耐震性能評価
製品の耐震性に不安はありませんか?
近年、毎年のように全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が発生しています。
国立研究開発法人である防災科学技術研究所では2024年から今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率を示した予測地図を公表しています。確率が高い場所ほど「濃い赤色」で示されており、巨大地震が想定されている「南海トラフ」沿いの太平洋側、首都直下地震が想定されている関東などで確率が高くなっています。
2024年8月には日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、南海トラフ地震情報(巨大地震注意)が発表されました。南海トラフ沿いの大規模地震の今後30年以内に発生する確率は70~80%であり、前回の発生から約80年が経過していることから切迫性の高い状態です。そのため、南海トラフ沿いでは、いつ大規模地震が発生してもおかしくない状況と言われております。
このような大規模地震が発生した際に、「製品が倒れないだろうか? 落ちないだろうか? 壊れないだろうか?」と誰もが気になる製品の耐震性能。これらの心配を解消するために、地震試験機やシミュレーションを用いて過去に発生した地震波を再現し、耐震性の評価を行うことが可能です。
プロダクト解析センターでは、これまでに数多くのパナソニック製品の評価を行ってきた経験とノウハウを活かし、最適な耐震試験の方法を提案いたします。また、試験だけでなく、地震を模擬したシミュレーションにより耐震試験の効率化や対策の検討も行うことができます。
製品の耐震試験(地震試験)
地震波を再現し、大型家具や家電、高所取り付け製品から大型システム機器まで、多種多様な製品における耐震性と安全性の評価を行います。適用する地震波形は、単純なサイン波から兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)や東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)など、実際に発生した地震波を再現することが可能です。さらに、実際の波形を基に震度を調整することもできます。
専任の技術者が耐震試験のお手伝いをいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
当社の耐震試験(地震試験)の特徴
◆過去に発生した地震を再現
→震度7クラスの兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震を加振台上で再現
◆製品の耐震限界性能を確認
→共振点探査による弱点と耐久性の確認
◆製品の機能を確認
→震度3~震度7までのバリエーションによって感震センサ等の機能確認や
製品の限界レベルの把握が可能
地震波形の例
下図のような過去の地震波を2軸(垂直+水平)で同時加振することで、製品が転倒、落下、変形、破損しないための対策提案を行い、安全性を高めた製品創出に貢献します。また、これらの波形を基に震度3から震度7のバリエーション波形で試験を行うことも可能です。
波形:兵庫県南部地震(南北)
観測点:神戸市中央区中山手
震度:6強
発生日:1995年 1月 17日
波形:東北地方太平洋沖地震(南北)
観測点 :宮城県仙台市
震度 :6強
発生日 :2011年 3月 11日
地震試験機 仕様
加振波形 |
・各地の地震再現波 |
---|---|
有負荷時 |
垂直:500 gal 水平:1000 gal |
周波数 |
1~30 Hz |
最大変位 |
垂直:270 mm(P-P) 水平:520 mm(P-P) |
最大搭載重量 |
1000 kg |
耐震試験の事例
近年、太陽光や風力など環境に優しい発電方法が普及しつつあります。これらの発電機器は屋外に設置されることが多く、自然災害に対する対策が必要です。
例えば、大型の太陽光発電パネルが地震によって倒壊する場合、大変危険な状況を招く可能性があります。また、太陽光パネルは倒壊しても発電し続けるため、感電や火災の危険も伴います。実際に2024年の能登半島地震では多くの太陽光パネルが破損しました。太陽光パネルが落下し、車両が通れなくなったり、感電の危険性もあるため、破損後の解体も進んでいないケースもあります。
このような危険性に対し、下記の動画のように地震試験を行うことで、地震に対するトラブルを抑制できます。
※ 屋外に長期間の間、設置していると樹脂部や接着剤が劣化します。耐久性評価サービスはこちら。
太陽光発電パネル 地震試験事例
地震時の製品転倒シミュレーション
地震により家具などの製品が転倒するかどうかの耐震性は、実際の地震の揺れを再現できる地震試験を行うことで確認できます。しかし、様々な地震波形や製品形状を検討したい場合、試験が多岐にわたり、サンプルの準備や試験時間に課題があります。
例えば、兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)と東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では波形が大きく異なります。様々な地震波形ごとに各種製品形状で耐震性を検討したい場合、試験回数が増加します。また、実際に耐震試験を実施して製品に問題がなかった場合、どれだけ余裕があったかの判定は耐震試験だけでは困難です。
このような耐震試験の課題を解決するため、プロダクト解析センターでは地震時の製品転倒を予測可能な転倒シミュレーション技術の開発を行っています。
強み:実際の地震試験とシミュレーションを同時に検討することで、様々な状況における転倒予測(耐震性)が可能
地震で転倒するかどうかは「製品」と「床面」の摩擦係数に大きく依存します。当部門では摩擦係数測定装置も保有しており、実測した摩擦係数を用いて様々な床面の状況をシミュレーション上で再現することができます。
地震時の製品転倒シミュレーション事例
一般的な家具に兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の波形(震度6)を与えた場合の転倒シミュレーション事例です。シミュレーションにおいても、耐震試験の挙動に近い動きをしていることが確認できます。
当部門で保有している耐震試験と転倒シミュレーションを組み合わせることで、様々な条件の耐震性能が評価可能となり、耐震性能評価期間の短縮や費用の削減に貢献できます。
プロダクト解析センターでは豊富な評価経験がありますので、 お気軽にご相談ください。