EBSDによる結晶構造解析受託サービス
EBSD(Electron Backscatter Diffraction、電子線後方散乱回折)は、材料の結晶方位や結晶構造を高精度に可視化する手法です。本ページでは、EBSD分析の概要、特徴、技術事例、よくある質問、費用・スケジュールをご紹介します。
概要
EBSDは、試料表面に電子線を照射した際に検出される回折パターン(EBSDパターン)を解析することで、材料内の結晶方位や結晶相を評価する手法です。結晶方位やひずみ分布などを高分解能で可視化することが可能であり、材料開発、故障解析、品質管理など幅広い分野における組織評価に活用されています。
わかること
- 結晶方位(配向)分布
- 結晶粒径・粒界特性
- 結晶成長方向(柱状晶など)
- 結晶方位差
- 局所ひずみ分布(KAM解析)
主な用途
- 金属材料の結晶構造評価
- 電池材料の結晶構造評価
- 加工材・熱処理材の組織評価
- ひずみ・応力分布の解析
- 不具合解析
対象サンプル例
- 電池材料(正極材料など)
- 金属材料
(ステンレス鋼、鉄系材料など) - セラミックス材料、粒子材料
特徴
クロスセクションポリッシャ(CP加工)による高品質な断面作製
EBSD測定では、表面の加工ひずみを十分に除去し、平滑な試料面を作製することが重要です。
CP加工ではArイオンビームにより試料表面の加工ダメージ層を除去するため、結晶構造を乱さない状態で正確な分析が可能です。これにより、結晶方位分布(IPFマップ)などのマッピング像を高精度に取得できます。
高分解能SEM(走査型電子顕微鏡)に搭載した高精度EBSD解析
当センターのEBSD装置は高分解能SEMに搭載されており、微細組織の高精度観察と結晶方位解析を両立した評価が可能です。
また、低真空モードを搭載した装置も有しており、非導電性材料に対しても蒸着なしでの分析に対応しています。
CP加工からEBSD分析まで、一貫した大気非曝露対応
グローブボックスおよびトランスファーベッセルを用いることにより、サンプリング、CP加工からEBSD測定までを一貫して大気非曝露で実施することが可能です。大気中の酸素や水分の影響により変質しやすい試料に適しています。
技術事例(EBSDによる低炭素鋼の評価)
EBSDによる低炭素鋼の評価事例(結晶方位分布およびひずみ分布)
結晶方位分布解析
IPFマップ(逆極点図マップ:Inverse Pole Figure Map)により、結晶方位の分布や粒界の特徴を可視化することが可能です。色の違いは結晶方位の違いを示しており、粒間の方位差などを確認することができます。
ひずみ分布解析
KAMマップ(Kernel Average Misorientation:局所方位差マップ)により、材料内部のひずみ分布を可視化できます。明るく表示されている部分は、ひずみが大きい領域を示しています。
よくあるご質問(FAQ)
- 試料サイズはどれくらいですか?
- 約10✕8✕10mm(高さ)程度です。切り出しや研磨などによる試料サイズの調整も対応可能です。
- 依頼前に相談できますか?
- はい、可能です。事前にお打ち合わせの機会をいただき、試料情報や目的、ご希望の納期などをお伺いしながら、最適な評価方法をご提案いたします。
- 前処理から測定まで大気に触れずに実施できますか?
- はい、可能です。CP加工からEBSD測定までを大気非曝露で一貫して実施することで、酸素や水分の影響により変質しやすい試料も分析可能です。
- 粒子材料の解析は可能ですか?
- はい、可能です。粒子についても断面を作製し、内部構造を観察・分析することができます。二次粒子の結晶配向評価など、粒子材料特有の解析にも対応しています。
費用・スケジュール
費用イメージ
- 断面作製(BIB加工):8万円~
- SEM観察:4万円~
- EBSD分析・解析:10万円~
*試料数、前処理の有無、観察箇所数、追加分析の有無などにより変動します。
スケジュール目安
- お問い合わせ後、内容確認:1〜2営業日
- 内容確認・見積提示:1営業日〜
- 観察・報告:5営業日~
- 報告書提出:内容確定後にご案内
*緊急案件は事前相談により短納期対応も可能です。