接着剤の耐久性評価
「製品の耐久性に不安はありませんか?」
プロダクト解析センターでは、基礎物性評価から劣化寿命予測まで、必要に応じたモノづくりのサポートをいたします。
接着剤の劣化寿命予測
接着剤および接着接合部は、様々な外部因子によって劣化することが想定されます。
劣化に影響を及ぼす因子としては、化学的損傷に位置付けられる熱、水分、光、薬品などや、
物理的損傷に位置付けられる疲労、温度サイクル、クリープなどが考えられます。
プロダクト解析センターでは接着接合部の強度試験だけでなく、実際の製品を想定した劣化試験を行うことで、経年劣化後の強度低下や接着剤の寿命予測を行っております。
長期使用後の接着強度の低下を理論的に予測します!
プロダクト解析センターの寿命予測はここが違います!
・理論式に基づいた寿命予測
・各種劣化分析も活用した根拠のある寿命予測※
※分析には別途費用が掛かります。
- どのような試験を行ったら良いかわからないというお客様にも、しっかりとした事前打ち合わせを行い、適切な試験方法をご提案いたします。
- 自前の設備も利用して、一部の試験のみ解析センターで実施したいといった要望にもお答えいたします。
- サンプル作成や必要材料の調達も全てお受けできますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
接着剤強度試験
接着剤の耐久性評価において重要である接着強度については、JISに基づいた一般的な試験から実際の製品をそのまま評価したいといった要望まで、出来る限りご希望にお応えして評価いたします。
低温~高温雰囲気下(-40℃~200℃対応)での強度試験やひずみ分布の測定などの特殊試験も実施しております。
- 湿度環境下での強度試験にも対応しました。
- 試験片の作成も可能です(JISK6850 接着剤の引張りせん断接着強さ試験方法 など)
- ロードセル:500N、5kN、10kN、20kN
「前処理の重要性」
接着剤の説明書を見ると、「表面をきれいにふき取って」のような記載がありますよね?これは接着したいものの表面が汚れていると、界面での接着が阻害されてしまい、強度が出ないためです。前処理もアルコールでの脱脂やプラズマ処理まで、複数の手法があります。どのような前処理で接着したらよいのか、お困りでしたらお気軽にご相談ください。
「接着力を見極める」
接着剤は「面」でものを接合します。それなら広い面積を取れば大丈夫なのでしょうか。右の動画は板を接着剤で貼り付けたものを引張った時の、ひずみの分布を測定したものです。このように、面で接着していても応力集中が発生する形状だと面積に比例した接着強度は得られません。強度試験においても、このような特徴を理解して実施することが大切です。
寿命予測の事例1:温湿度加速による寿命予測
接着接合部は時間の経過とともに性能が低下(経年劣化)します。
原因は接着剤界面への水分侵入による強度低下、加水分解や酸化による接着剤そのものの強度低下
と言われており、当社では理論式に基づいた寿命予測を行っています。
アレニウス法は、ある温度での化学反応速度を予測する手法として広く用いられています。
加速試験から得られるアレニウスプロットを用いて、接着強度の寿命を予測します。
「加速試験の条件設定のコツ」
温度や湿度を高く設定することで樹脂劣化は早く進行しますが、
加速性を優先しすぎて設定範囲を誤ると、実際の使用環境下での経年劣化と異なる劣化モードとなる可能性が考えられます。
当社では、豊富な寿命予測経験から最適な条件を提案いたします。
その他、最適な寿命予測手法を提案いたします。
- アイリング法
- 絶対湿度モデル
- 10℃2倍則
寿命予測の事例2:温度サイクル(熱衝撃)寿命予測
異種材料を接合できるということは接着接合のメリットの一つです。
それによる副作用が熱応力・熱疲労による破壊です。
材料には固有の熱膨張係数(温度による寸法変化)があり、
異なる材料を接合して温度変化があるような系では接合部に負荷がかかります。
当社では温度サイクル試験により、
このような負荷を繰り返すことによる接着強度の低下、疲労寿命を予測しております。
エスペック製熱衝撃試験機
温度:低温側-70℃~0℃
高温側+50℃~+200℃
方式:気相式
関連技術:疲労寿命ソリューション
寿命予測の事例3:クリープ寿命予測
製品に負荷される荷重に一時的に耐えられても、長期間負荷が続くと破断してしまうことがあります。
当社ではクリープ試験機を用いたクリープ寿命予測を行っております。
温度と荷重を変えたクリープ試験を実施し、得られた破断時間との関係を1本のマスターカーブに変換します。それにより、「どの程度の荷重」で、「どのような温湿度環境において」、「何年後に破断するか」予測が可能です。逆に、設計年数に耐えられる荷重値の予測も可能です。
安田精機製クリープテスター
荷重:1N~300N
温度:常温~150℃
湿度:30~90%RH
備考:6サンプルまで同時試験可能
ラーソン・ミラーパラメータ法に基づき、マスターカーブを作成します。複数のサンプルで温度を振った試験を行い、得られた荷重と破断時間の関係から1つの実験式を導きます。
それにより、クリープ寿命を予測します。
「材料によるクリープ性の違いは?」
金属のクリープ現象は高温でないと進行しにくいといわれていますが、
樹脂は常温でも進行するものがあります。また、接着剤のクリープは接着剤そのものの変形に加え、界面への水分侵入による剥がれの影響等があり、複雑です。
当社のクリープ試験機は湿度制御も可能なので、幅広いケースに対応しております。
その他、ひずみ速度を算出し、クリープシミュレーションを実行するためのパラメータ導出も行っております(ノートン則に基づく)。
寿命予測の事例4:疲労寿命予測
振動等、負荷が繰り返しかかる部分は疲労します。
構造体の破壊の大半は疲労により生じるといわれています。
当社では一般的な疲労試験機能に加え、温湿度制御可能な疲労試験機を導入しております。
接着耐久性で懸念される湿度の影響・熱応力の影響を複合的に試験可能です。
寿命予測は下記のような理論に基づいて評価を行っております。
- (修正)マイナー則
- 累積損傷則
- コフィン・マンソンの式
恒温恒湿槽付疲労試験機
温度制御:-40~180℃
湿度制御:30~90%RH
温度サイクル可
関連技術:疲労耐久ソリューション
依頼の流れ
「よくある質問」
Q. 費用は?
A. ご提案させていただく内容により上下しますが30万~提案させて頂きます。
Q. 寿命予測にサンプルはいくつ必要?
A. 抜き取り試験のため、複数個(10~100個程度)準備が必要です。
Q. 寿命予測に必要な期間は?
A. 内容により上下しますが2か月前後のケースが標準です。
Q. サンプルは作成できる?
A. 前処理が重要なので、基本お客様にお願いしておりますが、
当社で再現可能な場合は承ります。