接着剤の耐久性評価

接着剤の耐久性評価とは、温度・湿度・光・薬品・応力・繰り返し負荷などの外部因子によって生じる接着強度の低下や破壊挙動を評価し、実使用環境における寿命を予測するための試験・解析です。
プロダクト解析センターでは、単なる材料試験にとどまらず、実製品・実使用条件を想定した評価設計を行うことで、製品開発・設計段階における信頼性確保を支援する受託評価サービスを提供しています。

プロダクト解析センターの接着剤評価はここが違います!

提案力

これまで数多くのパナソニック製品の評価を行ってきた経験とノウハウを活かし、使用環境や用途に応じた最適な試験方法を提案いたします。

提案力

これまで数多くのパナソニック製品の評価を行ってきた経験とノウハウを活かし、使用環境や用途に応じた最適な試験方法を提案いたします。

対応力

単純な試験だけでなくご要望に応じたテストピース作製や、実際の製品では実施が難しい評価についてもご相談を承っております。
ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

対応力

単純な試験だけでなくご要望に応じたテストピース作製や、実際の製品では実施が難しい評価についてもご相談を承っております。
ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

「製品の耐久性に不安はありませんか?」
プロダクト解析センターでは、基礎物性評価から劣化寿命予測まで、必要に応じたモノづくりのサポートをいたします。

接着剤の耐久性評価とは(概要)

接着剤および接着接合部は、使用環境下において以下のような要因で劣化が進行します。

  • 熱、温度変化(高温/低温/温度サイクル)
  • 湿度、水分
  • 光、オゾン
  • 薬品
  • 振動、繰り返し荷重(疲労)
  • 長時間荷重(クリープ)

これらの因子により、接着強度の低下、剥離、クラック、破断が生じ、最終的には製品寿命に至ります。
耐久性評価では、これらの劣化挙動を試験により再現し、時間軸を含めた寿命予測を行います。

長期使用後の接着強度の低下を理論的に予測します!

関連技術:耐候性試験   

劣化の進行(熱・温度→温度サイクル→光・オゾン→薬品→水分・湿度→振動・クリーブ)

プロダクト解析センターの寿命予測はここが違います!

・理論式に基づいた寿命予測
各種劣化分析も活用した根拠のある寿命予測※
※分析には別途費用が掛かります。

評価で得られること

  • 最適な接着剤の選定
  • 〇年後も必要な接着強度を維持できるかを予測
  • 使用温度●℃での想定寿命(■年)
  • 接着剤の繰り返し負荷による壊れるまでの回数を予測(S-N曲線)
  • 温度変化を模擬した繰り返し負荷による配線の抵抗値推移を予測
  • 長期間の一定荷重で壊れる時間を予測(クリープ破断寿命)
  • 実使用環境を考慮した複合的な劣化の予測
  • 温度、湿度、荷重など各因子の影響度予測
  • 実使用環境に対する安全率の算出
  • AE計測による壊れる前の異常を検知
  • 劣化、破壊メカニズムの推定(界面破壊 / 凝集破壊など)
  • 高温、高湿、加圧加速試験による短期寿命予測

評価対象

接合・固定材料
・接着剤(エポキシ、アクリル系など)
・両面テープ
シール・保護材料
・シーリング剤
・封止材/コーティング材
電子基板・配線構造
・FPC(配線、異種材多層構造)
・PCB(配線、異種材多層構造)

FPC (Flexible Printed Circuit):フレキシブル基板  
PCB (Printed Circuit Board):プリント基板(リジット基板)
AE (Acoustic Emission):アコースティックエミッション

