半導体EMCとは?
これまでのノイズ評価は完成品・基板レベルでの評価が主流でしたが、近年半導体レベルでのノイズ評価を 要求されることがあります。半導体EMC評価は国内及び海外自動車メーカーの納入要件としても求められています。車載機器に対する半導体のEMC評価は、今や無視できない存在です。
ユーザとしても半導体のEMC特性を把握することで、セット商品の低ノイズ化や高耐性化を実現することが出来ます。
「AEC-Q100を要求された」や「IEC 61967って何?」など、初めてのお客様もお気軽にご相談ください。
国際規格(IEC 61967シリーズ、IEC 62132シリーズ)に基づく半導体EMC試験
半導体のEMC規格には、代表的なエミッション規格としてIEC 61967シリーズ、イミュニティ規格としてIEC 62132シリーズ,IEC 62215シリーズが制定されています。また、自動車用の半導体規格として、AEC-Q100や、BISS規格などがあります。評価の目的に応じて、適切な評価方法をご提案いたします。
IEC 61967シリーズ(エミッション規格)
規格番号 |
試験方法 |
概 要 |
---|---|---|
IEC 61967-1 |
General conditions and definitions |
用語の定義、評価基板の作成ルール |
IEC 61967-2 |
TEM-Cell and Wideband TEM-Cell Method |
TEMセル、またはGTEMセルを用いて、ICからの電磁界を測定 |
IEC 61967-3 |
Surface scan method |
電磁界プローブを用いて、ICの近傍電磁界を測定 |
IEC 61967-4 |
1Ω/150Ω direct coupling method |
グラウンドのリターン電流、またはポートの電圧を測定 |
IEC 61967-5 |
Workbench Faraday Cage method |
Workbench Faraday Cage (WBFC)を用いて、 |
IEC 61967-6 |
Magnetic probe method |
磁界プローブを用いて、ポートの電流を測定 |
IEC 61967-8 |
IC strip line method |
開放型ストリップラインを用いて、ICからの電磁界を測定 |
IEC 62132シリーズ(イミュニティ規格)
規格番号 |
試験方法 |
概 要 |
---|---|---|
IEC 62132-1 |
General conditions and definitions |
用語の定義、評価基板の作成ルール |
IEC 62132-2 |
TEM-Cell and Wideband TEM-Cell Method |
TEMセル、またはGTEMセルを用いて、ICに強電界を印加 |
IEC 62132-4 |
Direct RF power injection method |
容量性結合により、ポートに電流を注入 |
IEC 62132-5 |
Workbench Faraday Cage method |
Workbench Faraday Cage (WBFC)を用いて、 |
IEC 62132-8 |
IC strip line method |
開放型ストリップラインを用いて、ICに強電界を印加 |
評価事例のご紹介
- TEM-Cell and Wideband TEM-Cell Method (IEC 61967-2)
本試験法では、ICから放射される電磁界をTEMセル、またはGTEMセルにて測定します。 放射電磁界の向きによって測定値が変化するため、測定はプリント基板を90度づつ回転させて行います。 また、プリント基板の作り込みによっても、測定値が影響を受けるため、プリントパターンからの放射の影響を抑えたプリント基板設計が求められます。
- 1Ω/150 Ω direct coupling method (IEC 61967-4)
ICの各端子の伝導ノイズを測定する試験方法です。VDE法とも呼ばれます。
1Ω法と150Ω法との2種類の測定方法があり、1Ω法は、ICのGND端子へのリターン電流をシャント抵抗(1Ω)を用いて測定します。150Ω法では、ICのI/O端子の線路インピーダンスを150Ωに設定し、GNDとの電位差を測定します。
150Ω法は、部品置き換え時における商品レベルでのEMC評価項目が削減が期待できる、半導体部品の「EMC等価性評価」に利用可能です。
等価性評価については、下記のページをご参照ください。
- Direct RF power injection method (DPI)(IEC 62132-4)
ICの各端子に伝導ノイズを注入し、誤動作耐量を確認する試験方法です。
各周波数ごとに、伝導ノイズを最大5W(37dBm)まで注入し、正常動作する注入電力の最大値をプロットすることで誤動作耐量が確認できます。
DPI法は、部品置き換え時における商品レベルでのEMC評価項目が削減が期待できる、半導体部品の「EMC等価性評価」に利用可能です。
等価性評価については、下記のページをご参照ください。