
「タイム・カプセルの木」ってなに?
1970年の日本万国(ばんこく)博覧会(はくらんかい)のときに埋(う)められたタイム・カプセルは、きちんと保存(ほぞん)されているかどうかを調べるため、2000年3月15日に初めて点検(てんけん)用のタイム・カプセルを開封(かいふう)したんだ。その時に中に収(おさ)められていた植物の種から育てた木を「タイム・カプセルの木」と呼んでいるんだ。
植物の種が30年間も眠(ねむ)り続けていたって信じられるかな?普通だったら腐(くさ)ったり、枯(か)れてしまったりして30年間ももたない。でもちゃんとした条件(じょうけん)で保存しておくと30年経(た)っても芽(め)を出して育つことが証明(しょうめい)されたんだ。タイム・カプセルってすごいね。
30年の眠(ねむ)りから覚(さ)めた木々たち
では、タイム・カプセルの中で30年間眠っていた植物を紹介(しょうかい)。取り出された種子はアカマツ、トドマツ、ヒノキ、スギの4種類。筑波(つくば)と京都にある森林総合(そうごう)研究所で発芽実験をして育てられたんだ。残念ながらスギは育たなかったんだけど、ほかの3種類は順調に育っている。発芽から2年半で下の写真のように大きくなったよ。(写真提供:毎日新聞社)



今は小さな木だけど、何十年も育っていくと下のように大きな木になるんだ。
木はとても長生きだ。(写真提供:木の情報発信基地)

青森から九州屋久島まで広く分布(ぶんぷ)。高さは30メートル以上にもなる木なんだ。

北海道などの寒いところに分布している。20~30メートルまで大きくなる。

東北地方から南に分布している。これも高さが30メートル以上にもなるんだ。
「タイム・カプセルの木」はここで見られるぞ
みんなもタイム・カプセルの木を見に行かない?誰(だれ)でも見ることができるよう、2003年3月、大阪の万国博(ばんこくはく)記念公園に記念植樹したんだ。これからどこまで大きくなるかとても楽しみだね。
■タイムカプセルの木がある場所

■記念植樹の様子


(写真提供:毎日新聞社)
今回、記念植樹したのは3本のアカマツの木。ちょっと難しいけど、その3本の木々には次のような思いが込(こ)められているんだ。
◆生命の芽吹(ふ)き・育み
万博(ばんぱく)開催(かいさい)の象徴(しょうちょう),脈々(みゃくみゃく)と続く生命の大切さ・不思議さ
◆地球への願い
全ての生命の根源(こんげん)である地球のすばらしさ,地球環境(かんきょう)の大切さ
◆夢(ゆめ)・そして未来へ
人類の夢を乗せた未来への道,後世へ伝える文化遺産(いさん)の意義(いぎ)
タイム・カプセルの木を見て、生命の大切さや地球環境の大切さなどについて考えてみよう。
タイム・カプセルってなに?
タイム・カプセルって知っているかな?みんなも学校の校庭などに埋(う)めたことがあるんじゃないかな?みんなで書いた作文や絵などを10年後や20年後の未来まで埋めておくものなんだ。大人になった時に取り出すなんて,考えただけでもワクワクするね。
でも、今回紹介(しょうかい)するタイム・カプセルは普通(ふつう)のタイム・カプセルとはぜんぜん違う。なぜなら、5000年もの長い間埋めておくものだからなんだ。
1970年(昭和45年)に開催(かいさい)された日本万国博覧会(ばんこくはくらんかい)に、松下電器(まつしたでんき)は「伝統(でんとう)と開発」のテーマで松下館を出展(しゅってん)した。その館内でタイム・カプセルを展示したんだ。カプセルの中には、2098点の物品と記録が入れられたというのだからすごい。
そのタイム・カプセルには同じものが2つあり、大阪城公園の地下10mと15mに埋められている。2000年3月15日に地下10mのものが調査のため30年ぶりに取り出された。2000年以降(いこう)は100年ごとに取り出されて点検(てんけん)することになっている。次は2100年だ!
※松下電器は2008年10月1日に社名をパナソニックに変更しました。

タイム・カプセルについて詳(くわ)しく知りたい時はこちらへ!
>Time Capsule EXPO'70を見てみる
タイム・カプセルの本体はパナソニックミュージアムでも見ることができるぞ!
>パナソニックミュージアムを見てみる
万国博覧会(ばんこくはくらんかい)ってなに?
よく「万博(ばんぱく)」って略(りゃく)されて言われている。世界で初めての万博が開かれたのは、1851年のロンドンだ。その後も人類の文明や、世界平和をおし進める形で世界各国で開かれてきた。フランスのパリにあるエッフェル塔(とう)も1889年のパリ万博で建てられたって知ってたかな?
日本万国博覧会について
日本では1970年に大阪で万博が開かれた。半年間で6400万人もの人々が足を運んだ。このときの入場者数は今でもまだ抜(ぬ)かれていないんだって。人気を集めたのはソ連館(今のロシア)の宇宙開発や、アメリカ館の「月の石」など。松下館の「タイム・カプセル」も人気展示(てんじ)のひとつだったんだ。
※松下電器は2008年10月1日に社名をパナソニックに変更しました。

大阪万博のデータ
テーマ: 人類の進歩と調和
会期: 1970(昭和45)年3月15日~9月13日
会場: 大阪・千里丘陵(きゅうりょう)
広さ: 約330万平方メートル
参加国数: 77カ国
総入場者: 6400万人


いろんなイベントが行なわれた
「お祭り広場」


タイム・カプセルが展示された松下館
(写真提供:毎日新聞社)