外国には正月料理ってあるの?

ある国とない国がある。

イギリスやフランスなどのヨーロッパと、アメリカなどの国ではキリスト教が信じられている。キリスト教では、イエス=キリストが生まれた日、つまりクリスマスがとても大切なんだ。だからクリスマスには七面鳥やケーキなどのごちそうを食べて盛大(せいだい)に祝う。その後すぐのお正月には、騒(さわ)いだ後のお休みみたいに、静かに過(す)ごすことが多いようだね。

キリスト教の国とは違(ちが)い、アフリカやアジア、南アメリカなどの国では、日本と同じように田畑を耕(たがや)して食べ物を育ててきた人が多かった。食べ物を育ててくれるいろいろな神様に祈(いの)る気持ちが強かったんだね。そういう国では昔からの料理を食べてお正月を祝うところが多いようだ。

例えば...

フィリピンでは、お正月にはココナッツ風味のおもちを食べます。日本みたいに焼かないで、おなべで煮(に)て食べるんだ。最初、おもちはなべの底に沈(しず)むんだけど、煮えると浮(う)き上がってくる。だから縁起(えんぎ)がいいと考えられたんだね。

韓国(かんこく)のお正月のごちそうは「マンドゥク」。刻(きざ)んだキムチと肉に豆腐(とうふ)、もやしを混(ま)ぜたギョウサのようなのをスープで煮て食べるんだ。ぴりっと辛(から)くておいしそう!

台湾(たいわん)では、日本と同じように、普段(ふだん)離(はな)れている家族も集まって、にぎやかにごちそうを食べます。でも、お正月というより、大みそかの方が大切なんだって。


食べるのは、ほうれん草をゆでた長年菜(ツァンニェンツァイ)。その名の通り、長寿(ちょうじゅ)を祈り、包丁(ほうちょう)で切らずに長いまま口に運びます。紅白湯圓(ホンパイタンユェン)は甘(あま)いお吸(す)い物。紅白の白玉が入ってとてもおめでたい感じです。もう1つ、ヌォミィーティェンツォという、もち米のおかゆに果物を入れたものの3品を、仏様(ほとけさま)にお供(そな)えしてから食べるのです。

シンガポールやタイなど、アジアには「旧正月」という、今のお正月とは別の日にお祝いをする国が多い。そんな昔の風習を守るところに、先祖(せんぞ)を大切にする気持ちが表れているね。

南米ペルーでは、1月6日に3人の人が星を探しに行って、星を見つけた時に神様が生まれたとされます。だからお正月には、小麦粉や牛乳(ぎゅうにゅう)、卵、鳥の胸肉(むねにく)を入れて焼いたごちそう「トールタ・デ・フランゴ」を食べて朝まで祝います。1月6日には子どもたちはお小遣(づか)いをもらえるんだって。日本のお年玉と似(に)てる?

ちょっと変わった所では...

ケニアでは牛肉が安くて鶏(にわとり)が高いので、クリスマスにもお正月にも高い方の鶏を食べるんだって。

ロシアもお正月を盛大に祝う国。シベリア風の水ギョウザ「ペリメニ」をたくさん作って楽しみます。家族でギョウザを作るって日本でもよく行われてきたことだね。

ヨーロッパのチェコでは、クリスマスの方が大切であまりお正月を祝ったりしないけど、鳥肉は食べちゃいけないことになってる。幸せに羽根がはえて逃(に)げちゃう、っていうことみたい。

日本だけでも地方や町、家によって、いろいろ違う料理や祝い方がある。お雑煮(ぞうに)の作り方なんて何種類あるか分からないぐらい! あなたが毎年、普通のように食べている物も、友達に聞いてみると、珍(めずら)しい物かもしれないよ。