Panasonic NPO/NGOサポートファンド
for SDGs 贈呈式

組織診断・組織基盤強化を応援する助成プログラム
「貧困の解消」に取り組む16団体への助成が決定

2026年1月27日、パナソニック東京汐留ビル(東京都港区)で「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」の贈呈式を開催しました。
「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」では、社会の中で重要な役割を果たすNPO/NGOが、持続発展的に社会変革に取り組めるよう助成を続けてきました。 SDGsの大きな目標である「貧困の解消」に向けて取り組んでいる NPO/NGOを対象に「海外助成」「国内助成」の2つのプログラムで、組織課題を明らかにする組織診断や具体的な組織課題の解決、組織基盤の強化などを応援しています。
今年度は64件の応募があり、16団体への助成が決定しました。会場には助成団体の皆様をはじめ選考委員の皆様、協働事務局など、総勢約60名の方々にご出席いただきました。


●開会挨拶

地球規模の社会課題の解決に求められる共創



パナソニック ホールディングス株式会社 執行役員 企業市民活動担当 小川 理子

サポートファンドは2001年の設立以来、一貫して組織基盤強化の支援に取り組み、のべ506団体を応援してきました。世界では紛争や中東情勢の緊迫化、気候変動の影響による自然災害、そして途上国の絶対的貧困だけでなく、新興国・先進国の相対的貧困や格差の拡大が深刻化しています。私たちはソーラーランタンを無電化地域の教育・健康・収入の向上につなげる活動を続けてきましたが、昨年のTICADでも紹介する機会を得ました。
国内では能登半島地震から2年経ちますが、今なお復旧・復興の途上で、当社でも従業員がボランティアとして珠洲市や七尾市の活動に参加し、会社の福利厚生で付与されたポイントを寄付するなど、応援を続けています。さらに、東日本大震災からは15年となりますが、福島『復興』応援アクションを通じて、被災地の支援と風評被害の払拭に取り組んでいます。

写真

パナソニック ホールディングス株式会社
執行役員 企業市民活動担当 小川 理子

そして昨年の大阪関西万博では、当社も「ノモの国」を出展しました。万博でも、地球規模の社会課題を一つになって解決していこうという調和が重視されたように、大きな社会課題の解決は一企業ではなし得ません。NPO/NGOの皆様をはじめとする多様なステークホルダーと共創し、理想の社会の実現を追求してまいります。


●選考委員長による選考総評

【海外助成】
自分たちをさらけ出し、当たり前を疑えた団体が変われる



多摩大学 経営情報学部 教授
特定非営利活動法人 NPOサポートセンター 代表理事
松本 祐一 氏

海外助成は応募総数が22で、昨年度より新規が5件増え、新規・継続合わせて7団体が採択されました。今回は半分近くが20年以上の老舗の団体でしたが、老舗かどうかにかかわらず、助成金を必要とする切迫感の強い団体が選ばれました。
採択された団体の傾向を3つにまとめると、1つ目は属人化、つまり一部のリーダーや特定の人に頼った運営からの脱却です。2つ目が財源の多様化やファンドレイジング戦略の転換です。そして3つ目が成長や世代交代、事業継承の中における団体のアイデンティティの再定義です。これは組織だけではできない取り組みで、外部の支援者の視点で客観的に自分たちを見つめ直す必要があります。
組織基盤強化は自分たちのいろいろなものをさらけ出さないとできず、勇気をもってチャレンジし、当たり前を疑えた団体が選ばれました。なぜ自分たちがここにいて、この活動をしなければいけないのか、問い直せた団体が本当の意味で変われるのではないでしょうか。お金を出す側も当たり前を疑い、どうすればソーシャルセクターやNPO/NGOの世界が広がっていくのか考えながら、サポートしていきたいと思っています。

写真

多摩大学 経営情報学部 教授
特定非営利活動法人
NPOサポートセンター 代表理事
松本 祐一 氏

【国内助成】
コロナ禍と物価高が襲い、さらなる公助による取り組みが必要



公益財団法人 あすのば 代表理事 小河 光治 氏

コロナ禍以前も困窮していた世帯をコロナ禍が襲い、その後は未曽有の物価高が続いています。一方で、こうした方々を支える組織や人々の課題も放置できない状況で、さらなる公助による取り組みが必要ですが、すぐには実現が難しい現実があります。
今年度の国内助成は42件の応募があり、新規5団体、継続4団体への助成が決定しました。新規助成は外国ルーツの子ども支援、困窮する若者支援、アドボカシー推進、フリースクール事業、学習支援、居場所事業など。そして継続助成はLGBT法整備に向けた全国連合組織、妊娠SOS事業、自立援助ホームの運営、移動困難な人の送迎ボランティアなど、テーマも多様で、所在地も日本各地に広がっています。
新規助成団体は事業継続期間や財政規模、人的リソース、事業の特徴を踏まえ、団体が抱えている現状と課題、今後目指すべき姿などをしっかり検討しているところが評価できました。

写真

公益財団法人 あすのば
代表理事 小河 光治 氏

継続助成団体は組織診断や組織基盤強化において助成の成果が十分で、今後の計画も具体的に検討しているところが評価できました。助成団体には、社会問題の解決に向けて、各分野・地域におけるリーディングNPO/NGOとして、さらに尽力していただくことを心から願っています。


●助成通知書の贈呈

今年度、助成を受けることが決定した16団体の皆様に、パナソニック ホールディングス株式会社 小川 理子より助成通知書を贈呈し、記念撮影を行いました。

写真:助成通知書贈呈の様子
写真:助成通知書贈呈の様子

●フォローアップ調査結果のご報告

課題の解決度が上がり、内容も深化
時間差で表れる組織基盤強化の成果



合同会社 コドソシ 代表 田口 由紀絵 氏

サポートファンドはNPO/NGOの事業ではなく、組織基盤強化に助成する珍しいプログラムです。その成果を見える化するために毎年、助成期間が終わって1年半以上経過した団体にフォローアップ調査を行ってきました。さらに今回は3年半以上経過した団体も対象に加え、1年半経過した8団体(海外3・国内5)と3年半以上経過した12団体(海外5・国内7)にアンケートとヒアリングを実施しました。
助成によって組織課題がどのくらい解決されたかという質問には、1年半経過した団体の75%が「目標の80%以上解決された」と答えました。組織がどう変わったかという質問には、「財源が開発できて受益者が増加し、新たなフェーズに進んだ」「メンバーの主体性が高まって活動の質が向上した」「組織運営や財政面に関する意識が高まり、経常収入の拡大が事業拡大につながった」などの回答が寄せられ、さまざまな成果が表れています。

写真

合同会社コドソシ
代表 田口 由紀絵 氏

3年半以上経過した12団体は、助成事業に2~3年取り組んだ団体を対象としました。財政規模は助成申請時と比べて、平均して約4.3倍の拡大となっています。組織課題がどのくらい解決されたかという質問には、91.7%の団体が「80%以上解決された」と回答。ある団体は、1年半後の質問時には解決度100%で「スタッフの数が増えた」と答えましたが、3年半後には解決度120%で「一人のリーダーシップに頼らない組織になってきた」と回答し、より課題の解決度が上がり、内容も深化していることがわかりました。
組織基盤強化の成果は時間差で表れます。しんどい時もあると思いますが、贈呈式や報告会でほかの団体の皆さんと会い、事務局や伴走支援をしてくれる方々に支えられ、孤独ではない取り組みになるのが、このプログラムの大きな特徴です。