イミュニティ(EMS)対策

静電気試験の不具合解析、対策をご相談ください


静電気試験で不合格となった場合、その原因特定は容易ではありません。
脆弱箇所や静電気電流の流れを正確に把握し、そこから対策を講じることは、従来非常に困難です。
しかし、当社の静電気解析ソリューションでは、静電気可視化ツールを用いてリアルタイムで“見える化”を実現し、
ピンポイントで本質的な部分へアプローチし解決へと導きます。

イミュニティ(EMS)対策実績


  • 製品:家電製品、車載品、医療機器など
  • イミュニティ試験 :静電気、伝導、放射、雷サージ、EFT/B

イミュニティ(EMS)対策事例1


試験NG:静電気試験における誤動作

[誤動作内容]

放電ガンでオーディオジャックのグランドに直接放電+4kVを印加したところ、モニタ映像が消える誤動作が発生

静電気における誤動作

この事例は、カット&トライによる対策が主流な静電気に対し、可視化装置を使用して対策した事例です。この不具合の対策は以下のStepで行いました。

Step1:脆弱箇所の把握 所要約15分

基盤・回路構造から、ハンディタイプのノイズ印可装置を使い、誤動作現象(映像が消える)が再現する箇所を洗い出します。

映像IC付近が脆弱と特定できた

Step2:静電気耐量レベルの可視化 所要約3時間

STEP1で特定した映像IC付近を、より精度が高いESDスキャン(ロボットによる自動印加)を使用して耐量レベルを可視化する。

映像ICの左ピンが脆弱箇所と特定できた

Step3:静電気印加箇所からの電流の流れ方を可視化 所要1時間

誤動作が発生した印加箇所から、STEP1で特定した映像IC付近に流れる電流を可視化する。

静電気印可位置から映像IC端子にESD電流が流れ込んでいることを特定できた

Step4:誤動作メカニズムの解明

誤作動メカニズム:不具合箇所は映像IC。オーディオジャックに静電気を印可した際、映像ICの左側ピンに電流が流れ込み誤作動が起こっている。

Step5:対策及び効果確認

映像ICへ伝播する電流の量を減らす
                → 対策案① 基板と筐体のアース接続を強化する

                → 対策案② 映像ICの耐性の低いピンにバイパスコンデンサを付加する

対策案① 基板と筐体のアース接続を強化する

対策前と比較すると映像IC全体に流れ込む電流量が少なく、電流が映像ICへ伝播する量を抑制できていることを確認できた。そして静電気試験結果、対策前:+4kV→対策後±6kVpまで耐性が向上したことを確認した。

イミュニティ(EMS)対策事例2


試験NG:放射イミュニティ試験における誤動作

ノイズ印加時の回路挙動の可視化して対策 <改版前>図1.改版前のOPAMP出力の波形 → <改版後>図2.改版後のOPAMP出力の波形

これらは、車載デバイスに特定周波数の放射ノイズを印加した時の製品基板内のOPAMP出力をプロービングした波形です(図1)。
改版前ではノイズによりOPAMP出力が変動しており、これにより製品が誤動作を起していました。
今回のノイズ対策は以下のStepで行いました。

Step1:仮説の立案

この製品マイコン基板の近傍磁界測定を行ったところ、30~50MHzのノイズがスイッチング電源部を中心に基板全般に伝播していることがわかりました(図2)。

Step2:仮説の検証(ノイズ対策)

OPAMPの入力端子に特定周波数のノイズが入力されなければ出力が振れることがないので、入力プラス端子とマイナス端子に特定周波数に効果のあるLPF(Low Pass Filter)を挿入してノイズを減衰させる設計を行いました。

改版後のOPAMP出力はノイズにより変動することはなく、製品の誤動作も発生しないことを確認しました(図2)。
LPFをチップ抵抗とチップコンデンサを用いることで安価でかつ省スペースな耐ノイズ設計を実現することができました。

イミュニティ(EMS)対策事例3


市場不具合対策

不具合を再現させてノイズ印加時の回路挙動の可視化して対策 <改版前>図1.改版前のEFT/B試験時のマイコン電源 → <改版後>図2.改版後のEFT/B試験時のマイコン電源

この事例は、市場においてある家電製品がリセットがかかるという不具合を対策した事例です。
この不具合の対策は以下のStepで行いました。

Step1:仮説の立案

市場における発生頻度、周辺機器などを確認したところ、誘導性負荷(モーターやトランス)のON/FFにより生じるノイズによって不具合が発生したと仮説を立てました。

Step2:仮説の検証

誘導性負荷のON/OFFから生じるノイズをEFT/B試験で模擬して、不具合を再現をさせた。

Step3:不具合原因へのアプローチ

FTA(Fault Tree Analysis)を用いて、考えられる要因を推定し、該当箇所へノイズ印加中の波形をプロービングにより取得しました。

Step4:波形解析

波形を確認したところ、不具合発生時はマイコン電源が規格値(3.8V)よりも低下しており、22MHz程度で揺らされていることがわかり、これによりリセットがかかっていることが判明しました。(図1)

Step5:対策及び効果確認

マイコン電源付近に20MHz効果のあるパスコンを挿入して対策効果を確認したところ、不具合は発生せずそのマイコン電源の波形の揺れは収まっており規格値以下になっていないことを確認しました。(図2)