統計解析
クラスター分析(cluster analysis)
多変量解析の1つで、サンプル(データの集まり)を類似度(距離)によって、いくつかのグループ(クラスター)に分けるデータ分析/分類手法です。 多数のサンプルを、特徴ごとにいくつかのグループに分類し、グループ毎の分析を行う際に有効です。
分析事例)ある会社の社員の特徴を分類
社員ひとりひとりの特徴は、個人特性、対人能力、意思決定能力、管理能力という4項目で数値化されています。(数値は心理テストなどの結果から算出されます)
これらの特徴を用いてクラスター分析を行うと、左図のような樹形図が出力されます。
一番下に各社員が位置づけられており、線が下のほうでつながっている社員ほど特徴が似ていると判断することができます。右のグラフは,グループごとに特徴量の平均値をプロットしたものです。これにより、オレンジのグループは、『個人特性が高く、意思決定能力が低い』という特徴があることがわかります。
このように、クラスター分析を行うことで,社員たちはどのようなグループに分類できるのか?各グループはどのような特徴があるのか?ある社員Aはどのグループに属するのか?といった分析をし、各社員の社内での位置づけを行うことができます。
コンジョイント分析
実験計画法の1つで、商品がもつ複数の要素についてユーザーはどこを重視するのか、また最も評価が高くなる組み合わせはどれか?を統計的に分析する手法です。この方法を活用することで、お客様のニーズと一致した新商品企画を検討することができるため、アメリカでは多くの企業が活用しています。
手順)
1.検討している仕様(今回は、デザイン、価格、お手入れしやすさを評価することにします)から,分析する項目とその水準(デザインA、デザインB、デザインCなど)を決めます。
2.項目数と水準数の組み合わせから,評価するカードの枚数が決まります。
3.新商品の仕様を書いたカードを作成します。(水準の組み合わせは2.で決まります)
4.モニターさんに、商品を買いたいと思う順番にカードを並べてもらいます。
分析)
この結果を分析することによって、お客様がどの項目を重視しているのか(項目ごとの寄与率),その項目の中でもっとも評価が高い水準はどれか(各水準の寄与率)が数値データとして明らかになります(下図)。
さらに『商品化しようとしている仕様』の価格をいくらに設定すれば、お客様が買おうと判断するだろうか,といったことも分析することが可能です。