当センター耐久性評価の特徴

・試験方法の検討から支援
どのような耐久性試験を行えばよいかわからない場合でも、事前打ち合わせを通じて、製品用途・使用環境に応じた最適な試験方法をご提案します。
・パナソニックグループで培った車載、家電など実製品評価の豊富な実績と知見
グループ内で蓄積してきた評価ノウハウと実績を有しており、特に接着接合部の物性・耐久性評価に豊富な経験があります。
・多様な試験設備を活用した実使用環境を模擬した評価
恒温恒湿槽、強度試験機、疲労試験機、クリープテスターなど関連設備を多数保有しており、これらを組み合わせることで、複合要因を加味した実使用環境に近い条件での耐久性評価が可能です。
・部分委託・持ち込み評価にも柔軟に対応
お客様の自前設備を活用しつつ、一部の試験・解析のみ当センターで実施するといったご要望にも対応します。
・サンプル作製から評価まで一括対応・短納期
サンプル作製や治具作製を含めた一括対応が可能で、短納期での評価にも柔軟に対応します。
項目(一例) 一般的な接着剤の評価 当センターの耐久性評価
評価目的 初期接着強度の確認 使用年数を考慮した寿命予測
接着剤選定 強度の大小による判断 使用環境・寿命要件を踏まえた最適材選定
安全率算出 経験則に依存 実使用環境に対する安全率を算出
寿命予測 評価時点のみ 理論式を用いた寿命予測
想定劣化モード 単一条件での評価 複合要因を加味した劣化評価
疲労試験 破断の有無を確認 AEを用いた損傷前兆の検知
報告内容 測定データの提示 評価結果に基づく改善提案

AE (Acoustic Emission):アコースティックエミッション

接着剤の耐久性評価に用いる強度試験

接着剤の耐久性評価において重要である接着強度については、JISに基づいた一般的な試験から実際の製品をそのまま評価したいといった要望まで、出来る限りご希望にお応えして評価いたします。
低温~高温雰囲気下(-40℃~200℃対応)での強度試験やひずみ分布の測定などの特殊試験も実施しております。

  • 湿度環境下での強度試験にも対応しました。
  • 試験片の作成も可能です(JISK6850 接着剤の引張りせん断接着強さ試験方法 など)
  • ロードセル:500N、5kN、10kN、20kN
接着サンプルの作成
接着サンプルの作成
引張せん断接着強度試験
引張せん断接着強度試験

コラム

「前処理の重要性」

接着剤の説明書を見ると、「表面をきれいにふき取って」のような記載がありますよね?これは接着したいものの表面が汚れていると、界面での接着が阻害されてしまい、強度が出ないためです。前処理もアルコールでの脱脂やプラズマ処理まで、複数の手法があります。どのような前処理で接着したらよいのか、お困りでしたらお気軽にご相談ください。

コラム

「接着力を見極める」

接着剤は「面」でものを接合します。それなら広い面積を取れば大丈夫なのでしょうか。右の動画は板を接着剤で貼り付けたものを引張った時の、ひずみの分布を測定したものです。このように、面で接着していても応力集中が発生する形状だと面積に比例した接着強度は得られません。強度試験においても、このような特徴を理解して実施することが大切です。

ひずみの分布

寿命予測の事例

 寿命予測の事例1:温湿度加速による寿命予測

接着接合部は時間の経過とともに性能が低下(経年劣化)します。
原因は接着剤界面への水分侵入による強度低下、加水分解や酸化による接着剤そのものの強度低下
と言われており、当社では理論式に基づいた寿命予測を行っています。

アレニウス法は、ある温度での化学反応速度を予測する手法として広く用いられています。

化学反応速度を予測 計算式

加速試験から得られるアレニウスプロットを用いて、接着強度の寿命を予測します。

接着強度の寿命を予測

コラム

「加速試験の条件設定のコツ」

温度や湿度を高く設定することで樹脂劣化は早く進行しますが、
加速性を優先しすぎて設定範囲を誤ると、実際の使用環境下での経年劣化と異なる劣化モードとなる可能性が考えられます。
当社では、豊富な寿命予測経験から最適な条件を提案いたします。

その他、最適な寿命予測手法を提案いたします。

  • アイリング法
  • 絶対湿度モデル
  • 10℃2倍則
恒温恒湿器
恒温恒湿器

 寿命予測の事例2:温度サイクル(熱衝撃)寿命予測

異種材料を接合できるということは接着接合のメリットの一つです。
それによる副作用が熱応力・熱疲労による破壊です。
材料には固有の熱膨張係数(温度による寸法変化)があり、異なる材料を接合して温度変化があるような系では接合部に負荷がかかります。
当社では温度サイクル試験により、このような負荷を繰り返すことによる接着強度の低下、疲労寿命を予測しております。

