発生ガス分析 受託サービス
製品や部材、各種材料から発生するガスは、異臭や腐食、汚染トラブルを引き起こすだけでなく、人体へ悪影響を及ぼすこともあるため、発生ガスの種類や量を正確に分析することは、品質保証や安全性確保に不可欠です。当社では、GC/MSやTG‑DTA/MS を駆使し、豊富な分析実績とノウハウを活かして、原因特定から対策立案までをサポートします。
発生ガス分析について
各種発生ガス分析手法の比較
加熱等により材料から発生するガスの分析法には、下記表に示すいくつかの手法があります。お客様のご要望のアウトプットを考慮して、加熱温度領域や、試料の形状・大きさ、発生ガス濃度など、種々の状況に合わせて最適な手法を選択し、発生ガスを解析します。
GC/MSとTG-DTA/MSの違い
GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)は、加熱により発生したガスをGC部で成分ごとに分離し、MS部で同定・定量する手法です。有機成分の高感度分析に適し、成分ごとの詳細な情報が得られます。 一方、TG-DTA/MS(熱重量・示差熱同時分析/質量分析)は、試料を加熱しながら重量変化(TG)と熱的挙動(DTA)を測定し、同時に発生ガスをMS部で解析する手法です。熱分解挙動や発生温度との関連を把握でき、材料の熱特性評価に有効です。
GC/MS分析におけるガス捕集方法の比較
試料が大きい場合や割断できない場合には、サンプリングバッグや小型チャンバー内に試料を封入し、捕集基材を用いてバッグおよびチャンバー内に発生したガスをサンプリングします。また、現場環境の空気の評価を行う場合は、現場に直接お伺いして捕集作業を行うことも可能です。
GC/MS分析における加熱方法の比較
通常、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)にて、各成分を分離して分析します。分析試料の大きさや形態(固体・液体・気体)によって装置への様々な導入方法があります。お客様の分析目的に対して、最適な分析方法をご提案いたします。
発生ガス分析事例
GC/MS分析によるシロキサンガスの定量比較
発生ガス分析の一例をご紹介します。クリーンルーム内の雰囲気空気を捕集し、加熱脱着-ガスクロマトグラフ質量分析法にて測定します。汚染のないクリーンルームからは有機成分は検出されないのに対し、汚染のあるクリーンルームからは、低分子環状シロキサン類を検出しています。このように、一定空間内の空気の汚染度をppbレベルで評価することが可能です。
クリーンルーム雰囲気のGC/MSチャート
検出量(ppb)
その他の発生ガス分析事例
FAQ
Q1 発生ガス分析と加熱発生ガス分析の違いは何ですか?
→ 発生ガス分析は常温や加熱で材料から放出されるガスを測定、加熱発生ガス分析は温度を制御しながらガス成分を評価します。
Q2 どのくらいの温度範囲で分析できますか?
→ 通常は室温〜950℃程度まで対応可能です。試料や目的により条件を調整します。
Q3 最小試料量はどのくらい必要ですか?
→ 0.1mg〜数g程度が目安です。形状や材質により異なるため事前相談を推奨します。
Q4 ppbレベルの微量成分も検出できますか?
→ GC/MSや加熱脱着法を用いることでppbレベルの検出が可能です。
Q5 どのような捕集法に対応していますか?
→ 吸着管、バッグ、ヘッドスペース、DHS(ダイナミックヘッドスペース)など複数の捕集法に対応しています。
Q6 JISやIECなどの規格に準拠した分析は可能ですか?
→ JIS K 7217やIEC 60754-2など、代表的な規格に準拠した条件での分析が可能です。
Q7 納期はどのくらいかかりますか?
→ 通常は試料到着後1〜2週間程度ですが、試験条件や試料数により変動します。
Q8 分析結果はどのような形式で提供されますか?
→ クロマトグラム、定性・定量結果、条件設定を含む報告書をPDFで納品します。



