ーーいろいろな種類の掃除機がある中で、今回紹介(しょうかい)していただく
UD(ユニバーサルデザイン)の心配りのある掃除機はどのようなものですか?
掃除機にはゴミを紙パックに集める紙パック式掃除機と、ゴミをダストボックスに集めるサイクロン式掃除機、自動的に動いて掃除するロボット掃除機や充電(じゅうでん)することによりコードにつながないで掃除できるコードレス掃除機などがあります。
今回特にUDの心配りのある掃除機としてご紹介するのは、軽くてじょうぶな最新の紙パック式掃除機MC-JP800Gと、自分で動いて掃除してくれる最新のロボット掃除機ルーロMC-RS800です。(2017年秋発売)
紙パック式掃除機は軽いのでおとしよりや力の弱くなった人でもラクに掃除ができるように考えられました。しかし、軽いということは年れいや男女、力の強い弱いに関係なくだれにでも使いやすいということでもあります。
ロボット掃除機は、これまで人があつかう道具だった掃除機とは全くちがう存在(そんざい)です。毎日掃除をする時間がなかったり、掃除機がけがつらいと感じるような人に向けてつくられていて、お出かけ中や、ねている間に人のかわりにくまなく掃除してくれます。かわりに掃除してくれるすがたを、かわいらしく家族のように感じる人もいます。毎日の掃除をロボット掃除機におまかせする人も多いでしょう。
紙パック式掃除機「MC-JP800G」
自分で動いて掃除してくれるロボット掃除機「ルーロMC-RS800」
ーー製品(せいひん)にはUDが具体的にどのように活かされていますか?
先ほどいいましたように、この最新の掃除機はおどろくほど軽いので掃除をする人の負担(ふたん)をへらしてくれるというのが一番のポイントです。
特別なヒモのようなものをおりこんで軽さと強度を両立した先端素材(せんたんそざい)PPFRPを採用(さいよう)したり、軽くて強いモーターを開発するなど、ものづくりに工夫をこらしています。それらの工夫により、じょうぶでしかも業界最高水準(すいじゅん)の本体2.0Kg*の軽さを実現(じつげん)しました。(*2017年9月現在(げんざい)、家庭用床移動(ゆかいどう)型掃除機における重さにおいて。)
本体の軽さだけでなく、操作(そうさ)するハンドル部分・延長(えんちょう)パイプ・ノズルも材料の工夫などで徹底(てってい)的に軽くしています。
1 先端材料 PPFRPの使用で、軽さも強度も両立
2「アルミ素材高効率モーター」採用で小型化・軽量化
3 素材感きわだつ「綾織」デザイン
4 ハウスダスト発見センサーで、目に見えない細かいゴミまで見つけて光って
お知らせ。キレイに掃除できたかチェックできます。
5 延長パイプに「軽量素材PPFRP」を採用
6 親&子ノズルに付いているLEDライトで、暗い場所でもしっかり掃除
そして、ホースの取り付け位置を低く、操作するハンドル部分を長くしたことより、かがまずに姿勢(しせい)良く掃除機をかけることができ、その結果、腰(こし)への負担を軽くすることができます。
さらに、本体のハンドルをにぎりやすい太さや素材、形にし、人に近い側につけたことで、本体を持って使う時やかたづける時などにもラクにあつかうことができます。
ホースの取り付け位置を低くハンドル部分を長く。その結果、かがまずに姿勢良く掃除機をかけることができ、腰への負担をへらせます。
そのほか、目に見えないゴミまで見つけて光ってお知らせするハウスダスト発見センサーや、暗い場所でもゴミがしっかり見えるLEDライトなど、ゴミの取り残しがないようにきちんと掃除できる機能(きのう)が付いています。これらは使う人に安心感や満足感をあたえてくれると思います。
また、耳の聞こえにくい人はコンセントから電源コードがぬけていても気づかずに掃除をしてしまうことがあるそうですが、ハウスダストセンサーがあるとそういうことがなくて良いと聞きました。
軽くて持ち運びしやすいから、階だんもラクラク!本体以外の素材も軽いので、高いところも、狭い場所も家中の掃除がスムーズ!
