樹脂中添加剤の定性・定量分析 受託サービス
樹脂製品の品質を安定させるには、添加剤の適切な管理が不可欠です。材料仕様が変更された場合や再生材(リサイクル材)の普及に伴い、耐久性や難燃性能の低下だけでなく、変色やクラックなどの不具合につながることがあります。
当センターでは、汎用樹脂(PE、PP、PS、ABS、PCなど)に含まれる各種添加剤の定性・定量分析まで一貫した受託分析サービスを提供しています。材料変更時の樹脂選定、品質確認、劣化評価、不具合解析など幅広い用途にご活用いただけます。
本ページでは、樹脂中の添加剤分析の概要、特徴、技術事例、よくある質問、費用・スケジュールをご紹介します。
添加剤分析の概要
当センターでは、各種添加剤について定性・定量分析を行い、含有成分の同定、含有量の評価、使用や経時変化による組成変化の把握を支援します。
わかること
- 含有されている添加剤の種類
- 各添加剤の含有量
- 使用、劣化による添加剤の変化傾向
主な用途
- 樹脂材料の品質安定性評価
- 添加剤量の把握
- 割れや変色などの不具合解析
- 長期使用品の劣化評価
対象サンプル例
- PE、PP、PS、ABS、PCなどの汎用樹脂
- リサイクル材
- 複合材
添加剤分析の特徴
特徴 1:幅広い添加剤に対応
酸化防止剤、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、可塑剤、難燃剤など、さまざまな添加剤の分析に対応しています。汎用樹脂からリサイクル材、複合材まで幅広く評価可能です。
特徴 2:目的に適した手法を選定
添加剤の種類や分析目的に応じて、前処理およびLC-MS、GC-MS、NMR、XRF、ICPなどの分析手法を選定します。対象成分に応じた最適なアプローチにより、効率的な分析を実施いたします。
特徴 3:定性・定量から結果解釈まで一貫対応
含有成分の同定(定性分析)だけでなく、含有量評価(定量分析)にも対応しています。さらに、得られた結果をもとに品質確認、劣化評価、不具合解析などの観点から解釈し、お客様の課題解決を支援します。
代表的な添加剤と主な分析手法
添加剤分析は以下のような場合に活用できます
- リサイクル材の添加剤量を確認したい
- 材料変更前後の成分差を把握したい
- 長期使用品の劣化度合いを評価したい
- クラック発生原因を調べたい
- 難燃性能低下の原因を調べたい
技術事例
LC-MSによるPP樹脂中の添加剤分析
ここでは、酸化防止剤や紫外線吸収剤、光安定剤の評価に広く利用されるLC-MSの分析事例を紹介します。
この事例では、新品および長期使用したポリプロピレン(PP)樹脂に含まれる添加剤を比較評価しました。いずれの試料からもフェノール系酸化防止剤(A)、リン系酸化防止剤(B)、2種類の光安定剤(C1、C2)が検出され、新品と比較して長期使用品では、全ての添加剤が減少していることが確認されました。
このように、添加剤分析により使用や経時変化による成分変化を把握できるため、樹脂材料の耐久性評価、品質安定性評価、劣化解析に活用できます。
LC-MS抽出クロマトグラム
(新品と長期使用品の添加剤のピーク強度比較)
LC-MSで分析可能な添加剤の例
LC-MSは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの有機系添加剤の分析に広く利用されています。当センターでは、汎用添加剤から各種メーカー製品(Irganox、Irgafos、Tinuvin、Cyasorb、アデカスタブシリーズなど)まで幅広い分析実績があります。掲載している添加剤は一例であり、掲載内容以外の添加剤についても対応可能ですので、詳細はお気軽にお問い合わせください。
その他の添加剤分析事例
当センターでは、LC-MS以外にも対象成分に応じた分析手法を用いて添加剤評価を行っています。
難燃剤の含有量評価
- 目的:難燃性能低下原因の調査
- 手法:XRF、ICP
- 結果:難燃剤含有量の低下を確認
可塑剤の定量評価
- 目的:樹脂中の可塑剤の調査
- 手法:GC、GC-MS
- 結果:硬度物性値との相関を確認
分散剤の構造解析
- 目的:未知分散剤の同定
- 手法:NMR、LC-MS (ESI-MS)
- 結果:化学構造、組成比および分子量を確認
よくあるご質問(FAQ)
- 必要な試料量はどれくらいですか?
- 目安は1~5g程度です。ペレット、フィルム、成形品などに対応します。分析内容によっては、より少量の試料でも評価可能な場合がありますので、試料量が限られている場合もお気軽にご相談ください。
- 簡易的な定量評価は可能ですか?
-
はい、可能です。標準品を用いた定量分析以外にも、相対比較による評価にも対応しております。
サンプルの状態やご要望に応じて最適な定量手法をご提案いたします。
- 劣化した製品や使用済み品でも分析できますか?
- はい、可能です。新品との比較により添加剤の減少や組成変化を評価し、劣化原因の解析に活用できます。対象材料、使用期間、使用環境、比較対象の有無をご共有いただくと、分析方法をご提案しやすくなります。
- 添加剤名が分からなくても分析できますか?
- はい、可能です。添加剤名が不明な場合でも、分析目的や対象材料の情報をもとに適切な分析方法をご提案します。未知成分の探索や主要添加剤の推定評価にも対応可能です。
- 定性分析と定量分析の違いは何ですか?
- 定性分析では「どのような添加剤が含まれているか」を評価します。定量分析では「どの添加剤がどれくらい含まれているか」を評価します。分析目的に応じて適切な評価方法をご提案します。
費用・スケジュール
費 用
- 試料数、対象成分数、前処理方法、分析方法などにより変動しますので、詳細はお問い合わせください。
スケジュール目安
- お問い合わせ後、内容確認:1〜2営業日
- 分析内容の決定・見積提示:1営業日〜
- 分析・報告:5営業日~
*案件の内容により変動します。緊急案件は事前相談により短納期対応も可能です。
関連情報
添加剤分析を含む、有機材料の各種分析サービスをご紹介します。
高分子材料の分子量や分子量分布を測定し、材料特性との相関や劣化度合いを評価します。
樹脂製品などの破断面を観察し、破壊やクラックの原因を調査します。
添加剤分析のご相談・委託をご検討中の方へ
お問い合わせの際は、以下の内容をご共有いただくとスムーズです。
- 対象材料(樹脂種など)
- 分析目的(定性・定量・劣化解析など)
- サンプルの履歴(新品・使用品・リサイクル材など)
対象材料や知りたいことをお知らせいただければ、測定可否と概算(費用・納期)をご提示し、最適な測定方法をご提案します。評価内容が明確でない場合でも、整理前の段階からご相談いただけます。まずは概算検討レベルでも問題ありません。
初めて添加剤分析をご検討の方でも安心してご相談いただけます。