電気安全試験

耐トラッキング試験

日本配線システム工業会規格、電気用品安全法等に制定された電源プラグに対する安全性評価・試験サービスを提供しています。

トラッキングとは

電気火災の原因となる現象のひとつに電源プラグのトラッキング現象があります。電源プラグのトラッキング現象とは、長期間コンセントに差し込み続けた電源プラグ表面が炭化(劣化)する現象のことを意味します。この炭化のメカニズムは、まず、電源プラグの栓刃(金属部)の間に塵埃(ホコリ)がたまり、ここに、湿気によって微弱電流が流れます。これにより、シンチレーション(微小発光放電)が発生し炭化します。この炭化が進むと短絡(ショート)が起こり発火・電気火災へと至ります。

トラッキング試験中の試料
トラッキング試験 トラッキング試験

当社の強み

トラッキング現象による火災を防止するために、パナソニックではトラッキング防止の電源プラグを開発しています。それらの電源プラグは社内の基準でテストされ、安全性が確保されています。この耐トラッキング性試験は日本配線システム工業会(日配工)の工業会規格(JWDS0028)に採用され、電源プラグによるトラッキング火災の未然防止に役立っています。パナソニックプロダクト解析センターでは、日配工規格(JWDS0028)に規定される耐トラッキング性試験についてのご相談、試験委託を承っております。

耐トラッキング性試験方法

耐トラッキング試験は電源プラグにガラス繊維を設置し、電圧を印加します。そこに試験薬を滴下し、シンチレーションを繰返し発生させることで、発火の有無を確認します。

耐トラッキング性試験方法

試験装置の主な仕様

耐トラッキング性試験機
(日配工規格JWDS0028に基づく)
特殊電源プラグ対応例

改正電安法「電源プラグのトラッキング対策」

電気製品に使用されるプラグに対して、耐トラキング性とグローワイヤ難燃性を確認します。

試験の概要

コンセントに差込んだプラグの周辺に綿ぼこりや湿気などが付着することにより、差込みプラグの刃の間に電流が流れ、火花放電を繰り返すことで、絶縁樹脂表面に炭化導電路(トラック)が形成され、発火する現象です。それを防止するために、改正電安法では、下記の2つの性能が要求されます。

トラッキング試験中の試料

1.耐トラッキング性試験

コンセントとの突き合わせ面に接する(差込みプラグ)の外面であって、その栓刃(接地極を除く。)に直接接する絶縁材料にあっては、JIS C 2134(固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法)に規定するPTIが400(差込みプラグ、マルチタップ)、250(漏電遮断器)、100(ダイレクトプラグイン機器)以上であること。

2.グローワイヤ燃焼性試験

栓刃間を保持する絶縁材料にあっては、JIS C 60695-2-11又はJIS C 60695-2-12に規定する試験を試験温度750℃で行ったとき、これに適合するものであること。ただし、JIS C 60695-2-13に従ったグローワイヤ着火温度が775℃レベル以上の材料は、この限りでない。※JIS C 60695-2-12,13(耐火性試験-電気・電子-グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法)

試験方法

1.耐トラッキング性試験

  • 試験片の上面をほぼ水平に支持し、2つの電極間に電圧を印可する(PTI400なら400V)。
  • 電解液を50滴滴下し、トラッキング破壊及び持続炎を発生することなく、少なくとも25秒の測定時間に耐えなければならない。

※「トラッキング破壊」0.5A以上の電流が2秒以上流れて過電流継電器が作動すること。

トラッキング試験中の試料

2.グローワイヤ燃焼性試験

  • 750℃に熱したグローワイヤを試験片に30秒押し付け、次の事項を満たすこと。
  • 試験片が着火しない、又はグローワイヤを取り去った後30秒以内に消炎し、かつ、試験片の全てが燃え尽きない。
  • 試験片の溶融樹脂がある場合、試験装置の下に敷いたティッシュが着火しない。
トラッキング試験中の試料

試験装置の主なスペック

1.耐トラッキング性試験

耐トラッキング性試験 耐トラッキング性試験

2.グローワイヤ燃焼性試験

グローワイヤ燃焼性試験 グローワイヤ燃焼性試験