接着AI診断
「接着の材料選定でお困りではありませんか?」
プロダクト解析センターでは、接着の破壊モード予測から、接着強度予測まで、必要に応じたモノづくりのサポートをいたします。
接着AI診断
接着剤による接合は、強度が弱い、あまり信頼できないものというイメージがあります。しかし、接着接合は高強度の実現も可能ですし、長期間の耐久性が要求される車載用途でも実績を増やしつつあります。また、接着剤を用いると、ボルトや溶接などの他の接合方法と比較して、小型軽量化や異種材の接合が可能、仕上がりの美観が良いというメリットがあります。
一方、接着剤と被着体の相性や被着体の表面処理によっては十分な接着強度が得られない場合もあります。一般的に接着強度を確保するうえで、破壊モードが凝集破壊(接着剤で破断)であることが望ましいと言われています。界面破壊(界面で破断)の場合は、凝集破壊と比較して表面状態の制御が必要になるため、また、接着強度が接着剤自体の強度より低くなっているためです。
そのため、接着の信頼性を確保するためには、破壊モードが凝集破壊であることが大切です。
このように接着の破壊モードを把握することは重要です。破壊モードを把握する方法として今までは、経験に頼るか、あるいは実際に多くのサンプルを試作し、強度試験により破壊モードの確認を行うことになりますが、試験で確認する場合、多くの時間と費用がかかっていました。
そこでプロダクト解析センターでは試験を行うことなく、AIにより接着の破壊モードを診断する接着AI診断アプリを開発しました。接着剤の種類、被着体の材料、表面処理条件などを入力することで、凝集破壊するかどうかを診断いたします。また、破壊モードだけでなく、接着強度をアウトプットとすることも可能です。
プロダクト解析センターの接着AIはここが違います!
AIは学習させるための教師データが必要です。ところが、実際はデータに欠損があったり、守秘義務で流用することができないデータがほとんどです。そこで、プロダクト解析センターでは接着性への寄与度が高いと考えられるパラメータを事前に検討し、約6000の強度試験データを独自に取得いたしました。
その中には、過去の豊富な寿命予測経験を活かして取得した、劣化相当品の強度データも約2000含まれております。 本技術は、プロダクト解析センターでしか取得できない大量の試験データの上に成り立っています。
ご利用の流れ
接着AI診断アプリの使用方法を下図に示します。まず候補の接着剤と被着体に関するデータをデータシートなどから入手します。得られたデータを接着AI診断アプリに入力すると、AIが予測した破壊モードや接着強度(重ね合わせ接手を想定した破断応力)を出力いたします。
AIが予測した破壊モードや接着強度は商品開発時の接着材料選定の指針となり、開発期間の短縮につながると期待できます。
また、ご要望ありましたら特定の接着剤や被着体についても、AIデータ取得からAI診断アプリの構築まで可能です。
活用の仕方
接着AI診断アプリはこれから接着剤を検討する方にとって、強力なツールとなりえます。 実際に試験をすることなく、短期間で適用できそうかの判断に使用できます。
接着が適用できそうだと判断できたら、従来よりご利用いただいております、
接着寿命予測ソリューションをご活用いただき、根拠のある耐久性データの取得をしていただけます。
「よくある質問」
Q. 費用は?
A. お打合せでデモさせていただく時点では無料です。
実際に結果をお渡しする段階では、データ数に応じて3万円~頂戴しております。
Q. 異種材料を接合したいが
A. 2種類の被着体それぞれで診断を行います。
両方で凝集破壊率が満足できれば接着適用可能と判断できます。
Q. 凝集破壊率とは何の確率?
A. 接着面積の50%以上が凝集破壊である場合を凝集破壊、
それ以下を界面破壊と定義し、その接着条件が凝集破壊になりうる確率のことです。
Q. 凝集破壊率は何%あればよい?
A. 厳密な解はござません。接着剤スクリーニングの相対比較としてご利用ください。
Q. リストにない接着剤/被着体を予測したいが。
A. あくまで参考となりますが、SP値が近い材料で代替評価が可能です。
SP値:溶解パラメータ。溶媒の溶解挙動を示す数値。
SP樹脂と溶剤のSP値が近いほど溶解性が高くなります。
Q. 長期的な信頼性も予測できる?
A. 現在開発中(データ収集)です。
Q. ほかにも考慮すべきパラメータがある?
A. パラメータの追加は可能です。
既存の学習済みモデルへの追加も可能ですし、新規のモデル構築も支援いたします。
Q. 形状はせん断のみ?
A. 現状はせん断のみです。今後、様々な形状に対応すべく開発中です。