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2015年4月18日、認定NPO法人日本NPOセンターとの共催で「NPO/NGOの組織基盤強化のためのワークショップin東京」を開催しました。2013年からスタートした本ワークショップは、昨年は全国7カ所で開催し、計270名にご参加いただきました。今年は東京を皮切りに福岡、岡山、北海道、大阪、福島の6カ所で開催します。
このワークショップは組織基盤強化に関心を寄せるNPO/NGOのリーダーやスタッフに参加いただき、学ぶ(基調講演)、知る(事例報告)、考える(ワークショップ)という3つで構成されています。このワークショップを通して、ご自身の組織について何らかの「気づき」を持ち帰っていただけたらと考えています。
東京でのワークショップには、34名の方にご参加いただきました。その様子をレポートします。
ワークショップの流れ
考える
3限目 組織の課題を掘り下げる
助成プログラムの紹介
「Panasonic NPOサポート ファンド」の2015年募集について
パナソニック CSR・社会文化部 東郷琴子
組織の抱える課題を深く掘り下げる有意義な時間に
パナソニックは、持続可能な社会の実現に向けて「育成と共生」を活動理念に、「環境・エネルギー」「次世代育成支援」を重点分野に据えてグローバルに企業市民活動を展開し、NPO/NGOの皆さまとも積極的に協働しています。私達は社会課題の解決に取り組む市民活動が持続的に発展していくためには、NPO/NGOの組織基盤強化が重要だという認識を持ち、2001年に「Panasonic NPOサポート ファンド」という助成プログラムを立ち上げました。以来、260件、3億2千万円の助成をしてきました。
現在、パナソニックでは、NPO/NGOの組織基盤強化を応援するプログラムを6つ展開しています。そのうちの1つが、今回ご参加いただいている「組織基盤強化ワークショップ」です。このワークショップは2年前から、日本NPOセンターと協働する形で開催しています。今日は、日本NPOセンターの今田克司さんに「組織基盤の強化」についてお話しいただき、続いて、実際に組織基盤の強化に取り組まれた団体からの事例発表、さらに皆さんの団体の組織課題について深く掘り下げる体験をしてもらいます。
また、6つのプログラムの一環として、地域の中間支援組織のスタッフを中心に、組織基盤強化の支援力を高めていくために必要な知識と技術を体験的に学んでいただく「NPO『支援力』応援プログラム」を行っています。今日は、その研修の参加者もグループワークのファシリテーターを務めます。
日本NPOセンター 常務理事 今田克司さん
NPO/NGOの助成は、いくつもあります。しかし、個別の事業に関してお金は出すが、その事業をまわすために必要な管理費が出ないというものが多いですし、事業のための直接の人件費が出ないもの、時給単価がアルバイト並のものに設定されてしまっているものも少なくありません。また多くが人材育成やマネジメント力、財政基盤の強化といった組織基盤そのものに関しての支援ではありません。事業はたくさんあるのに、人員不足やマネジメント用の資金不足等で、事業をまわせばまわすほど疲弊してしまう。こういう“助成金貧乏”になっている団体は実はたくさんあるのです。
組織基盤を「船」に例えると、事業は「積荷」にあたります。積荷がしっかりとしていて乗組員は頑張って船を動かしていても、船自体が脆弱なままでは、積荷が増えれば、やがて船は沈没してしまいます。
そこで大事なことは船自体を強化すること、つまり組織基盤強化が必要なのです。
組織基盤で注目したいポイントは4つあります。それは①目標設定、②人的基盤の確立、③財政基盤の確立、④ガバナンス(組織統治統制)の確立です。まず、目標設定には、ビジョン、ミッション、バリューの確立の3点セットがあります。
ビジョンと現状とのギャップが課題であり、ギャップを埋めるためにミッションを持ち、バリューを持って解決にあたる手段が具体的な事業です。
次に、人的基盤とは、組織体制の確立です。事務局の体制の整備、スタッフが活動しやすく参加しやすい組織作りはもちろんのこと、役員や運営委員、事務局スタッフだけではなく、会員、ボランティア、利用者、参加者、市民である潜在的支援者(利用者)に対し、多くの人を巻き込んで裾野を広げる働きかけをするとともに、事業への参加の仕組みを作ることも重要です。

3番目の財政基盤で大事なことは、財源のバランスです。理想は、安定的な内発的財源(会費、寄付金、自主事業収入)を財政基盤とすることです。またそれぞれの財源を個別に考えるのではなく、財源間の循環を意識し、相乗効果を高めることも考えましょう。
4番目のガバナンスの確立には、意思決定とリーダーシップ、規定による運営、客観的なデータにもとづく経営の3本柱が重要と考えます。リーダーシップには、専制型、民主型、放任型などがありますが、団体の成長を考慮し、状況に応じて3つのスタイルを使い分けられることが理想です。
最後に、信頼されるNPOの7つの条件を紹介しておきましょう。

