ

私の行き方発見プログラムでは、2011年から中学校キャリア教育のための4つの教材をご提供してきました。この基本となる4つの教材に加え、新しく「発展編」として2つの教材をご用意しました。この教材は、基本となる4つの教材の学びを、より実践的な学びにつなげるための内容となっています。本記事では、その特徴や活用のポイントをご紹介します。

発掘編①:SDGs達成に向けた社会課題の解決と役割 発掘編②:これからの社会と求められる役割

中学生の“働く”を、よりリアルなものに

これまで提供してきた教材は、「会社や仕事の役割」「仕事に必要な能力」「職場体験での事前事後学習」「自分の“行き方”を考える」という、4つのプログラムで構成されています。テーマごとに分けた汎用的な構成となっているため、1年生から3年生まで、すべての学年の授業で活用いただけます。また、各学校の事情に合わせ必要な教材のみを選んで活用いただくことも可能です。

基本となる4つのプログラム教材 [会社・仕事理解 プログラム①:会社の役割発見 プログラム②:職業と能力の関係発見] [職場体験 プログラム③:職場体験で仕事発見] [自己理解 プログラム④:自分の行き方発見]

発展編①では「SDGs達成に向けた社会課題の解決と役割」、発展編②では「これからの社会と求められる役割」というそれぞれのテーマのもと、“働く”ということをより深く考えるワークを通して、働くことへの意識と理解を高め、学校での学びと将来の仕事の繋がりに目を向けることを狙いとしています。

学校だけでは、生徒に働くことへのイメージやリアリティを持ってもらうことが難しいという悩みを解決すべく、この教材を通して将来を考え、生徒一人一人が自らの“働くこと”を真剣に考え始めるきっかけになるような教材となっています。

基本編・発展編教材の位置づけ [基本編 会社・仕事理解 プログラム①:会社の役割発見 プログラム②:職業と能力の関係発見 職場体験 プログラム③:職場体験で仕事発見 自己理解 プログラム④:自分の行き方発見] [発掘編 発掘編①:SDGs達成に向けた社会課題の解決と役割 発掘編②:これからの社会と求められる役割]

発展編①
実際のプロジェクト担当者になったつもりで、「自分ならどうするか?」を考える

発掘編①:SDGs達成に向けた社会課題の解決と役割 ねらい:社会課題の解決に関心をもち、そのために必要な能力や役割を考える 手法:ワークシートを使ったグループワークと発表・共有

発展編①では、“LIGHT UP THE FUTURE”という電気のない地域に“あかり”を届ける実際のプロジェクトを題材にしています。このプロジェクトは、ウガンダ共和国の大臣からパナソニックに宛てた一通の手紙をきっかけにスタートしたものです。教材では「この手紙をもしあなたが受け取ったら、どうしますか?」という発問を考えるワークを行い、課題の解決に向け自ら考えること、他者の視点を聞き新たな気づきを得ることができます。実際の担当者からヒアリングしたエピソードを一つの回答例として提示し、そこから課題解決に必要なことを確認するという流れになっています。

主に2・3年生を対象に、働くことへの解像度を高める

この教材はワークを通して、どのような仕事においても直面する“課題解決”について考えます。そのため、職業体験を経てひと通り仕事のイメージを持った2~3年生に対して、働くことへのさらなる理解へと繋げるために活用することをお勧めします。一方で、社会課題の解決というテーマに着目しSDGs学習などと紐づけ、学年問わず実施することも可能です。

発掘編①:SDGs達成に向けた社会課題の解決と役割 <活用のタイミング> 2年生:職業体験先以外で、仕事の理解を深めるため 3年生:進路選択前に、働くということの理解を深めるため 全学年:SDGs学習の前後に、企業の社会貢献活動への理解とキャリア教育のため

発展編②
中学生が社会の最前線で働くことになる20年後の未来を想像し、自身の生き方を考える

発掘編②:これからの社会と求められる役割 ねらい:自分らしく主体的に生きるために必要な役割や能力を考える 手法:ワークシートを使ったグループワークと発表・共有

発展編②では、中学生が社会にでて中心的な役割を担っているであろう「20年後の未来」を題材としています。将来、自分たちが働く社会の姿を自由に想像し、その社会で必要となる役割や能力を考えるワークを行います。ここでは自分らしい発想で考え、他者の視点を聞いて学びます。予測困難なVUCA時代だからこそ、自分らしく主体的に生きてほしいことを伝え、そのために必要なことを確認するというまとめになっています。

学年問わず、複数回実施しても新たな気づきがある

未来を想像するという自由度の高いワークであるため、他者の回答を聞くことも生徒たちにとって良い刺激となり、学年問わず、複数学級または学校全体での実施も良い学びに繋がります。また1年次と3年次での実施、毎年の実施など、同じ生徒に対して期間をあけて複数回行い比較することで、考え方や価値観の変化を見ることも可能です。

発掘編②:これからの社会と求められる役割 <活用のタイミング> 1年生:入学後、自分にとって有意義な中学校生活とはなにかを考えるため 2年生:職業体験の前後に、その職業の将来について考えるため 3学年:進路選択や卒業前に、自分の生き方を考えるきっかけとするため

次世代を担う子どもたちのために、指導にあたる先生方にもお役立ちする

私の行き方発見プログラムは、次世代を担う子どもたちが、自分らしい“行き方”を考えるためのきっかけづくりのために行うものです。しかしそのためには、指導に当たる先生方のためにお役に立つ情報をご提供することが第一歩と考えています。

発展編教材も、基本教材と同じくワークシートやティーチャーズガイドをご用意しており、お忙しい先生方でも手間なく活用いただけます。

ティーチャーズガイドとワークシートのイメージ

また、これまでの授業との紐づけや、授業のまとめに別のメッセージを伝えるなど、様々な形で使っていただけるよう、教材スライドは編集可能な形式となっています。

基本教材とあわせてぜひ活用ください。