Panasonic Scholarship Alumni  パナソニックスカラシップ体験者が語る未来へのメッセージ

後輩にも伝えたい。
パナソニックとの関わりで得た、将来の夢と希望。

○デヴィッド・ソクサンさん
国籍:カンボジア
現在の居住国と職種:カンボジア マーケター
2022年認定→2022年、ノートン大学 土木工学部 学士号取得、2023年 パナストラ大学 ビジネス経済学部 学士号取得→パナソニック カンボジアに勤務、プロダクトマーケティングを担当

カンボジアのデヴィッド・ソクサンさんは、パナソニックと深い関わりを持つ人材です。現地の大学の在籍中にパナソニック スカラシップを受給し、それをきっかけにパナソニックの現地法人でインターンシップを経験。なんと今ではパナソニック カンボジアの職員となり、掃除機やアイロン、ビューティ製品のマーケティング担当者として働いています。

熱心に勉学へ励む学生生活から一転、生計のため働いた1年半

「私はカンボジア北部のプリアヴィヒア州出身で、2017年に高校を卒業したのち、大学進学のために首都のプノンペンへやってきました。最初は土木技師になりたくてノートン大学で学び始めましたが、1年ほどして土木工学があまり自分に合っていないのではないか、と考えました。それで2年生の頃に、同じくプノンペンにあるパナストラ大学に入学し専攻科目をもう一つ増やして学ぶことにしました」

新たに籍を置くことにしたパナストラ大学はヨーロッパのカリキュラムを取り入れており、午前と午後、夜間の課程を有していました。それでデヴィッドさんは、朝から夕方まではノートン大学で勉強し、夜はパナストラ大学の夜間コースでビジネスについて学ぶ生活を始めたといいます。自身の興味関心に妥協することなく、二つの大学で一生懸命学んでいたデヴィッドさん。ところが彼に、大きな試練が訪れました。新型コロナウイルス感染症の流行により、経済的な理由で休学を余儀なくされてしまったのです。

「全世界に新型コロナウイルスが蔓延して、私も1年半ほど休学することになってしまいました。生活が一変、お客さんに物を届ける配達員の仕事をして、なんとか生計を立てる毎日に。そんなある日、大学からのお知らせの中にパナソニック スカラシップのことが記載されていました。概要に目を通すと、学費と生活費の両方を援助してもらえると書いてあり、“これは大きなチャンス。何としても挑戦してみたい、挑戦すべきだ”と心が決まりました」

頼りにされ信頼される企業の支えで、意欲的に経験を積めた

デヴィッドさんはカンボジアの教育環境はまだ厳しい一面があると話します。
「カンボジアの大学は全国どこにでもあるわけではありません。多くは都市部に集中しています。そのため地方の州に住む学生が大学へ進学するには、まず州を越え、都市部まで移り住み、1人暮らしをする必要があります。このため地方の学生にとって、大学進学はとても大きな費用がかかります。折角進学はしても経済的な理由で、中退する学生も少なくないのです」
デヴィッドさんがパナソニック スカラシップへ応募した当時、奨学金の申請条件はGPA3.5程度以上の成績を残していることで、書類審査ののちにパナソニック スカラシップと大学による面接がありました。

「パナソニック スカラシップを受けたことで勉強を再開し、将来の夢に向かってまた突き進むことができるようになりましたね」

晴れて奨学生となったデヴィッドさんは、このプログラムを通じ、パナソニックの現地法人でインターンとして働く機会も得ることになったそうです。

「初めは企業間取引を司るビジネス事業部で経験を積み、その後マーケティングチームに異動。そのままこの会社へ就職し、それが今の私のキャリアになっています。マーケティングは今、私が情熱を注いでいる仕事であり、長期的なキャリアの目標を達成するうえでも大事な役割を果たすツールになると考えています。パナソニック スカラシップによる支援は、私が教育を受け続けることを可能にしてくれただけでなく、実社会で働く視座と夢を実現するための筋道を与えてくれたのだと強く感じています」

インターンシップでは、社会人としての技術的なスキルを身につけたのみならず、働くうえで重要なソフトウェアを操るための指導も受けたといいます。

「パナソニック スカラシップとインターンシップの経験を経て、このように信頼できる製品を世界で提供する国際的企業で視野を広げられることを、誇りに感じています。インターン中は、グローバルな企業とのミーティングに出席して、ビジネスがどのように進んでいくのかを学ばせてもらいました。カンボジアにある他の現地企業のほとんどでは、このような経験をすることはできなかったと思います。このことは“マーケティング部門で働きたい”という私の決意を固め、この分野で成功するために必要な実践的知識と自信を与えてくれました」

学生時代のDevidさん

パナソニック スカラシップの認定式での様子

マーケティングを成功させながら、
多くの後輩たちの模範的存在へ

今やパナソニックの社員として、インターン生を導く立場になったデヴィッドさん。自身が受けた恩恵を後輩たちにも伝えたいと、パナソニック スカラシップのことを積極的に彼らへ紹介しているのだそうです。

「実はその後輩は今、過去の私と同じくパナソニック スカラシップをもらいながらここで経験を積む学生として、私の隣の席に座っています。このことが彼の成長を大きく感じられる機会になると思い、『良いチャンスだからやってみたら』と勧めました。奨学生やインターンに選ばれれば、グローバル企業での働き方を知り、多くの知見を得ることができる。これは本当になかなか経験できることではありません」

デヴィッドさんの今の目標は「この会社でロールモデルになること」。自身が積んできた素晴らしく、多くの経験を後輩たちにも引き継ぎ、次の世代に継承していくことで、彼らにとって、これまでとは異なる新しい人生をスタートさせる手伝いをしたいと教えてくれました。

「そのためにも、近い将来マネージャーになりたいと考えています。自分をもっと磨いて、その知識を彼らの心へ届けられるようになりたい。また、カンボジアは発展途上国なので、デジタルマーケティングがどういうものなのかがまだ知られ始めたばかり。SNSのようなプラットフォームを活用したキャンペーンやプロモーション、影響力のあるインフルエンサーを起用した取り組みなどを立ち上げ、事業として成功させて、パナソニックという企業の価値を社会の中でもっと押し上げていきたい」

奨学生として認定されることは「新たな経験と自己成長の扉を開くことができる、素晴らしい機会」とデヴィッドさんは断言します。

「これから応募する人たちへは、“選考過程で自分の情熱、献身、科学技術分野に貢献できる可能性をアピールすることを忘れないでください”とアドバイスしたいですね。パナソニック スカラシップはあなたの実績や目標、将来への抱負を浮き彫りにし、パナソニック スカラシップとあなたの学業計画やキャリアがどのようにマッチして、ポジティブな影響を生むことができるかをじっくりと見ています。そのために乗り越なければいけない競争は厳しいかもしれませんが、自分自身と自分の能力を信じる気持ちを忘れないで欲しいです。今は眠っているかもしれない、自信の内側にあるユニークな資質を引き出し、外へ向けてアピールし、なぜ自分が奨学生にふさわしいのかを積極的に示してください。パナソニック スカラシップとの関わりは、きっと大きな自信へとつながるはずです」