活性酸素測定と抗酸化能評価サービス
スピントラップ法による活性酸素の測定と抗酸化能評価サービスをご紹介します。
活性酸素とは? 抗酸化能とは?
活性酸素は酸素が化学的に活性になった状態で、一般に非常に不安定で強い酸化力を示します。
狭義の活性酸素はスーパーオキシド(O2-、・OOH)、ヒドロキシルラジカル(・OH)、一重項酸素(1O2)、過酸化水素(H2O2)が挙げられます。 これら活性酸素はガンや心臓疾患、脳血管障害などの生活習慣病や老化につながる原因物質であると言われています。
この活性酸素の発生を抑制したり、生成した活性酸素を除去する能力のことを抗酸化能とよび、抗酸化能を有する物質を抗酸化物質と呼んでいます。
近年、さまざまな物質の抗酸化能が調べられており、お茶に含まれるカテキンといったポリフェノールやβカロチン、ビタミンEやCなども抗酸化性物質の中のひとつです。
活性酸素測定法・抗酸化能評価方法(スピントラップ法)
活性酸素のうち、スーパーオキシド(O2-)およびヒドロキシルラジカル(・OH)をついて、スピントラップ法と呼ばれる手法を用いて検出することができます。
スピントラップ法とは不安定なラジカルをスピントラップ剤とよばれる試薬と反応させたスピンアダクトという物質に変えて安定化し、ESRにより検出する方法です。 スピントラップ剤に5,5-ジメチル-1-ピロリン-N-オキシド(DMPO)を用いると、スーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカルはDMPOと反応し、 それぞれDMPO-OOHとDMPO-OHというスピンアダクトを生成します。(下反応式参照) DMPO-OOHとDMPO-OHを検出した際のESRスペクトルを下図に示します。 同じ4本線ですが、ピーク間隔や強度関係が異なることから、区別することが可能です。
この方法を用いればラジカルの有無の確認と定量が可能であり、発生やスペクトルが検出されれば、スーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカルが発生している可能性があることが言えます。 (紫外線を用いてラジカルを発生させる場合には別途クェンチング実験が必要です)
白金コロイドの抗酸化能評価(ヒドロキシルラジカル除去性能評価)
DMPOを用いたスピントラップ法により白金コロイド粒子による抗酸化能評価を行いました。
fenton(フェントン)反応により発生させたヒドロキシルラジカル(・OH)について、白金コロイド粒子を加えた時と加えない時のスピンアダクト量の比較により、抗酸化能を評価します。
評価時のESRスペクトルを下図に示します。
a)がラジカル発生のみ、b)が白金ナノコロイド粒子を安定化させる分散剤のみを添加した場合、c)が分散剤を含んだ白金ナノコロイド粒子を加えた場合です。b)の分散剤のみを添加した場合と比べて、 c)の白金ナノコロイドを加えた場合にはDMPO-OHアダクトが減少していることが分かります。
よって、白金ナノコロイド粒子の抗酸化能があることがわかりました。