発展編①:SDGs達成に向けた社会課題の解決と役割 発展編②:これからの社会と求められる役割

「私の行き方発見プログラム」教材では、基本となる4つのキャリア教育プログラムに加え、より生徒の実践的な学びにつなげるためのプログラムとして発展編①「SDGs達成に向けた社会課題の解決と役割」発展編②「これからの社会と求められる役割」を、2023年8月から提供しています。本記事では、発展編を活用いただいた千葉県・柏市立柏の葉中学校の長谷川友一先生、野中仁貴先生にお話をうかがいました。

千葉県柏市で一番新しい中学校である柏の葉中学校。「生きる力を育み、夢の実現に向けて自ら考え行動する生徒を育成すること」を教育目標に掲げ、地域連携、小中連携教育に大変力を入れています。

◇まずは御校のキャリア教育について教えてください。

本校では、1年生から3年生まで、総合的な学習の時間をつかって「探究的な学習」に取り組んでいます。この活動の中で、外部の大人と関わりながら学ぶことで、実社会で必要とされる資質・能力の育成を目指しています。

この取り組みは、2022年からスタートしました。「10~20年後、社会に出る子どもたちにはどんな能力が必要なのか?」という視点で教員同士で議論を重ねた結果、より実社会に近い形で課題発見や課題解決に取り組むことが重要と考えました。

◇具体的にどのような活動を行っているか教えてください。

それぞれの学年で行っている特別活動に、探究のサイクルを組み込むことと、外部の団体を巻き込むことを意識して計画を立てています。例えば1年生の校外学習では体験をより充実させるために、課題の仮説をたて、その解決策を考えたうえで臨みます。そこで得た気付きをまとめて、授業参観でのプレゼンまで実施します。2023年度の1年生は、この校外学習に加え、地元である柏の葉の“より良いまちづくり”をテーマに、自ら課題を見つけ、その解決策を地域のまちづくり団体へ提案するという活動も実施しました。

2年生では林間学校でSDGsについて学び、外部のアイデアコンテストに応募するなど、各学年の既存の活動を基軸に、探究的な学び要素を加えるようにしています。また外部の団体やプログラムなどをうまく活用することで、実社会に近いリアルな課題や環境を用意することも大切にしています。教員側も、常に勉強しながらの挑戦ですので、試行錯誤を繰り返して毎年ブラッシュアップしています。この過程の中で、「私の行き方発見プログラム」を見つけ活用しています。

左から長谷川先生、野中先生

◇「私の行き方発見プログラム」教材をどのように活用されましたか?

1年生の1学期に基本編①②を実施し、2学期に発展編①②を実施しました。基本編①ではパナソニックという一つの会社のなかでもさまざまな役割があるということ、基本編②では、実際に働いている人のエピソードから必要な資質・能力を考えるもので、どちらも実際に企業で行われている話ですので、とても説得力がありました。

2学期に取り組んだまちづくりの提案活動では、自ら課題を発見し、その解決策を考えます。そのプロセスを1時間の授業で経験しイメージを掴んでもらうため、まちづくりの提案活動を開始する前の9月に、発展編①「SDGs達成に向けた社会課題の解決と役割」を、10月に発展編②「これからの社会と求められる役割」を実施しました。

発展編①では、「無電化地域に電気を届ける」という実際のパナソニックの課題解決事例がテーマになっており、そのプロセスを自分だったらどうするかということを考えます。基本的には付属のティーチャーズガイドの流れに沿って指導しましたが、生徒たちには特に課題解決についてよく考えてほしかったので、「あなたがこの手紙を受け取ったらどうする?」という発問で(下記、画像参照)、話し合いの時間を多くとるように調整しました。

「LIGHT UP THE FUTURE」のはじまり ある日、ウガンダ共和国の大臣から1通の手紙が届きました。 無電化地域でくらす人々は、灯油ランプが放つ黒い煙による健康被害に悩まされています。 パナソニックの太陽電池はその解決の手段となります。 ぜひ力を貸してください。 ウガンダ共和国副大統領府大臣 「LIGHT UP THE FUTURE」の担当者になったつもりで考えてみよう! あなたがこの手紙を受け取ったらどうする? ・無電化地域にはどんな困りごとがあるだろう? ・あなたなら、どんな

また、まちづくりを考えるうえで、現在だけではなく、未来の社会に必要なことを考える必要があります。そのきっかけをつくるために発展編②を活用しました。

発展編②では、20年後の社会がどうなっているか、答えのない未来を想像し、その社会では何が必要かを考える教材です。こちらもティーチャーズガイドの流れに沿って指導しました。未来のまちづくりを考えるためのきっかけづくりが目的でしたので、20年前の様子を教員が細かく説明し、それが今の社会でどう変化しているか?という教材の前半部分に多くの時間を割きました。

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◇発展編活用後の生徒の感想を一部ご紹介

  • 電気がない地域に電気を届けることについて学んで、たくさん考えることができました。
  • 他の生徒と意見を交換する時間が多くて、楽しかったです。
  • 未来の社会について考えることで、視野が広がりました。
  • 実際の例を見て、現実の問題をどう解決するかを学べました。
  • 電気がない地域に電気を届けることの大切さがわかりました。
  • 課題を解決する方法を自分で考えるのは難しかったけど、やりがいがありました。
  • 未来のまちづくりについて考えるのが楽しかったです。

◇最後にこれから活用を検討している先生方にメッセージをお願いします。

本校では、生徒たちが将来社会にでるときのために実社会に近い学びを提供したいと思っています。私の行き方発見プログラムは、基本編も発展編も、実際の事例やパナソニック自体のことをテーマに教材がつくられているため、本校のニーズにマッチしています。

このような教材は、目標にあわせて活用することが大切だと考えています。プログラムをどのような目的で活用するか、そのプログラムで一番大切にしたい学びは何かをしっかり考えて活用することで、先生の想いがより生徒へ届きやすくなります。またその目標があることで本当にマッチした教材に辿りつき、結果として先生方の負担軽減にもつながると思っています。

「私の行き方発見プログラム」教材 発展編プログラムの申し込みは下記より