美容研究家/ヘア・メイクアップアーティスト
肌や髪の老化は、歳だから仕方ないとあきらめてはいませんか?
60歳からのきれいの秘訣は、高価な化粧品を使うことでも、エステに通うことでもなく、毎日自分で少しずつ手をかけることにあります。
「きれいになることに、年齢制限はありません」とおっしゃる84歳の現役美容研究家、小林照子さんに、いくつになってもきれいになれるお手入れのコツを教えていただきました。
池田建太(パナソニック㈱アプライアンス社 ビューティ・パーソナルケア事業部)と、本多和弥((同)ビューティ・パーソナルケア事業部)がお話を伺いました。
毎日のスキンケアで大切なポイントを教えてください。
ポイントは、しっかり落とすことと、しっかりうるおすこと。ホットタオルやスチームを使った「蒸し美容」なら、肌は瞬間的にうるおって、やわらかくゆるみ、毛穴が開いて奥につまった汚れが浮かび上がるのでしっかりおそうじできます。また温めることで血行がよくなるので、くすみが消えて肌が明るくなります。
肌がやわらかくなっているうちに、美容液などを浸透させ、最後にスプレータイプの化粧水を拭きかけて、キュッと引き締めるのがコツです。皮膚は脳と連動していますから、温めればゆるみ、冷えればキュッと縮む。言わば毛穴の運動ですね。皮膚をしっかり運動させることで、新陳代謝もよくなります。
より手軽に「蒸し美容」ができるようにという思いから、〈温冷スチーマー〉を開発しました。小林先生にも、たくさんのアドバイスをいただきました。
ホットタオルを作るときのお湯の温度は41~42℃。手で触って少し熱いと感じるくらいが適温ですが、残念なことに顔にのせている間に冷めて、蒸気が減ってしまいます。その点、スチーマーは適温のまま安定した量の蒸気を出し続けくれるのがいいですね。
2005年に私が出した『「温ケア&冷ケア」で肌は必ずキレイになる』という本を読んでいただいたのが始まりですよね。開発チームの方々が初めて相談に来られたときに、全員がこの本を持参して、付箋をたくさん付けておられたのでびっくりしました(笑)。
当時のスタッフの間ではほとんどバイブルと化していたそうです。
その後、ホットタオルで蒸すときの適温や蒸気の量などを研究していただいて、いろんな肌タイプの方にモニターになってもらい、私も大阪の研究所に何度も足を運んで、開発のお手伝いをさせていただきました。最初のスチーマーは、スチームは「温」だけで、パッティングで冷やしていたのが、次は温冷スチーマーになり、スチームそのものの浸透力もアップするなど、どんどん進化し続けていますよね。
肌に蒸気を当てる商品なので、やはり安全性を第一に考慮しながら、より効果が上がるように少しずつモデルチェンジを続けています。でも、肌に最適な温度と量のスチームを出すという根幹の機能は今も変わっていません。
温スチームと冷ミストで、たっぷりうるおい、きゅっと引き締め。ハリ感あふれる豊潤肌へ。スチーマーナノケア。
この年代の方の中には、髪の悩みをもつ人も多いと伺っています。
更年期を過ぎると、「毛が細くなる」「コシがなくなる」「髪が薄くなる」「分け目が目立つ」など、髪の悩みが増えてきます。これらはすべて頭皮が硬いことが原因です。
男性も女性も、ストレスをたくさん抱えているほど、頭皮が硬くなると言われています。頭皮を触ってみてください。カチカチになっていませんか。指で押したときに1、2ミリ沈むくらいの弾力があるのが健康な頭皮です。顔の表情筋を引き上げているのが頭皮です。そこが張りを失って地すべりしてきたら、顔がゆるむのです。また、頭皮は10万本の髪が生えている畑だと思ってください。その畑がカチカチになっていたら、健康な髪は育ちませんよね。毛根や毛母細胞に栄養を運ぶのは血液ですから、硬くなった頭皮を柔らかくほぐすことで健康な髪が生まれるのです。
自分でできるケアのポイントやタイミングを教えて頂けますか。
頭皮のケアと言っても難しく考える必要はありません。まずはシャンプー前のブラッシングで頭皮をまんべんなく刺激し、フケを起こします。クッション性のあるブラシを使って、以下の手順で頭皮全体にしっかり刺激を与えましょう。これだけでも頭皮がじんわり温かくなります。
昭和の中期に初めてシャンプーが登場した頃のポスターを見ると、「せめて月に2回は!」「御洗髪は一週一度!」という宣伝文句が印刷されています。今の人が見たらさぞびっくりされることでしょう。月に数回しか髪を洗わない、そんな時代があったのです。
