EMC

テーマ:静電気

静電気可視化システムを活用した解析事例の紹介(1)


2020年12月17日


EMC設計・解析担当の政井です。

今回は、静電気可視化システムの機能の一つで、静電気(ESD)に弱い部分を可視化する「静電気耐量のマッピング」を活用した実製品の解析事例を紹介します。

静電気可視化システムの概要はこちら

課題は、デジタルフォトフレームの静電気試験において「フレーム部(金属)に放電ガンで静電気印加した場合に画面が消える」です。

図2. 静電気耐量のマッピング
図2. 静電気耐量のマッピング

この結果から、不具合の原因はSDRAMがフリーズし、またSDRAMとマイコン間の通信異常が発生したためにマイコンがフリーズすることでバックライト電源回路を制御できなくなり、スタンバイモードになっていると判断することができました。

経験則によるカット&トライ的な方法ではバックライト電源回路に問題があると推測し、この部位に対策してもうまくいかなく、マイコンやSDRAMがフリーズしているにたどり着くまでに相当な工数を要してしまうのではないかと予想されます。

しかし、今回はこの静電気可視化システムを活用することで、不具合の本質的な部分に短時間(今回は2時間程度)でたどり着くことができました。

本システムにご興味を持たれた方は、是非ご連絡ください。