EMC対策(EMI・EMS)もご相談ください

我々の考えるEMC対策は、フェライトコアやノイズフィルタを用いた外付け部品による従来のカット&トライ的なものでなく、回路挙動、部品特性、プリント基板のレイアウトから原因を追究し、本質的な部分へアプローチを行うことです。

EMC対策のポイントとフロー

EMC対策の実施の際にはまず、お客様の目的をしっかりと理解し、課題を共有をすることから着手します。
※市場での不具合対策は、不具合の内容、発生頻度、時間帯などから市場ノイズの推測を行い、再現試験を実施します。
より課題の本質的な部分へのアプローチを行いますので製品や回路図、プリントパターンのレイアウト図などをお預かりして検証を行います。
そして、検証結果に基づき、改善の方向性や改善策の効果を実測ベースで検証します。

 

様々なツールも活用して本格的な部分へアプローチ 課題の共有(NG)→ 近傍磁界測定を用いた対策、分離LISNを用いた対策、プロービング技術を用いた対策、設計診断による対策 → 効果の確認(OK) 様々なツールも活用して本格的な部分へアプローチ 課題の共有(NG)→ 近傍磁界測定を用いた対策、分離LISNを用いた対策、プロービング技術を用いた対策、設計診断による対策 → 効果の確認(OK)

徹底した情報セキュリティ管理により、情報漏えいの発生を防止しております。
お客様のご要望に応じまして、秘密保持契約(NDA)を締結の上、ご対応させていただきます。

EMC対策実績

  • 製品:家電製品、車載品、医療機器など
  • エミッション : 伝導、放射
  • イミュニティ : 伝導、放射、雷サージ、EFT/B、静電気

 

EMC対策事例

対策事例1

対策事例2

対策事例3

EMC対策事例1

試験NG:エミッション対策

ノイズ可視化解析による部品定数の最適化で対策 <改版前>図1.改版前の放射電界強度結果、図2.改版前の近傍磁界測定結果(30M~50MHz) → <改版後>図3.改版後の放射電界強度結果、図4.改版後の近傍磁界測定結果(30M~50MHz) ノイズ可視化解析による部品定数の最適化で対策 <改版前>図1.改版前の放射電界強度結果、図2.改版前の近傍磁界測定結果(30M~50MHz) → <改版後>図3.改版後の放射電界強度結果、図4.改版後の近傍磁界測定結果(30M~50MHz)

これらは、ある家電製品の放射電界強度結果と近傍磁界測定を行った結果です。改版前で35MHzの垂直成分(青)ノイズが大きく限度値(30dBμV/m)を超えていました(赤は水平成分)。

今回のノイズ対策は以下のStepで行いました。

Step1:ノイズ源の特定

この製品マイコン基板の近傍磁界測定を行ったところ、30~50MHzのノイズがスイッチング電源部を中心に基板全般に伝播していることがわかりました(図2)。

Step2:スイッチング電源部のノイズ対策

1)スイッチングFETのドレイン-ソース間電圧をオシロスコープで確認したところ、約30MHzのリンギングが発生していました。
そこで理論計算から、現状のスナバ回路定数を変更して30MHzのリンギングを抑える設計を行いました。

2)改版前のレイアウトはスイッチングループを形成する部品が基板内に点在していたので、ループが広がっていました。
そこで部品を極力近くに配置することでループを最小にする設計を行いました。

改版後の近傍磁界測定結果は基板内のノイズ伝播が抑えられていることが確認でき、放射電界強度結果も限度値内に入ることを確認しました。

EMC対策事例2

試験NG:エミッション対策

ノイズ印加時の回路挙動の可視化して対策 <改版前>図1.改版前のOPAMP出力の波形 → <改版後>図2.改版後のOPAMP出力の波形 ノイズ印加時の回路挙動の可視化して対策 <改版前>図1.改版前のOPAMP出力の波形 → <改版後>図2.改版後のOPAMP出力の波形

これらは、車載デバイスに特定周波数の放射ノイズを印加した時の製品基板内のOPAMP出力をプロービングした波形です(図1)。
改版前ではノイズによりOPAMP出力が変動しており、これにより製品が誤動作を起していました。
今回のノイズ対策は以下のStepで行いました。

Step1:仮説の立案

この製品マイコン基板の近傍磁界測定を行ったところ、30~50MHzのノイズがスイッチング電源部を中心に基板全般に伝播していることがわかりました(図2)。

Step2:仮説の検証(ノイズ対策)

OPAMPの入力端子に特定周波数のノイズが入力されなければ出力が振れることがないので、入力プラス端子とマイナス端子に特定周波数に効果のあるLPF(Low Pass Filter)を挿入してノイズを減衰させる設計を行いました。

改版後のOPAMP出力はノイズにより変動することはなく、製品の誤動作も発生しないことを確認しました(図2)。
LPFをチップ抵抗とチップコンデンサを用いることで安価でかつ省スペースな耐ノイズ設計を実現することができました。

EMC対策事例3

市場不具合対策

不具合を再現させてノイズ印加時の回路挙動の可視化して対策 <改版前>図1.改版前のEFT/B試験時のマイコン電源 → <改版後>図2.改版後のEFT/B試験時のマイコン電源 不具合を再現させてノイズ印加時の回路挙動の可視化して対策 <改版前>図1.改版前のEFT/B試験時のマイコン電源 → <改版後>図2.改版後のEFT/B試験時のマイコン電源

この事例は、市場においてある家電製品がリセットがかかるという不具合を対策した事例です。
この不具合の対策は以下のStepで行いました。

Step1:仮説の立案

市場における発生頻度、周辺機器などを確認したところ、誘導性負荷(モーターやトランス)のON/FFにより生じるノイズによって不具合が発生したと仮説を立てました。

Step2:仮説の検証

誘導性負荷のON/OFFから生じるノイズをEFT/B試験で模擬して、不具合を再現をさせた。

Step3:不具合原因へのアプローチ

FTA(Fault Tree Analysis)を用いて、考えれる要因を推定し、該当箇所へノイズ印加中の波形をプロービングにより取得しました。

Step4:波形解析

波形を確認したところ、不具合発生時はマイコン電源が規格値(3.8V)よりも低下しており、22MHz程度で揺らされていることがわかり、これによりリセットがかかっていることが判明しました(図1)

Step5:対策及び効果確認

マイコン電源付近に20MHz効果のあるパスコンを挿入して対策効果を確認したところ、不具合は発生せずそのマイコン電源の波形の揺れは収まっており規格値以下になっていないことを確認しました(図2)