電子部品の発熱解析
- 半導体の故障箇所が特定できない・・・
- プリント基板のどこかでショートしているようなのだが・・・
- チップコンデンサや抵抗の特性値が変化しているのだが・・・
電子回路の故障解析において、最も重要なポイントは速やかな故障箇所の特定です。 発熱解析は半導体のみならず、他の電子部品やプリント基板上の故障箇所の特定に有効な解析方法です。
プロダクト解析センターではロックイン発熱解析を用いることで、目に見えない故障部位を非破壊でスピーディーに特定いたします。
発熱解析による故障箇所の特定事例
1.プリント基板 導電性異物によるショート故障
解析上の課題:
- 大きなプリント基板は探索範囲が広く、また、導電性異物が小さい場合、顕微鏡で探すのが困難である。
- 異物が部品の影に隠れている場合、顕微鏡では発見できない。
解決方法:
- 発熱解析による広範囲観察。
- プリント基板や部品の表面に熱伝導した発熱分布の観察。
2.チップ積層セラミックコンデンサ クラックによるショート故障
解析上の課題:
- 部品を取り外すと熱などで故障原因が消失し良品化することがある。
解決方法:
- プリント基板に実装された状態で発熱解析を実施
3.半導体素子 マイグレーションによるショート故障
解析上の課題:
- 樹脂モールドを除去すると故障部位が消失し良品化することがある。
解決方法:
- 樹脂モールド上から発熱解析を行う。
4.チップ抵抗器 クラックによる抵抗値の上昇
解析上の課題:
- 顕微鏡観察など外観観察だけでは判別が難しい。
解決方法:
- 発熱解析の結果、抵抗器の半分に電流が流れていないことが判明
- 続いて、X線透過解析により、内部にクラックが発生していることを確認
5.プリント基板 内部のイオンマイグレーション(CAF)
解析上の課題:
- プリント基板内部のCAFは電気的ストレスや熱ストレス、応力を加えると、ショート箇所がオープンとなりやすく、良化することがある。
- プリント基板内部のマイグレーションは表面から観察が困難。
解決方法:
- 微小発熱を捉えるロックイン発熱解析による広範囲観察
6.プリント基板 内層のリーク
解析上の課題:
- 本事例のように多層基板の内層でリークが発生している場合は故障箇所の発見が難しい。
解決方法:
- 熱発生の時間的推移を可視化するロックイン発熱解析による広範囲観察
7.プリント基板 THB試験後の動作不良
解析上の課題:
- イオンマイグレーションの場合、テスターなどで電気的ストレスを加えると、ショート箇所がオープンとなり、良化することがある。
解決方法:
- 微小発熱を捉えるロックイン発熱解析による広範囲観察
ロックイン発熱解析とは
ロックイン計測法を用いた発熱解析は、位相情報の取得により、熱伝播の可視化を行います。
それにより、熱伝播の影響をを受けずに発熱源(故障部位)の高精度な特定が可能です。
ショート・リーク故障の場合はまず発熱解析をお勧めします。
- 単純な発熱解析から、樹脂溶解・断面研磨など加工が必要なサンプルまで、お客様の解析ニーズにお応えいたします。
- 立会いによる解析も可能です。お気軽にお問い合わせください。
費用について
費用は、解析内容によって変わりますので、お打ち合わせ後に正式な御見積書を発行いたします。各試験の目安の金額は以下となります。