耐候性試験・耐光性試験(紫外線による影響) 

成形品や樹脂材料、塗装品や木材などの屋内、屋外で使用する製品の太陽光【紫外線】による色変化、強度低下を短時間で再現し、トラブルの未然防止を支援します。 現在は、地表に到達する紫外線量は、10年あたり+4.2%で増加傾向にありますので、耐候性品質の確認が重要で、国内外の規格や業界規格も増えています。 ここでは、紫外線を放射する光源ごとに紹介します。

キセノンランプでの耐候性試験(耐光性試験)

屋外で雨の当たる場所を想定し、紫外線照射中に散水を行う試験を耐候性試験、屋内を想定し散水を伴わない試験を耐光性試験と呼びます。光源に関わらず、耐候性試験、耐光性試験は可能です。また、耐候性試験機をウェザーメータ、耐光性試験機をフェードメータと呼ぶこともあります。

キセノンランプ光源は、地表に届く太陽光と波長分布が似ているため、相関性のいい光源だと言われており、グローバルには一般的な光源です。また、エネルギー量を変えることが可能で、3倍程度までエネルギー量を増やした強エネルギーあるいはスーパーキセノン型の試験が可能です。
さらに紫外線を吸収するフィルターを変更することで、窓ガラス越しを想定した試験も可能となります。

太陽光に最も近い波長での耐光性評価
キセノン耐候性試験機(アトラス)
キセノン耐候性試験機(アトラス)

何が出来るのか

太陽光の紫外線波長に近く、実環境に近い評価ができます。


  1. 屋内商品の耐光性試験
  2. 屋外商品の耐候性試験(散水有)

設備1台を貸出し
最大60枚のサンプルで試験が可能です。

主な仕様

温度:BPT55~89℃
湿度: 50%RH
条件:連続照射、散水あり・なし
放射照度:60~180W/m2
波長範囲:300~400nm、340nm
試験片サイズ:W60×H140×t20
特長:強エネルギー試験が可能


紫外線フィルターを交換することで車載や他の様々な規格に対応

実施できる信頼性試験項目

キセノンフェードメータ試験、キセノンウェザーメータ試験、
強キセノンフェードメータ試験、強キセノンウェザーメータ試験

■関連規格

JIS K7350-2

プラスチック 実験光源による暴露試験方法
第2部:キセノンアークランプ

JIS K5600-7-7

塗料一般試験方法 第7部塗膜の長期耐久性
第7節:促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)

JIS A1415

高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法

JIS A1439

建築用シーリング材の試験方法

JIS K6266

加硫ゴム及び熱可塑性ゴムー耐候性の求め方

JIS D0205

自動車部品の耐候性試験方法

JIS B7754

キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機

カーボンアーク(サンシャインウェザーメータ)での耐候性試験

カーボンアーク光源は、正式にはオープンフレームカーボンアークランプと呼びます。lamp(ランプ)は、光を放つものという意味があり、カーボンアークはいわゆるガラスのランプではありませんが、公式にはアークランプとなっています。また、使用するカーボンの名称がサンシャインカーボンであるため、試験機をサンシャインウェザーメータと呼びます。
日本が発祥の光源であり、国内では一般的に採用されていますが、今ではISOの規格にも採用されています。

従来よりあるカーボンを燃焼させて実施する耐候性評価
従来よりあるカーボンを燃焼させて実施する耐候性評価
サンシャインウェザーメータ

何が出来るのか

日本国内で一般的な紫外線評価ができます。
屋外商品の耐候性評価(散水有)

弊社では、一定条件(JIS D0205 WAN-1Sに相当)で稼動、複数社相乗りとなります。

主な仕様

定常試験条件

温度:BPT63℃
湿度:50%RH
条件:60分間照射中、12分間散水
放射照度:255W/m2
波長範囲:300~700nm
試験片サイズ:W60×H150×t30

実施できる信頼性試験項目

サンシャインウェザーメータ試験

■関連規格

JIS K7350-4

プラスチック 実験光源による暴露試験方法
第4部:オープンフレームカーボンアークランプ

JIS A1415

高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法

JIS A1439

建築用シーリング材の試験方法

JIS K6266

加硫ゴム及び熱可塑性ゴムー耐候性の求め方

JIS D0205

自動車部品の耐候性試験方法

JIS B7753

サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機

メタルハライドランプ(スーパーUV)での耐候性試験

メタルハライド光源は、紫外線量が大きく、促進性を重視した試験です。メーカのHPによると屋外暴露の100倍、カーボンアークの10倍程度の促進性があるとされています。
メーカの試験機からスーパーUV試験と呼ばれることもあります。

強エネルギーの紫外線を主とする光源の耐候性評価
スーパーUVテスター
スーパーUVテスター

何が出来るのか

従来の試験機よりスピードアップした紫外線評価ができます。


  1. 主に屋外商品の耐候性評価
  2. 樹脂材料のスクリーニング
  3. 設備1台を貸出し

主な仕様

任意な試験条件が可能

放射照度:最大1000W/m2
BPT:63℃
条件:連続照射及び
サイクル運転可能
(照射、休止、結露)
散水可能
特徴:強い紫外線照射エネルギー

実施できる信頼性試験項目

スーパーUV試験(メタルハライド試験)

■関連規格

JTM G01

メタルハライドランプ方式試験機用

設備紹介

試験機

主な仕様

キセノンウェザーメータ
キセノンウェザーメータ

キセノンウェザーメータ(アトラス社製)

温度範囲:BPT55~89℃±3℃
槽内湿度:50±5%RH
放射照度:60~180W/m2
     (強エネルギー対応可)
制御波長範囲:300~400nm,340nm
散水:有り,無し 任意選択可能
規格:国内外規格や車載も対応

サンシャインウェザーメータ
キセノンウェザーメータ

サンシャインウェザーメータ(スガ試験機製)

現在、試験条件を固定して稼働中です。
(複数のお客様との相乗りとなります)
温度範囲:BPT63±3℃
槽内湿度:50±5%RH
放射照度:255W/m2(300~700nm)
降雨条件:60分間照射中、12分間散水

スーパーUVテスター
スーパーUVテスター

スーパーUVテスター(岩崎電気製)

  温度範囲:BPT 63±3℃
  槽内湿度:50±5%RH
  放射照度:1000W/m2  (100mW/cm2
  JIS規格換算1500W /m2相当
  試験サイクル:照射、結露、休止の設定が可能