担当者に聞いてみよう!第11回目 NEW  「子乗せ電動アシスト自転車ギュット・クルームR・EX」 「電動アシスト自転車 Jコンセプト」 パナソニック サイクルテック株式会社 商品企画部 デザイン課  ギュット担当   松島 由奈(まつしま ゆうな)さん Jコンセプト担当 春野 達郎(はるの たつろう)さん

親も子どもも安全で快適な「ギュット・クルームR・EX」と シンプルでスタイリッシュな「Jコンセプト」の UD(ユニバーサルデザイン)とは?

——ペダルをこぐのも楽ちんで、乗りやすくて便利で、環境にも優しい電動アシスト自転車は、近年とても注目されています。今回紹介していただく電動アシスト自転車は、どのような製品ですか?

松島さん
私が紹介するのは、子どもを乗せられるチャイルドシートの付いた子乗せ電動アシスト自転車のギュット・クルームR・EX(アール・イーエックス)です。

ギュット・クルームR・EXは1歳から6歳までの子どもを育てるお母さん、お父さんが保育園や幼稚園、お買い物など、親子一緒にお出かけする時に快適で使いやすい電動アシスト自転車です。

共働きのご家庭が増えており、子どもの成長に合わせて長く使えて、前のかごに荷物を、後ろの座席に子どもを乗せられるタイプの車種の人気が高まっています。 一方で、後ろの座席の子どもの様子は親が運転中に見えないため、子どもが眠ってしまったり、シートベルトがずれて体が倒れたりしてしまう心配があります。また夏の猛暑や、急に雨が降り出してしまった時など、快適性が不安に思われています。
親子が安全で快適に使用できる製品が必要だと考えて開発しました。

春野さん
私が紹介するのは、電動アシスト自転車Jコンセプトです。軽さ重視のシングルスピード仕様のBE-JELJ014、そして上り坂に便利な内装3段変速仕様のBE-JELJ034、と使用シーンで選べる2タイプの展開となっています。 簡単操作で使いやすく、安全性に配慮しながらも、スタイリッシュで車輪の小さいコンパクトな電動アシスト自転車です。

パナソニックのJコンセプトシリーズは、衣食住にこだわりを持ち、モノを見る目が肥えた世代のお客様の“暮らしの声”に耳を傾けることからはじまったシリーズです。

それは、ニッポンを楽しむ家電。Jコンセプト
パナソニック Jコンセプトシリーズ

今回紹介する電動アシスト自転車Jコンセプトも、モノづくりの原点にもう一度立ち返り、余計なものはそぎ落とし、必要なものを磨きぬいた末にたどり着いた、シンプルで美しいデザインと軽快な乗り心地が特長です。街乗りを楽しみたくなる、新しいスタイリッシュさを追求しました。

子乗せ電動アシスト自転車ギュット・クルームR・EX 
子乗せ電動アシスト自転車「ギュット・クルームR・EX」 
電動アシスト自転車Jコンセプト
電動アシスト自転車「Jコンセプト」

「子ども+荷物」でも安全な、親目線・子ども目線のUD。 ギュット・クルームR・EX 軽量・コンパクト&「ふんわりスタート」の、優しい装備。 Jコンセプト

——それぞれの電動アシスト自転車には、UDが具体的にどのように活かされていますか?

◆ギュット・クルームR・EX

松島さん
多くの電動アシスト自転車は1人で乗るものですが、子乗せ電動アシスト自転車は別売りのチャイルドシートを取り付けると親1人+子ども2人の最大3人で乗って移動することができます。その分、親と子ども、そして荷物も乗せるととても重くバランスが取りにくくなり、電動アシスト自転車が倒れてしまうと乗っている子どもがケガをすることもあります。

そのために小さな車輪で重心を低くしたバランスを取りやすい構造や、万が一倒れてもシートベルトやクッションなどで子どもを守れる安全な構造を設計し、たくさんの厳しい試験にも合格して、3人で乗っても安全であるように配慮されています。

