デジタル映像文化の礎
デジタルビデオカメラ
登録年:2014年
登録番号:00166
品番:NV-DJ1
製作者:松下電器産業株式会社
製作年:1995年
登録基準:
1.-【ロ】国際的に見て日本の科学技術発展の独自性を示すもの
2.-【ロ】日本経済の発展と国際的地位の向上に一時代を画するような顕著な貢献のあったもの
1990年代に入るとデジタル化の動きが急速に進展。これに伴い、家庭用ビデオカメラにも高画質や高度な編集機能が求められるようになり、従来のアナログ方式では限界がきていました。こうした動向を見据え、世界55社が参画するHDデジタルVCR協議会は、1994年に家庭用ビデオカメラのデジタル化に向けて、6.35ミリ幅テープを使用した「DV規格」を策定しました。
当社はこの規格に対応したデジタルビデオカメラの開発に着手。デジタルの特長を生かすため、ピクセルの密度を倍増した倍密画素配列3CCDカメラを開発し、アナログ方式を大幅に上回る水平解像度500本(従来比1.3倍)、色帯域1.5メガヘルツ(従来比3倍)の高画質を実現しました。また、音声も、音楽CDの録音・再生で使用されているPCM(パルス符号変調)方式を採用し、業務用に迫る画質・音質のデジタルビデオカメラの実用化に成功。翌1995年、これを「デジカムNV-DJ1」と銘打ち発売しました。
光の三原色(R:赤・G:緑・B:青)それぞれに専用のCCDを搭載する3CCDカメラは、高価な上に部品サイズが大きくなります。それゆえ、小型化が求められる民生用カメラには、1CCD方式が採用されていました。しかし、高画質化には3CCDが必須と判断した開発陣は、レンズの製造を担当する山形工場ほか、関連各部門と一体となった垂直統合型の開発により、短期間での製品化を実現しました。
デザインは、民生用と業務用のカメラデザイナーがプロジェクトチームを結成して検討。小型化にこだわる民生用デザイナーに対して、使いやすさと正確な操作性を第一に考える業務用デザイナー、両者の思想を融合させた機能美を追求しました。その結果、目で覗くビューファインダとレンズが直線上にある「光軸一致」をコンセプトに、プロ仕様の39ミリマルチアングル対応の見やすい大口径ファインダを採用し、撮り易さを追求しながらも精巧なスタイルを実現。新たなジャンルであるデジタルビデオカメラ市場を切り開く商品になりました。
デジタル化によって、ダビングや編集時の画質劣化というアナログ記録の課題は解決されました。
これに伴いビデオカメラのデジタル方式へのシフトが一気に進み、4年後の1999年には、発売された137万台のうち、約92%の125万台をデジタル方式が占めるまでになりました。
NV-DJ1の特長(新製品ニュースより抜粋)
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