でも、当時の女性たちはお手入れのために毎日ブラッシングをして、フケ取り用の櫛などもありました。むしろ、昔の人のほうがちゃんと頭皮ケアができていて、それで長い黒髪の美しさを保っていたのです。
ブラッシングで頭皮をほぐした後は、シャンプーのついでに頭皮ケアをしましょう。
ガシガシ洗うのではなく、4本の指の腹をしっかり頭皮に当て、最初は小さくジグザグさせながら、次は生え際から頭頂に向けてギュギュギュッと小刻みに回して揉むようにします。髪がいちばん薄くなりやすい頭頂部はとくに丁寧に。全部で5分くらいかけたら、あとはシャワーでよく流すだけ。頭皮をきちんと洗えば、髪の毛も自然に洗えます。
硬くなった頭皮の毛穴には脂と古い頭皮が混じってカチコチに固まっています。シャンプーを泡立てガーッと洗って流すだけでは、毛穴の詰まりはなかなかとれません。まずは頭皮をお湯でしっかり湿らせて、シャンプーを泡立てて、指の腹で揉むことで毛穴を開かせるのです。毛穴の中の汚れは一度のシャンプーではとれないかもしれませんが、毎日続ければ少しずつとれていきます。
シャンプーは毎日したほうがいいですね。毎日シャンプーしない人ほどガリガリやってしまって、頭皮を傷つけてしまいます。毎日洗えばシャンプーはほんの少しで泡立つのです。
ご家庭でも本格的な頭皮ケアができるヘッドスパ器具〈頭皮エステ〉の開発にも、小林先生にご協力いただきましたね。
うちのスタッフの中でもヘッドスパが一番上手な人を選んで、“プロのハンドテクニック”を再現したのですよね。
頭皮を動かしながら心地よく洗える器具にしようと、何度も試作を重ね、2011年に発売しました。
大ヒットになりましたよね。男性の利用者も多かったと聞きました。その後、メンズモデルも発売したのですよね。
男性の方が皮脂が多いので、毛穴詰まりを掻き出すブラシを搭載した皮脂洗浄タイプを作りました。
シャンプーしながらリラクゼーションヘッドスパ。頭皮エステ サロンタッチタイプ。
自宅ヘッドスパで、頭皮環境清浄化。頭皮エステ 皮脂洗浄タイプ。
ヘアドライで髪を若々しく見せるコツはありますか?
ポイントは、シャンプーの後、頭皮が冷えてしまう前に、まず頭皮をしっかり乾かすことです。髪を手でつかんで持ち上げ、髪の根元にドライヤーの風を当てていきます。そうすると、髪が噴水のようにふんわり立ち上がって重みで下がるので、自然なボリュームが出て、分け目が目立ったりしません。
髪が短い方なら頭皮を乾かすだけで髪も自然に乾きます。髪を乾かしすぎると、毛先があちこちに向いてしまったりするでしょう。髪を完璧に乾かそうと思わない方がいいのです。
当社のドライヤーには、地肌に近づけても熱くないやさしい温度、約60℃※の風で心地よくドライするスカルプモードを搭載しているものもあります。※室温30℃の時
頭皮をしっかり洗い、よく乾かすことが、ハリとコシのある髪への近道です。
水分発生量が従来の18倍になった高浸透ナノイー搭載のナノケアドライヤー
美容研究家・ヘア&メイクアップアーティスト
1935年生まれ。株式会社コーセーにおいて35年以上にわたり美容について研究、時代をリードする数多くのヒット商品を生み出す。85年に同社初の女性取締役に就任。91年、56歳で同社を退任後、美・ファイン研究所を設立。また、[フロムハンド]メイクアップアカデミー、青山ビューティ学院高等部 東京校・京都校で多くの後進を育成中。著書に『人を美しくする魔法』(マキノ出版)、『これはしない、あれはする』(サンマーク出版)『きれいはげんき』(宝島社)『小林照子流 ハッピーシニアメイク』(河出書房新社)、『人生は「手」で変わる』(朝日新聞出版)、『50歳から始める「きれい!」の習慣』(きずな出版)、『48歳からの「いい男」の条件』(きずな出版)などがある。
中尾洋子 パナソニック(株) 全社UD推進担当主幹
先生に具体的な肌と髪のお手入れ方法をお教え頂きましたが、いかがでしたでしょうか。先生のお肌や髪のお美しさがその効果を実証されているので、是非お試し頂きたいです。先生のお話しでは、頭皮ケアで白髪の根元が黒くなった方もおられるとか!毎日の積み重ねが大事なので、洗顔やシャンプーのついでに出来るように組み込めたら良いですね。美容機器をうまく使って、手軽に続けられるのもお薦めです。
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