ユーザビリティ概要

私達の価値は、ユーザーの五感を数値化したり見える化すること、さらに、五感では測りきれない空気感や気持ちの部分も汲み取り、それらを合わせて製品開発に活かしやすい知見に昇華させることです。
我々は、研究者や学者、エンジニアというよりもむしろ人間の快適性を科学するデザイナー「Comfortable Human Designer」として、製品開発に関わる全ての方々と協力しながらユーザーの心の声を製品価値にまで磨き上げていきます。
ここではまず、私達のユーザビリティに対する考え方と、提供するソリューションについてご紹介します。

ユーザビリティに対する考え方

ユーザビリティとは

ユーザビリティとは、使用者(ユーザー)にとっての商品の使い心地や扱いやすさなどを示す言葉として、主にユーザーインターフェースに対して使用されています。

スマホを見る女性
商品と人との全てのインタラクション

これに対して私たちは、商品の安全性や、商品使用時にユーザーが感じる感動体験等も含めた、「商品と人との全てのインタラクション(相互作用)」をユーザービリティと考え、ユーザーが商品使用時に感じる感覚を定量化し、商品設計に落とし込むことで、より使い心地のいい魅力ある商品を作ることを目指しています。

下向き矢印

そこで私たちは、根本となる要素を、

  1. 商品が安全であること(ヒューマンセーフティ)
  2. 無理なく、負担なく使用できること(狭義のユーザビリティ)
  3. 使用感や見栄えが優れていてユーザーに感動を与えられること(感性価値)
  4. まだユーザーが気づいていない新しい価値を明らかにすること(新価値創造)

の4段階で切り分けることで広義のユーザビリティとして定義するとともに、各商品が達成すべき要素に応じて、それぞれ最適な手法で評価することで、商品開発をご支援させていただいております。

ヒューマンセーフティ ~製品が安全であること~

世の中には絶対安全はなく、そこに製品がある限り、人は何らかのリスクを負っています。
これらリスクを最小化するために、できる限り安全な商品を開発することは、非常に重要だと考えます。

私たちは、リスクアセスメントに代表される製品の安全性評価手法をベースとして、自動車業界で用いられているダミー人形・独自に開発した手指の挟みこみ試験機・シミュレーション技術の応用など様々な評価手法を取り入れ、事故時の傷害予測を行うことで製品の安全性を評価しています。

傷害の種類は多種多様であり、高齢者や子供など、商品を使用する人も多種多様です。
このようなバラツキを踏まえて、傷害レベルを予測することは非常に難しく根気のいる仕事ですが、より安全な製品を世の中に広げるためにも、傷害を正しく評価するための各種取り組みは全ての人々にとって有益な活動であると考えています。

狭義のユーザビリティ ~無理なく、負担なく使えること~

商品と人がインタラクションするときには必ず何らかの負荷が人にかかります。例えば、トイレや椅子の立ち座り動作では相応の負荷が太ももにかかりますが、負荷の大きさは人によって様々で、特に子供や高齢者にはより大きな負荷がかかることは容易に想像いただけるのではないでしょうか。

このような日常生活において繰り返し使用する商品においては、負荷の積み重ねが利用者にとって大きなストレスとなります。

しかし、商品サイズを使用者に適したサイズに変えることや(身体適合性)、適切な位置に手すりをつけるなど、ちょっとした工夫で今まで感じていた負荷を大きく低減することができます。
私たちは商品使用時の負荷を少しでも減らすため、筋電図解析やデジタルヒューマン技術を利用して負荷の度合いを数値定量化し、商品設計に落とし込む活動を行っています。
これらの技術は、近年ではオフィスのレイアウトや工場の工程改善など、人が動くことが前提とされる空間においても、活用が広がっています。

また、商品のわかりやすさも近年では非常に重要視されています。私たちはユーザーの眼の動き(視線解析)に着目し、説明書を見なくても直感的にすぐ使えるようなボタン配置や画面設計などをご提案させていただいております。

感性価値 ~使用感や見栄えが優れていてユーザーに感動を与えられること~

使い心地がいい、快適、しっくりくる、かっこいい、かわいいなど、製品利用時に人が感じる感覚は様々で、それらを製品設計に落とし込むことは非常に難しいことです。
しかし近年では、UX(ユーザーエクスペリエンス)と言った言葉に代表されるように、感性に訴えかける製品の開発や訴求方法はますます重要性を増しており、売れる製品開発のためには、感性価値を考えることは避けて通れないものとなってきました。