まず人が掃除機につきっきりで操作しなくても自動で掃除をしてくれることで、人の負担を大きくへらしてくれることがUDの大きなポイントです。もちろんきちんとすみずみまで掃除してくれるように、独自(どくじ)の三角形の形にしたり、ゴミや障害物(しょうがいぶつ)を発見するセンサーを付けたりなど、いろいろな技術(ぎじゅつ)や機能が搭載(とうさい)されています。
また、ここをおせば良いとひと目でわかるように、表面にはスタートボタンをひとつにして、そのほかの操作ボタンはフタの中にかくしました。使い方が簡単(かんたん)ですぐにわかるようにすることは、UDの大切な原則(げんそく)の1つでもあります。ゴミすての時の動作を1回でできるようにするなど、使いやすさのための工夫も重ねています。
部屋のスミにとどく独自の「ルーローの三角形」フォルム。
3種類の障害物検知(けんち)センサー搭載で、動きもスムーズ。
ハウスダスト発見センサーで「目に見えないゴミ」まで発見。
このルーロは、人工知能(ちのう)とセンサーによってルーロ自身が部屋のどこにいるかを理解(りかい)しながら、部屋のカタチを学習します。家のどこにゴミが多かったかを表示(ひょうじ)する「ゴミマップ」をつくり、「ゴミマップ」でゴミの多かったところだけをサッと掃除することもできます。
さらに、スマートフォンを使って家の外からルーロの運転・停止を操作したり、「ゴミマップ」を確認(かくにん)したりすることもできます。
これらの、人工知能によって学習したり、効率(こうりつ)良く動いたり、「ゴミマップ」を作成したりできるようにするのは、こだわったところでもあります。一人ひとりの家庭に合わせて成長する、そんなロボット掃除機は他にないと思います。
本体のカメラセンサーにより、部屋の特ちょうとなる場所から自分の位置を認識(にんしき)し、地図を作成する技術があります。
外出先からもスマートフォンで運転・停止の操作が可能(かのう)。
作成された「ゴミマップ」でゴミのたまりやすい場所の確認もOK!
以上のように、使う人の負担を少なくして、それでもきちんと掃除できること、特にルーロはその場にいなくても外から操作できることが、おとしよりや力の弱い人だけでなく、目の見えない人をふくめて多くの人にも使いやすい掃除機となっていると思います。
ーーUDを配慮(はいりょ)するために苦労したこと、
大切に思っていることを教えてください。
UDを配慮することは多くの人が賛成(さんせい)してくれますが、思っているような使いやすい製品はすぐにはできません。何回も考え直し、作り直し、という積み重ねの結果、使いやすい製品が生まれます。
例えばハンドルの形などは、基準(きじゅん)は決めていますが、製品ごとに重量やハンドルの場所などで少しずつ持ち心地が変わりますので、1回で決まることはほとんどありません。製品と同じ重さの試作で何度も実験して改善(かいぜん)します。時間のかぎられた中で、できるかぎりベストを目指します。
また使いやすくするために、製品の本来の性能(せいのう)が悪くなってしまうような時があります。例えば、本体を軽くするために単に小さいモーターにしたらゴミをすう力が小さくなってしまう、というような場合です。
使いやすさも機械の性能もどちらも満足させられない時に、両方の良さを残しながらバランスをうまく取ることに苦労することもあります。そんな時は、この製品の1番の特ちょうはどこで、1番使ってほしい人はどんな人かを考えて、優先するポイントを判断(はんだん)しています。
そして、UDを配慮するために気持ちにおよぼす影響(えいきょう)を考えることも大切だと思います。
今回ご紹介している紙パック式掃除機の軽さと強度を両立したのは、先ほどもお話ししました先端素材PPFRP。その素材感きわだつ日本の伝統(でんとう)的な「綾織(あやおり)」を本体上部にデザインすることで、美しい布(布)に包まれたようなすがたになっており、さりげない美しさを感じさせてくれると思います。
また、ロボット掃除機のセンサーで、目に見えないゴミをすい取ったことを見てわかるようにすると、掃除をきちんとしたすがすがしさや達成感がわき、次も掃除をしたくなる気分にさせてくれます。
使いやすさだけでなく、“使いたくなる”気持ちにさせることも重要だと思っています。
ーーその他、特にお伝えになりたいこと、子どもたちへ向けてのメッセージが
あれば教えてください。
だれかのためを想ってものごとを考えてつくるというのは、
とても楽しくやりがいがあることだと思います。
その時に上手いか下手かは二の次で、どれだけ想いを強く取り組むかが大事だと思います。
例えば、器用な人が良く見ずに一筆書きでえがいたうまく見える絵よりも、不器用でもしっかり観察してえがいた絵の方が迫力(はくりょく)があって感動する場合があります。
本当に、本当に大切だと思うことをやりとげれば、使う人に伝わると考えています。
“つくる”ということに、どんどん挑戦(ちょうせん)してほしいです。