SPIDERの導入事例

事例1 美容スチーマーでのプレ検証

【プレ検証の目的】

  • マエダシ検討会において、ケーブルの引回しがノイズ問題の大きな要因として挙がった。
  • 次機種でノイズ問題を起こさないように、ケーブルの設計仕様を作りたい

【実施内容】

マエダシ検討会で挙がった前機種のケーブル部分に対して近傍磁界測定を実施し、ノイズ問題のメカニズムを推定する。 そのメカニズムに基づき、ノイズ問題を引き起こさない閾値(理論値)を設定し、次機種のケーブル設計仕様を作成する。

STEP1 近傍磁界分布の測定

  • 周波数帯域毎の磁界強度から、ノイズ要因を特定する。
148MHz帯域で、特定のケーブルにノイズ電流が集中 148MHz帯域で、特定のケーブルにノイズ電流が集中
148MHz帯域でケーブルEが最大値を示したため、ケーブルEに着目して許容結合量を設定 148MHz帯域でケーブルEが最大値を示したため、ケーブルEに着目して許容結合量を設定

STEP2 ケーブル設計仕様の設定

  • 結合許容量から、線間隔、および平行配線可能な長さの許容値を決定する。
148MHz帯域でケーブルEが最大値を示したため、ケーブルEに着目して許容結合量を設定 148MHz帯域でケーブルEが最大値を示したため、ケーブルEに着目して許容結合量を設定

近傍磁界の測定結果、およびノイズ問題からケーブルの許容結合量を45 dBuVとして、ケーブル設計仕様を決定した。

ケーブル設計仕様:平行配線長 l < 40 mm 、かつ ケーブル間隔 d > 10 mm

事例2 エンターテインメントシステムでのミニ検討会

【ミニ検討会の目的】

  • マエダシ検討会において、ガスケット追加など7つの後付のEMC対策を未然防止するため、34項目の機構に関するアトオシリストを作成。
  • EMC品質を確保するため、電気部門だけでなく、機構部門を巻き込んだ取組みをしたい。

【実施内容】

  • 電気部門だけでは対応できない筐体やシールド構造の検討の場に機構部門の技術者が参画することで、後付のEMC対策を無くすためのアイデアを具現化。
  • マエダシ検討会で挙がった設計アイデアの中から、筐体やケーブルに関するものに対して、ミニ検討会を開催。6つの設計アイデアを盛り込み、コストダウン(▲705円/台)と、EMC対策工数の削減(▲112時間)を実現。
ミニ検討会の様子

具体化された設計仕様

DRヒット項目

設計仕様

機構
DR
7件

筐体の外側の隙間は小さいか

漏れ出し対策としては、構造上でオーバーラップさせる

測定方向に隙間はないか

隙間を塞ぐ構造に変更

ダイキャストと板金の接続は十分か

構造上でオーバーラップさせる

シールドの隙間は問題ないか

シールドカバー、トッププレートの隙間を塞ぐ構造に変更

パネル開閉部のGND強化は十分か

GND強化の構造に変更

接続する箇所/浮かす箇所は安定しているか

ケーブルのシールドは配慮されているか

Etherと他のケーブルを分けた仕様に変更する

事例3 AVシステム機器でのマエダシ検討会

【マエダシ検討会の開催の背景】

  • EMC設計力強化により対策コストを削減したい
    ⇒高解像度化、小型化、メッキレスキャビ化により、対策工数が増大
    ⇒バラツキが大きく、最終対策までに時間が掛かる。
    ⇒開発機種数の増加、日程短縮のため、EMC検討に十分な時間がとれない。
  • 機種固有の対策が多く、EMC設計ノウハウの蓄積が難しい

【実施内容】

  1. 前機種のEMC起因の9件の変更履歴を基にして、設計アイデアを19個を抽出。
  2. 共通ノウハウと組み合わせて、最終的に73項目のアトオシリストを作成

ポイント 1

EMC対策による変更履歴と対策部品リストから設計アイデアを抽出できた。

  • EMCが悪化した要因は何か?
  • それをマエダシして、対策部品を削除できるか?

ポイント2

 

その結果、対策部品の削減目標を設定できた。