微小異物の分析
工程中に発生する異物・欠点などは、外観不良や性能不良など製品の歩留まりを低下させるだけでなく、大きな事故に繋がる可能性もあります。製品の信頼性と安全性を確保するためには、微小な異物の成分を把握することが必要であり、異物混入の原因を解明することで、より良い商品のものづくりをお手伝いします。
分析の流れ
1)異物部の外観観察
- マイクロスコープや光学顕微鏡により、異物の存在箇所・形態を確認。
- 必要に応じて、走査電子顕微鏡(SEM)による観察。
2) 異物の採取
- 手作業による異物の採取や、マニュピレータを用いたマイクロサンプリングにより異物を採取。
- 溶剤を用いた分離や、断面処理による内部異物の露出などを行い、分析しやすい状態に調製。(水溶性、油溶性の違いによる溶剤分離、樹脂包埋処理、CP処理、FIB処理 など)
3) 異物の成分分析および解析
- 異物の状態に応じて、各種分析装置にて成分分析を行い、豊富なデータベースを活用し成分を同定。
- 必要に応じて、工程使用薬品などの分析。
異物の分析手法
異物の大きさや状態によって、最適な分析方法を選択する必要があります。これまでの経験やノウハウを基に、最適な分析方法をご提案いたします。
手法 |
空間分解能 |
得られる情報 |
特徴 |
---|---|---|---|
顕微FT-IR |
20μm |
官能基、化学構造 |
成分の同定能力が高い |
顕微ラマン |
1μm |
官能基、化学構造 |
非破壊で内部情報を取得可能(透明試料のみ) |
TOF-SIMS |
1μm |
元素、化学構造 |
nmオーダーの表面分析 |
XMA(EPMA) |
1μm |
元素 |
マッピング分析可能 |
XPS(ESCA) |
10μm |
元素、元素状態 |
nmオーダーの表面分析 |
関連設備
- フーリエ変換赤外分光分析装置(FT-IR)
- 顕微レーザラマン分析装置(Raman)
- 飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)
- X線マイクロアナライザ(XMA, EPMA)
- X線光電子分光分析装置(XPS, ESCA)
- 走査電子顕微鏡(SEM)