パナソニックは、一歩外に出たくなる、家から社会までつながる世界を目指して「ロボティクス・アクセシビリティプロジェクト」を発足。「ロボティクス」や「モビリティ」など先端技術の開発に、より多くの人が使いやすく暮らしやすい製品、街、仕組みを目指す「ユニバーサルデザイン(UD)」の視点や、アクセスしやすさ、便利さを示す「アクセシビリティ」のエッセンスを加え、さまざまなサービスを展開しています。
人に対しての使いやすさを表すUD、到達しやすさを示すアクセシビリティと、ロボティクス・モビリティによるサービスの考え方には相似性があります。アクセシビリティ・UDの視点では、ハード(物理的)面では、障害があるのは「人」ではなく「環境」の方にあると捉えます。また、ソフト(心理的)面では、ハード改修でどうしても対応できない部分は人同士の助け合い(心のバリアフリー)でカバーしていこうという考え方をします。
実は、ロボティクス・モビリティも同様で、まずはロボットが働きやすいよう、環境側から整備を進めていきます。しかし、やはりハード面の整備だけではロボットが100%の力を出せない時がある。そこで、ロボットへの理解を促進し、ロボットと人が一緒に作業することで、できることをより増やしていこうという考え方があります。
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
視野が黄色がかって見えたり、かすみがかって見える白内障は、60歳以上の7割の方が羅患するといわれています。白内障の高齢者の方がどのように見えるかを眼科医と共同研究し、白内障擬似体験ゴーグルを開発。製品の表示、カタログ、パッケージ、取扱説明書などの見やすさの検証や改善に活用しています。2000年から社内基準として採用しています。
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高齢者や障害者、介護・介助する人に向けて、それぞれの商品が人へのやさしさ・使いやすさの面でどんな工夫がさなれているのか。それを視覚的にお知らせするために、UDピクトグラムを考案し、2001年に社内基準としてまとめました。さらにグローバル化や技術革新に対応するために、2016年に一部マークを追加し、北米、中国、タイ、マレーシア、日本の5ヵ国で調査を実施。その結果を反映し、さらに分かりやすく改訂しました。
「音声案内」は、より多くの方に情報を伝える有効な手段になっています。聞き取りやすく理解しやすい音声案内を実現するため、音質や音量、話速、内容・表現、文の長さなどの研究を行い、指標化しています。2003年から社内基準として採用しています。
音声ガイド基準
文字の見やすさについて、大きさとコントラストの確保だけでなく、書体自体の研究に取り組みました。高齢者評価やグローバル調査、研究者へのヒアリングを通じ、①視認性 ②判読性 ③可読性 ④デザイン性の4視点から改善ポイントを抽出。フォントメーカーの㈱イワタ様と共同開発を行い、2006年に世界初のUD仕様の書体を完成させました。この書体は、全てのパナソニックグループ製品の機能表示に使われています。2008年には当社グループの社名にも採用しています。
PUDフォント例
赤や緑系の識別が困難な方にも区別しやすい配色の研究を、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)様と共同で行い、その成果を、ビエラやディーガのリモコンカラーボタンや、電子番組表の配色に活用しています。CUDOの定める基準を満たした製品に与えられる「CUDOカラーユニバーサルデザイン認証マーク」を取得しました(2007年から採用)。
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筋負荷や重心移動など、様々な科学的解析で「使いやすい」という曖昧な感覚を可視化・定量化した商品づくりを推進しています。最近ではデジタルヒューマンシミュレーションによる身体負担の見える化も行っています。
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家庭内の幼児の事故として「折れ戸開閉時の指はさみ」や「ドアはさみ」が、多く発生しています。幼児の指を想定した「擬似指」により、様々なケースの安全性を評価しています。
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※このUDサイトは、より多くの方へのアクセシビリティを高めるために、様々な方のご意見をお聞きして改善を行なっております。
※障害の漢字表記に関して:スムーズな読み上げを実現するために、障害という単語を漢字で表記しています。