海外助成 2023年募集事業 応募状況・応募傾向

新興国・途上国内など、支援を必要としている国・地域で、貧困の解消、または貧困と関連のある問題の解消に向けて取り組むNGOの組織基盤強化を応援する「海外助成」では、新規助成への応募件数22件の中から3件、継続助成への応募件数9件の中から5件、助成総額1,414万円が助成対象事業として選ばれました。
なお、「海外助成」についてはNGOの実態にあわせ、対象団体の要件の見直しを行いました。

<助成の対象となる団体>
新興国・途上国など、支援を必要としている国・地域での貧困の解消を目指し、同国・地域の人びとがその生活の中で直面する様々な権利(*)へのアクセスの不均衡の是正や、貧困層や脆弱な状況にある人びとのレジリエンスの向上に資する活動を他のステークホルダーと協働しつつ、その実現に向けた自己変革に挑戦するNGOで以下の要件を満たすものとします。
*世界人権宣言で保障された権利、各国・地域の社会保障制度、経済活動等

  1. 民間の非営利組織であること。(法人格の有無や種類は問いません。一般社団法人の場合は非営利型のみ。)
  2. 日本国内に事務所がある、または日本国内で法人登記がされていること
  3. 助成事業の主体となる担当者が日本国内にいること
  4. 新興国・途上国内など、支援を必要としている国・地域で、貧困の解消、または貧困と関連のある問題の解消に向けて取り組むNGO。調査提言・キャンペーン活動をしている場合やネットワーク型組織は日本国内での取り組みのみでも対象とする
  5. 団体の設立から3年以上経過していること
  6. 団体から給与または報酬(業務委託含む)のあるスタッフが1名以上いること
  7. 政治、宗教活動を目的とせず、また、反社会的な勢力とは一切関わりがないこと
*年間収入規模1,000万円以上の団体を想定していますが、必ずしも要件ではありません。

<助成の対象となる事業とコース>
貧困の解消に向け他のステークホルダーと協働する意欲がある団体で、自らの組織基盤強化のために、第三者からの多様で客観的な視点を取り入れた組織診断や組織基盤強化を行う団体を応援します。
※第三者とは、応募団体が独自に選定するNPO/NGOの支援機関や組織経営の実践者、またはNPO/NGO経営支援の専門家等を指します。
※応募団体が主体となって海外の事業地のカウンターパートと一緒に取り組むものも対象とします。 但し、本助成事業の実施や費用の執行管理の責任は応募団体が担います。

  1. 組織診断からはじめるコース:
    第三者による組織診断を行い、組織全体を分析し課題と原因を明らかにする。そしてこの組織診断の結果を踏まえ、第三者の助言または指導を受けて、課題解決の方向性を検討し計画を立案・実施する。
  2. 組織基盤強化コース:
    組織基盤強化に関する中長期計画に基づく具体的な組織運営上の課題解決に向けて、第三者の協力を得ながら具体的な取り組みを行う。
    ※年間収入規模1億円以上の団体からの応募に関しては、NGOセクター全体に裨益する先駆的・独創的な取り組みも歓迎します。

応募傾向

2023年募集事業には、新規助成に22件、継続助成に9件と計31件ご応募いただきました。応募団体の地域分布は、関東が21団体(67.7%)と最も多く、東海、近畿、九州からそれぞれ3団体(9.7%)、沖縄1団体(3.2%)でした。

法人種別は、特定非営利活動法人が最も多く17団体(54.8%)、次いで認定特定非営利活動法人が7団体(22.6%)でした。設立後年数は、「10~14年」が9団体で最も多く、「7~9年」が8団体、「20~29年」が6団体あり、組織として一定の成長を遂げつつ、次の成長フェーズを目指す団体や長年の活動実績から世代交代や事業承継を見据えた団体からの応募がありました。

財政規模では、「1,000万円未満」が9件(29%)、「2,000万円以上,3,000万未満」「3,000万円以上,5,000万円未満」が各5件(各19.4%)、「1億円以上」「1,000万円以上,2,000万円未満」が各4件(12.9%)、「5,000万円以上,1億円未満」が2件(6.5%)でした。