このような点を基本として、親目線のUDと子ども目線のUDを紹介します。

親目線のUD 

①独自の電子キーで、カギを取り出さずに乗れる!
パナソニック独自のサークル錠「ラクイック」は、手元の電源ボタンを押すと自動で車輪のロックを解除できます。カギを探す手間が不要になるだけでなく、子どもから目を離すこともなく、安心です。

電源ボタンと後輪サークル錠
電子キーをカバンに入れたまま電源ボタンを押すと、後輪サークル錠が自動で開きます。

②片手でガードが開閉できるので、乗せ・降ろしが簡単。
親にとっては、成長していくにつれて重くなる子どもを持ち上げて乗せる・降ろす動作は大変。片手で開閉ガードが開き、自転車の左右どちらからでも乗せ降ろしができるようにしています。

開閉ガード
開閉ガードはワンタッチでフルオープン。

③シートベルトの装着がスムーズで、調整が手軽。
シートベルトに子どもの腕が通しやすいように、ベルトがバネで持ち上がる構造になっています。また、足元のベルトを引っ張ると締まり、ボタンを押しながら左右のベルトを引くとゆるむ調整方式を採用。コートを着ていてもベルト調節が簡単です。

肩ベルト
立体的に持ち上がった肩ベルトを採用。
肩ベルト
座面下のボタンを押してベルトを引くだけで簡単に長さ調節でき、スムーズに体にフィット。
柔らかい肩ベルトカバーで締め付け感も軽減。
子ども目線のUD

①サンシェードで、快適に。
走行中を快適に過ごせるように、業界で初めて強い日差しから守るサンシェードを付けています。

サンシェード
強い日差しから守ります。
グラフ
サンシェードありだと最大約15度も温度を抑制。

②クッションで、頭をガード。
段差やデコボコ道の衝撃から頭を守るため、頭の左右に独自に開発した衝撃吸収素材のクッションを取り付けています。

③子どもには硬いシートベルトボタンで、危険防止。
好奇心でさわってもケガをしにくいように、シートベルトのボタンを子どもでは外れにくい硬さに設定。指や腕をはさむ危険なすき間もなくしています。

◆Jコンセプト

春野さん
安全で、乗る人の体力や気持ちに優しいUDの心配りをしています。

①軽量・コンパクトな車体設計で、軽快な乗り心地。
小柄な方や、足の上げ下げがしにくい方でも、またぎやすい高さのフレーム形状。 狭い路地や駐輪場で小回りがきき、力の弱い人でも取り回ししやすい18.2kg(内装3段変速仕様は18.8kg)の軽量でコンパクトな車体設計になっています。

ショッピングシリーズ代表モデル、Jコンセプト

②自動で点灯・点滅するライトで、安全。
電源を入れると常に点灯する前方向のライト、太陽光で充電し暗くなると自動で点滅するオートテールライト(後ろで光るライト)で安全性を高めています。

自動で点灯・点滅するライト
前方向のライト
オートテールライト
オートテールライト

③大きなボタンと文字で、見やすくわかりやすい。
大きなボタンで、お好みのアシストモードに簡単に切り替え可能。電池残量もわかりやすい表現で、見やすさに気を配りました。

液晶メーター
電池残量はシンプルな%表示と液晶上部の目盛りで確認。

④おだやかなアシストで、こぎ出しが安心。
こぎ出し時に急加速しないようにアシストを設定。電動アシスト自転車に乗り慣れていない人でも安心の「ふんわりスタート」を採用しています。

ターゲットユーザーの声や協力で、たどり着くUD。

——製品開発にあたり、UDを配慮するためにこだわったところ、苦労したところはどんなところでしょうか?