そこで我々は、血流計測脳波計測に代表される生理計測や、圧力分布に代表される物理計測などにより、ユーザーが商品利用時に感じる感覚や感性の見える化に取組んでいます。
例えば、最近では握り心地を追及した商品が「エルゴグリップ」といった言葉で説明され、多数発売されています。
このような商品に対して私たちはユーザーアンケートによる官能評価と、手のひらに働く圧力分布を結びつけることで、ユーザーが感じた感覚を物理量に置き換え、目指すべき商品の形状や重量を明確化しています。
このように、ユーザーに感動を与える商品を作るためには、目には見えないあいまいな感覚を、商品設計者に伝わる指標に落とし込むことが重要であると考えています。

新価値創造 ~ユーザーが気づいていない価値を明らかにすること~

新しい価値を認め、受け入れるのはいつも商品のユーザーです。であるならば、「ユーザーの発するちょっとした言葉やユーザーの行動を適切に分析することで、これまで表に出ることはなかった新しい価値を創造することが可能になるのでは?」というのがユーザー評価を長年経験し、アンケートや各種定量化手法に精通する私たちが出した答えです。

我々は、ユーザー起点での新しい価値を生み出していくことを目指して、行動観察アンケート使用実態調査といったベースとなる技術(強み)を活かしながら、これらを融合して、様々なアイデア創出を行っています。シーズベースドデザインシンキングギャップ探索など、人間工学の専門家が実現するデザインの世界は、これまでの手法とは異なる新しい価値を生み出すと考えています。
新価値を創造するのは、一部の優れたクリエイターやデザイナーに認められた特権ではありません。

 

ユーザー心理・ユーザー行動の科学的追及と応用

人間中心設計での商品開発をサポート

商品開発において、以下のような課題を抱えていませんか?

  • ユーザーデータを取得する方法がわからない
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  • 利用品質(有用さ・使いやすさ・安全・快適)を高めてユーザー
  • 満足度を向上させたい。
  • 経験価値(ユーザーエクスペリエンス/UX)を向上させて
  • マーケティングに生かしたい。
  • 国ごとのユーザー嗜好を把握して海外展開に備えたい。
  • 専門家の客観的な意見を取り入れたい。
課題を抱える男性
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経験豊富なスペシャリスト

プロダクト解析センターなら、
ユーザビリティについて、高い専門性を持つ経験豊富なスペシャリストが、人間研究の技術・知見を活かしたソリューションを提供します!

パナソニックの人間中心設計における4つのポイント

01 目的に応じたターゲットユーザー情報を取得します

モニター評価のノウハウを生かしたユーザーインタビューや行動観察などにより、ターゲットユーザーの特性や利用実態を的確に把握することで、ユーザー視点に立ったデザイン・設計が可能となります。なお、海外を含む様々なユーザー属性に対応しています。

02 客観的なエビデンスデータに基づく評価・判定をします

パナソニックの商品開発で長年実践してきた様々な定量化技術により、ユーザーの気持ちや感覚ユーザー行動を科学的に解析します。

03 客観的なエビデンスデータに基づく評価・判定をします

ユーザー評価によって明らかになった内容を設計仕様へ落とし込むことで、ユーザビリティへの配慮はもちろん、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上も重視した、ユーザー満足度の高い商品創出をご支援させていただきます。

04 開発のあらゆるステージをサポートします

ユーザビリティソリューション部では、「完成した商品」の評価だけではなく、商品企画~設計開発~販売など、商品開発におけるあらゆるステージにおいて、顧客視点での分析・ソリューションを行っています。また、家電などのBtoC商品に限らず、店舗向け商品、プロユーザー向け商品などのBtoB商品への対応も可能です。

サービスの提供範囲

人間工学・感性工学・心理学・生理学を屈指し、サービスを提供いたします。

企画段階

行動観察による潜在ニーズ探索や価値観によるユーザー分類等によりユーザーニーズを見える化し、商品開発における方向性を明らかにします。

設計開発段階

商品使用時の感性価値ユーザビリティを定量化することで、ユーザビリティを高めるポイントを設計仕様へ落とし込みます。また、人体シミュレーション技術により、あらゆるユーザーを対象とした身体適合性を考慮した最適設計支援も行っています。

プロモーション段階

商品の特徴やユーザーメリットに合わせて、効果効能を科学的な根拠データと共に可視化することで、お客様の心に響くプロモーションをサポートします。