EMC

テーマ:半導体

携帯電話の電波を模擬した半導体の放射イミュニティ試験


2014年11月26日


EMC設計・評価チーム/門真EMCサイトの石橋です。

先日ご紹介しました半導体に対するTEMセルのイミュニティでは、最大800V/mの電界を印加することが可能とお伝えいたしました。
では、どのような時にそのような電界強度が発生するのでしょうか?

その一例として挙げられるのは、携帯電話からの電波です。

あるデータによりますと、携帯電話近傍の電界強度は、最大700V/m程度の非常に高い値となることが報告されています。

海外のメーカでは、半導体に対して、このような携帯電話からの電波によるイミュニティ試験を要求する場合があります。
一般のイミュニティ試験の変調方式は無変調かAM変調が主流ですが、今回はGSMと日本国内で主流となっているLTEの変調方式について、TEMセルで再現可能か検討いたしました。

LTEの変調方式

上図のようにTEMセルの天面にモノポールアンテナを取り付け、スペアナで確認した波形が下図(左:GSM、右:LTE)になります。

スペアナで確認した波形が図(左:GSM、右:LTE)

今回の検討で、携帯電話による電波と同レベルの電界強度を再現できることを確認いたしました。
このような無線機近傍の電界によるイミュニティ評価は、国際規格でも検討がなされており、IEC 61000-4-39(近接放射イミュニティ試験)として規格化が進められています。

半導体のEMC評価は、最終商品の品質向上や対策コストの削減などにつながります。半導体のEMC評価に関してご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。