国内常勤有給スタッフ数は、16団体(51.6%)が0~1名であり、少人数規模の団体からの応募が多い傾向が続いています。

応募団体の活動地域は、「アジア」が25団体(61%)、「アフリカ」は11団体(26.8%)と、昨年度とほぼ同じ割合でした。中南米(2団体)、欧州(2団体)、中東(1団体)で活動している団体からも応募いただきました。

申請コースでは、「組織診断からはじめるコース」へは8団体(25.8%)、「組織基盤強化コース」は23団体(74.2%)でより具体的な組織基盤強化の施策を実施することを検討している団体が多い傾向でした。

今回の応募内容としては、自団体だけでなく、外部協力者やプロボノ、ボランティアの力を活用した組織運営、具体的な戦略の策定と実践を行いながらの世代交代、組織体制を整えるためのガバナンスやファンドレイジングの強化などが多くありました。
今後の持続的な活動展開に向け、組織として中長期の成長を見据えた組織基盤強化が求められていることが伺えました。

応募状況

都道府県別に見た応募状況

ブロック

都道府県

件数

割合

北海道

北海道

東北

青森

岩手

宮城

秋田

山形

福島

関東

茨城

21

67.7%

栃木

群馬

埼玉

1

千葉

1

東京

17

神奈川

2

甲信越

山梨

新潟

長野

北陸

富山

石川

福井

東海

静岡

3

9.7%

愛知

3

岐阜

三重

ブロック

都道府県

件数

割合

近畿

滋賀

3

9.7%

京都

1

大阪

2

兵庫

奈良

和歌山

中国

鳥取

島根

岡山

広島

山口

四国

香川

徳島

愛媛

高知

九州

福岡

3

3

9.7%

佐賀

長崎

熊本

大分

宮崎

鹿児島

沖縄

沖縄

1

1

3.2%

全国

31

31

100%

申請コース

応募種別

件数

割合

組織診断からはじめるコース

8

25.8%

組織基盤強化コース

23

74.2%

合計

31

100%

申請額

申請額

件数

割合

~150万円

9

29.0%

151万円~199万円

3

9.7%

200万円

19

61.3%

合計

31

100%

応募団体概要

法人種別

件数

割合

認定特定非営利活動法人

7

22.6%

特例認定NPO法人

1

3.2%

特定非営利活動法人

17

54.8%

NPO法人申請中

1

3.2%

公益社団法人

公益財団法人

一般社団法人

2

6.5%

一般財団法人

1

3.2%

任意団体

2

6.5%

その他

合計

31

100%

設立後年数

件数

割合

~4年

2

6.5%

5年~6年

2

6.5%

7年~9年

8

25.8%

10年~14年

9

29.0%

15年~19年

2

6.5%

20年~29年

6

19.4%

30年以上

2

6.5%

合計

31

100%

国内有給常勤スタッフ数

件数

割合

0名

9

29.0%

1名

7

22.6%

2名

5

16.1%

3名

4

12.9%

4名

2

6.5%

5名

2

6.5%

6名

7名

8名

9名

10名以上

2

6.5%

合計

31

100%

現地事務所有給常勤スタッフ数

件数

割合

0名

11

35.5%

1名

3

9.7%

2名

4

12.9%

3名

2

6.5%

4名

2

6.5%

5名~9名

5

16.1%

10名以上

4

12.9%

合計

31

100%

財政規模

件数

割合

1,000万円未満

9

29.0%

1,000万円以上2,000万円未満

4

12.9%

2,000万円以上3,000万円未満

6

19.4%

3,000万円以上5,000万円未満

6

19.4%

5,000万円以上1億円未満

2

6.5%

1億円以上

4

12.9%

合計

31

100%

活動地域 ※複数回答あり

件数

割合

アジア

25

61.0%

大洋州

北米

中南米

2

4.9%

欧州

2

4.9%

中東

1

2.4%

アフリカ

11

26.8%

合計

41

100%