
テーマ:半導体
半導体EMC評価(DPI法)で、セット商品のイミュニティが向上
2022年2月18日
門真EMCサイトの石橋です。
突然ですが、「半導体EMC評価」って皆さんご存知ですか?
これまでのEMC評価では、セット(完成品)での評価が主流でしたが、最近自動車業界等ではデバイス単体での評価(半導体EMC評価)が注目されつつあります。
今回は半導体EMC評価の一つである「DPI法」をご紹介します。

DPI法はDirect Power Injection methodの略で、ICの各端子に容量性結合でノイズを直接注入し、誤動作の有無を確認する評価方法です。IEC 62132-4で規格化されており、近年では欧州を中心に車載機器に対する半導体のEMC評価として要求されつつあります。
この評価のメリットとして
- ICの各ピンに対し、ノイズ耐性を定量化することが可能
- 高い再現性
ことが挙げられます。
最近では、ICの動作電圧が低電圧化しているため、少しの電圧変動が誤動作につながります。
製品レベルでのイミュニティ試験で誤動作の要因がICのノイズ耐性である事例も増えています。
下の図は、半導体の耐ノイズ性の向上により、セット商品の耐ノイズ性も向上した例です。
従来品(赤線)に比べ、ノイズ耐性のある半導体(青線)のほうが、セット商品での評価でも耐ノイズ性が向上していることがわかります。
このように半導体のEMC評価は、デバイスメーカーだけでなく、セットメーカーとしても利用することができる手法になりつつあります。

プロダクト解析センターでは、半導体のEMC評価で欠かすことのできない、標準プリント基板の設計から評価まで一貫してご利用が可能です。
ご希望の方は、お気軽にお問合せください。