松島さん
ギュット・クルームR・EXの製品開発では、先ほどお話ししましたように、親目線と子ども目線の両方からのUDを考えることを大切にしました。
親目線のUDにより親の操作の負担をへらすことで、ゆとりと安全を生み出し、子ども目線のUDにより快適さを大切にすることで、意思を伝えにくい子どもの不安をなくし、親子が自転車に乗って過ごす時間が楽しいものになってほしいと願いました。

特に、チャイルドシートの形を決めるプロセスでは試行錯誤しました。
電動アシスト自転車に子どもを乗せる時、1歳と6歳では体の大きさが全然違います。また冬は暖かいモコモコした洋服を着ることがあるので、洋服によっても体の大きさが変わります。
体の大きい時にきゅうくつになってしまっては良くありませんし、かといって小さい時にぶかぶかでは姿勢が不安定になってしまうためこれもまた良くありません。適切なバランスを見極めることは難しいポイントでした。
そのために製品をつくる前に試作品をつくり、それぞれの年齢の子どもたちに、実験の季節は夏でしたが冬服を着て乗ってもらうなどたくさん協力してもらいながら、肩の高さや座席の広さ、シートベルトのフィット感など確かめて最終的な形をつくり上げました。

検証の様子。
検証の様子。
検証の結果をもとにデータを修正。
検証の結果をもとにデータを修正。

春野さん
Jコンセプトの製品開発ではシンプルで上質なものを求めるお客様のために、洗練された美しいデザインやカラー、パーツの採用、軽快な乗り心地を追求することにこだわりました。
そこで、実際に利用する人と同年齢の人たちであるターゲットユーザーの生(なま)の声を聞きながら一緒になってつくり上げることに力を注ぎました。

またぎやすさを維持しながらも、乗ってみたいと思えるようなフレームの形状に調整するため、すでに販売している自転車や試作車に実際に乗っていただくことで、いろいろな意見をいただきました。そして、見た目や乗り心地についてターゲットユーザーの方に何度も繰り返し確かめていただきながら、開発を進めました。
つくり手と使い手が同じ目線で直接お話をすることが、自分たちだけでは気づけない細かな不満点や大事にしている価値観を発見することにつながっていくことがわかりました。

ブレーキレバー
すっきりとしたデザインの
ベル一体型ブレーキレバー
軽さと座り心地を両立した
スポーツワイドサドル

使う人はどんな気持ちか考えることが、アイデアへの第一歩。—松島さん 他人の視点で考えることで、みんなが思いやりを持つ優しい世の中に。 —春野さん

——UDに対する思いや、子どもたちへのメッセージがあればお聞かせください。

松島さん
今回紹介した子乗せ電動アシスト自転車においては、子どもがご機嫌でいてくれることが結果的に親にとっての安心につながると考えました。
簡単で便利な機能だけが「使いやすい」とも限らず、もしかしたら便利な機能より子どもが笑顔になる機能の方がうれしいと思うかもしれません。使う人の気持ちに寄りそって考えることを大切にしたいと思いました。

売られている商品はすべて完ぺき・・・と、いいたいですが、つくった時点での完ぺきであり、もっと良いアイデアがある可能性も十分あると思います。良いアイデアを考えつくのは一見難しそうに思うかもしれませんが、使う人がどんな気持ちか考えることがアイデアへの第一歩です。まずは自分が身近なものを使う時にどんな気持ちになったか、ぜひ考えてみてください。

春野さん
お年寄りや体の不自由な人のことだけを考えるのではなく、すべての人に配慮したデザインがUDだと思っています。狭い視野でデザインをするのではなく、いろんな人の視点から考えることで、幅広い人が使いたくなるものになると思います。

デザインは思いやりが必要だと思います。「自分がこの年齢の人ならどんなものがほしいだろう?」「これを使う人はどこでどんな気持ちになるだろう?」と考えることが大切です。
自分の視点だけじゃなくて他の人の視点で考えるのは、デザインだけでなくどんな時でも大切になると思います。UDを知ることをきっかけに、みんなが思いやりを持った優しい世の中になるといいなと思っています。

ラクラク。安心。かるがる。 いろんな人にうれしいUDの心配りで みんなの「楽しい自転車タイム」が 増えるといいね。

ぴっくす吹き出しの写真。次回はどんな開発担当者の人にお話を聞けるのか楽しみです!

※開発やデザインはチームで行われており、完成するまでに多くの人が関わりますが、関わった担当者の1人または2人に代表して話を聞いています。