◆今回、解説する役割カードはこれ!
パワーアップ情報ファイル11月号は、プログラム①「会社の役割発見」で使用する30種類の「役割カード」の中で、実際にその仕事に従事している社員のインタビューを通して解説するシリーズの5回目です。
今回は「役割1:モノづくりに直接関わる役割」から「国内営業」を取り上げます。
日本国内において、お客様のニーズに沿った製品
やサービスを提案し、購入していただく仕事
役割カードには日本国内の顧客を対象にした「国内営業」と海外の顧客を対象にした「海外営業」の2種類の「営業」があります。今回は、パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社 パートナー営業本部で国内の法人向け営業に従事している栗原朝佳さんにお話を伺いました。
一般的に「営業」とはどのような仕事でしょうか。
企業が行う「営業」には大きく分けて2種類あります。ひとつは、「BtoC」と言われるもので、企業(Business)が消費者(Consumer)を対象に行う営業です。消費者がお店から商品を購入するとき、お店は消費者を対象に営業を行っているので、これは「BtoC」にあたります。
もうひとつは「BtoB」と呼ばれるもので、企業(Business)が企業(Business)を対象に行う営業です。例えば、パナソニックの家電は販売店を通して購入することが多いと思います。つまり、パナソニックとしては商品をお店に置いていただき、消費者に販売していただいているのです。この場合、営業の対象は「消費者」ではなく企業である「販売店」なので、「BtoB」の営業と言うことになります。
栗原さんご自身のお仕事について教えてください。
私が所属しているパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、企業を相手にした「BtoB」の事業を行っています。オフィス向け商品やサービスの販売にあたりますが、お客様は、パソコンやテレビ会議システム等、パナソニックの商品の導入を検討している企業の担当者です。販売は流通の最前線であり、いちばん近くでお客様と接する立場だと言うことができると思います。
役割のひとつは、パナソニックの商品を色々とコーディネートしてお客様に提案をすることです。また、流通の最前線にいるというところで、お客様の意見や要望など様々な声を聞き出し、その声をパナソニックの事業所や工場などに届けて、より市場が求める商品を作ってもらう架け橋のようなポジションでもあります。
お客様企業をパートナーと位置づけ、その事業等に貢献できるようお客様のニーズに最適なパナソニック製品やサービスを提案していきます。
栗原さんの典型的な1日のスケジュールを教えてください。
朝一番にメールをチェックし、その後、お客様のところへ訪問します。1日のだいたい6~7割は、外出をしていることが多いです。私の場合は1つの企業を担当していますが、複数の案件があり、1回の訪問でいくつかの部署を回ります。帰社後は、社内で打ち合わせ等があります。
栗原さんが「営業」に取り組んできた中で、印象に残っていることは何でしょうか。
昨年、社員用パソコンとして「Let‘s Note」を17,000台ほど導入させていただきました。今年になり、新型コロナウイルス感染症の影響で、在宅ワークなどパソコンを使ったオンラインでのやり取りが増えましたが、お客様から「在宅ワークでも使い勝手がよい」「導入してよかった」などの声をいただいたことは印象深く、大変嬉しかったです。
「営業」という仕事で必要な知識やスキルはなんだと考えますか?
いちばんは「コミュニケーション力」です。営業ですので、お客様の要望をいかに聞き出すかが何より重要だと思っています。
しかし、営業の仕事は、お客様の要望を聞き出して終わりではありません。ヒヤリングした情報をもとに、お客様が気づいていない潜在的な課題を発見し、課題を解決するためにパナソニックの商品やサービスを提案していくことも大切な仕事のひとつと考えていますので、「課題発見力」も非常に必要だと感じています。
商品説明会で話しをする栗原さん
栗原さんご自身が仕事で大切にしていることを教えてください。
お客様と関係を築くことは勿論大切ですが、社内で、助けてくれる仲間を作ることもとても大切だと考えています。というのも、お客様の要望に対して「営業」だけでできることには限りがあると感じているからです。バックに控えてくださっているエンジニアやSEの方など、社内の他の人々も巻き込み、オールパナソニックでお客様の要望に応えられるよう提案する組織力が強みのひとつであると考えています。
営業で競合する企業も多くあります。どの企業の製品もそれぞれ優れていますので、お客様にとっては甲乙つけがたいと思われることがあると思います。結局のところ、最終的にお客様に振り向いていただくには、「栗原さんだからお任せします」と言っていただけるよう、私自身が信頼を得ることが鍵になってくると思っています。そのためには、日々の関係構築が大切ですし、また、営業だけでなくエンジニアやSEをはじめ社内一丸となって提案できることも重要であると考えています。
最後に、中学生のみなさんにアドバイスをお願いします。
中学生の頃、得意な教科は数学と英語でした。理系だったので、大学は理工学部に進学しました。学生の頃、勉強はすごく頑張っていた方だと思います。今になって考えると、勉強をあきらめずに頑張ったことで、その後の自分の選択肢が広がったと思っています。勉強もそうですが、部活についても、あきらめずに頑張って、選択肢を狭めることなく将来に向かって前進して欲しいと思います。