負荷を繰り返すことによる接着強度の低下、疲労寿命を予測
関連技術:疲労寿命ソリューション

エスペック製熱衝撃試験機
温度:低温側-70℃~0℃
高温側+50℃~+200℃
方式:気相式

関連技術:温度サイクル試験

  寿命予測の事例3:クリープ寿命予測

製品に負荷される荷重に一時的に耐えられても、長期間負荷が続くと破断してしまうことがあります。
当社ではクリープ試験機を用いたクリープ寿命予測を行っております。
温度と荷重を変えたクリープ試験を実施し、得られた破断時間との関係を1本のマスターカーブに変換します。それにより、「どの程度の荷重」で、「どのような温湿度環境において」、「何年後に破断するか」予測が可能です。逆に、設計年数に耐えられる荷重値の予測も可能です。

クリープ進行のイメージ

安田精機製クリープテスター
 荷重:1N~300N
 温度:常温~150℃
 湿度:30~90%RH
 備考:6サンプルまで同時試験可能

矢印
クリープ進行のイメージ
クリープ進行のイメージ

ラーソン・ミラーパラメータ法に基づき、マスターカーブを作成します。複数のサンプルで温度を振った試験を行い、得られた荷重と破断時間の関係から1つの実験式を導きます。
それにより、クリープ寿命を予測します。

試験結果のイメージとマスターカーブのイメージ

コラム

「材料によるクリープ性の違いは?」

金属のクリープ現象は高温でないと進行しにくいといわれていますが、樹脂は常温でも進行するものがあります。また、接着剤のクリープは接着剤そのものの変形に加え、界面への水分侵入による剥がれの影響等があり、複雑です。
当社のクリープ試験機は湿度制御も可能なので、幅広いケースに対応しております。

その他、ひずみ速度を算出し、クリープシミュレーションを実行するためのパラメータ導出も行っております(ノートン則に基づく)。

  寿命予測の事例4:疲労寿命予測

振動等、負荷が繰り返しかかる部分は疲労します。
構造体の破壊の大半は疲労により生じるといわれています。
当社では一般的な疲労試験機能に加え、温湿度制御可能な疲労試験機を導入しております。
接着耐久性で懸念される湿度の影響・熱応力の影響を複合的に試験可能です。

寿命予測は下記のような理論に基づいて評価を行っております。

  • (修正)マイナー則
  • 累積損傷則
  • コフィン・マンソンの式
恒温恒湿槽付疲労試験機
疲労寿命曲線(S-N曲線)の例

恒温恒湿槽付疲労試験機
温度制御:-40~180℃
湿度制御:30~90%RH
温度サイクル可

疲労寿命曲線(S-N曲線)の例

関連技術:疲労耐久ソリューション

ご依頼の流れ

試験のご依頼から報告までの流れ

  1. ヒアリング・試験企画
  2. サンプル作製
  3. 各種耐久性試験
  4. 寿命予測・評価報告書提出 (目安期間:数週間〜3か月程度)
依頼の流れ ヒアリング試験企画 → サンプル作成 → 各種試験 → 寿命予測報告書の提出

よくある質問

寿命予測にはどれくらいのサンプル数が必要ですか?
抜き取り試験の為、複数個(10〜100個程度)の準備が必要です。
寿命予測に必要な評価期間はどのくらいですか?
内容により異なりますが、2か月前後のケースが標準です。なお、お客様のご希望納期に応じて、可能な限り柔軟に対応いたします。
サンプル作製も依頼できますか?
前処理が重要なため、基本はお客様にお願いしておりますが、当社で再現可能な 場合は承ります。
実製品での試験は可能ですが?
内容によっては、治具等を作製する場合がありますが、対応可能です。
試験条件の提案から対応いただけますか?
実使用環境を踏まえた試験条件のご提案から対応可能です。

費用感・お問い合わせ時の確認事項

費用感

評価内容や試験条件により費用が異なります。

  • 室温での接着強度評価:10万円~~
  • 温度加速試験による寿命予測:50万円~
  • 複合劣化を加味した寿命予測:100万円~

ご予算に応じた試験内容のご提案も可能です。まずはお気軽にご相談ください。

 

お問い合わせ時の確認事項

お問い合わせの際、可能な範囲で以下の情報をご共有いただけると、試験内容の検討や条件設定をよりスムーズに進めることができます。

  • 評価対象物:対象物のサイズ、形状、使用材料(被着体 / 接着剤など)
  • 想定する試験条件:温度、湿度、荷重、繰り返し回数など、想定している使用環境や条件
  • 材料に関する情報:ガラス転移点(Tg)、融点、材料メーカー情報などの物性データ
  • 知りたい内容・評価目的:例:候補材料の比較・選定、接着部の耐久性評価、寿命予測 など