樹脂耐久性評価
「樹脂の耐久性に不安はありませんか?」
プロダクト解析センターでは、基礎物性評価から短期寿命予測・劣化診断サービスまで樹脂長寿命化のサポートをいたします。
樹脂長寿命化に対する当社のソリューション
近年、資源循環や脱炭素を行いながら、経済成長を目指す「サーキュラーエコノミー」社会の実現に向け、当社グループ含め、国内外で様々な取り組みが進められております。ここでは、樹脂長寿命化やサステナブルに対する当社のソリューションをご紹介いたします。
- 製品長寿命化のための短期寿命予測サービス
- サーキュラーエコノミーを加速する、劣化診断サービス
樹脂の長寿命化に伴い、今まで以上に長く、繰り返し使用することになります(ロングライフ化)が、材料ごとの寿命を適切に把握することがますます重要になってきます。
ただし、使われ方によって劣化状態が異なるため、リユースの場合は製造経過年数から判断するのでは不十分です。そこで、高信頼性を確保しながら、定量的な判断基準を作り、その時々の状態や余命を予測するといったことが求められます。
<寿命予測・劣化診断サービス例>
- 中古製品や部品の再利用といったリユース残価設定
- リファービッシュの効率化
- 廃棄された製品から材料を再利用するマテリアルリサイクルの適正受け入れ
- 市場トラブル品の劣化解析
- 上市後の定期メンテナンスサービス etc.
樹脂の短期寿命予測サービス
樹脂は紫外線や熱、風雨などの環境にさらされると劣化します。劣化が進行すると、強度低下など不安全になりクレームなどのトラブルになることもあり、使用する前に寿命を予測することが重要となります。
しかしながら、実際の環境では強度低下に至るまでに数十年の期間を要することが多く見受けられます。
そこで、加速試験により短期間で劣化を再現することが求められますが、科学的根拠なく、見よう見まねで実験しても危険な予測となってしまうことが懸念されます。
当社では、過去の豊富な受託経験に基づくノウハウにより最適な加速条件をご提案いたします。
さらに、変化が非線形で寿命予測の難しい強度劣化の代替パラメータを活用し、科学的根拠に基づく、より短期間での寿命予測を提案いたします。
<樹脂劣化代替パラメータ例>
※カルボニルインデックス(CI):FT-IRを用いた樹脂劣化に伴うカルボニル基の発生量
※酸化誘導時間(OIT):熱分析を用いた酸化反応が開始する時間
樹脂の劣化診断サービス
非破壊で簡単に劣化を診断できる、当社独自のソリューションをご紹介いたします。
光学スペクトルと劣化指標を機械学習で紐づけた劣化診断モデルを用いて樹脂の余命・物性値などを予測することが可能です。
劣化診断用モデルは、種々の分光測定と診断したいOutputを独自のアルゴリズムを用いた機械学習で紐づけ、予め作成しておきます。劣化診断の際は、分光測定による光学スペクトル取得(Input)のみで、簡単・迅速・非破壊にOutputを得ることが可能となります。
使用する分光測定としては、どこでも持ち運びが可能なポータブル型、或いはハイパースペクトルカメラを活用したイメージング評価による面内の分布把握、製品形状での診断など、用途に応じたご提案をさせて頂きます。
分光測定に使用している光源についても用途や目的によっても使い分けいたします。樹脂の劣化状態把握には、内部への透過性も考慮し、近赤外光を主としてスペクトル取得を行っております。
劣化診断用データベースの構築
当センターでの長年のノウハウに基づく各種環境試験を用いた樹脂の劣化状態を短期間で再現、寿命予測を行うことで、劣化診断用データベースを構築致します。
また、劣化状態と科学的に紐づくパラメータの選定、機械学習による科学的根拠を抽出、機序解明を併せて行うことで、複雑な劣化挙動を示す材料への適用もワンストップで対応可能です。
既にスペクトルデータや物性データをお持ちの場合、劣化診断サービスのみも承ります。
事例1 リサイクル樹脂の劣化診断
バージン材に比べ、リサイクル樹脂のグレードによっては、熱履歴や異物混入による物性低下が懸念されます。そこで、グレード毎のスペクトルデータと強度や衝撃値などの物性値を機械学習で紐づけ、劣化診断モデルを構築した事例です。
このように判定値を下回る不合格品をリアルタイムに選別することが可能となり、リサイクル樹脂の適正受入れや工程検査の簡略化につながります。樹脂の選別技術にご興味あれば、お気軽にお問合せ下さい。
- リサイクル樹脂の適正受け入れ
- 工程検査の簡略化
- リサイクル樹脂活用による企業価値向上
事例2 繰り返し負荷による累積疲労の劣化診断
樹脂の破断に至るまでの累積疲労損傷度を予測値として、劣化診断モデルを構築した事例です。
長期間にわたる繰り返し負荷にて、疲労破壊に至るまでの余命が非破壊で把握できる為、定期点検時の補強や部品交換、適切な管理や定量的な予防策が可能となります。非破壊での迅速な劣化診断にご興味あれば、お気軽にお問合せ下さい。
- 定期点検時の補強や部品交換
- 適切な管理や定量的な予防策