EMC EMC Design and Certfication

テーマ:車載

2021年12月23日更新

New 篠山EMCサイトの車載EMC試験設備を更新しました!

車載EMC評価担当の橋坂です。

いつも篠山EMCサイトをご利用いただきましてありがとうございます。
老朽化しておりました試験設備をいくつか更新しましたのでご紹介します。

1. 静電気試験装置の更新

老朽化していた放電ガンを最新版にしました。
放電ガンの重量が軽くなり、使い勝手も向上しております。

メーカ

:ノイズ研究所

型式

:ESS-S3011A、GT-30RA

試験電圧

:0.2 kV~30 kV

対応規格

:ISO10605、IEC61000-4-2、自動車メーカ規格

備考

:微小ギャップ放電対応

ESD

2. アンテナ照射試験(ISO11452-2)用のパワーアンプ更新

車載用第1電波暗室(中央棟)のパワーアンプの故障によりご迷惑をおかけしておりましたが、新規のアンプに置き換えました。

メーカ

:アールアンドケー

型式

:NA80MF1G1K(80 MHz~1 GHz/1000 W)

アンプ

3. レーダーパルス試験環境の再構築

現在、業界標準となっているアンテナの導入と専用のテストテーブルを準備し、容易にセットアップできるように改善しました。

メーカ

:マイクロウェーブファクトリー

型式

:MDTH1214、MDTH2731

対応規格

:600 V/m(1.2 GHz~1.4 GHz、2.7 GHz~3.1 GHz)

RP

更新した静電気、アンプ、レーダーパルスの各設備はマツダ株式会社 MES PW 67602 の試験でも利用できるように登録の手続きを行い、認可を取得済みです。

篠山EMCサイトは、パナソニックグループ以外のお客様もご利用いただけますのでお気軽にお問合せ下さい。
皆様のご利用をお待ちしております!

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車載部品のEMC評価法のご紹介(1)

~トリプレート及びストリップライン試験法~

車載EMC評価担当の橋坂です。

今回は、自動車メーカ様の車載部品のEMC要件に含まれております、トリプレート及びストリップライン試験法についてご紹介します。

トリプレート試験とストリップライン試験は、平行平板間に供試品やワイヤーハーネスを設置し、平行平板間に発生する電磁界の影響で、車載部品が誤動作しないかを評価する試験法となります。

項目

トリプレート

ストリップライン

写真

トリプレート
ストリップライン

規格

SAE J1113-25
自動車メーカ要求

SAISO11452-5
自動車メーカ要求

周波数

100kHz~1000MHz

100kHz~1000MHz

電界強度

100kHz~520MHz : 200V/m
520MHz~1000MHz: 100V/m

100kHz~1000MHz : 200V/m

試験場所

篠山EMCサイト 大型全無響電波暗室

使用料金

20,000円/h

備考

グラウンドプレーンの拡張も可能ですので、DUTや周辺機器が大きい場合でも対応可能
※但し、アンテナ内に設置できるDUTサイズには制限があります。

トリプレートは並行平板間のサイズが大きいため、供試品(但し、並行平板間に収まるサイズに限る)とワイヤーハーネスに対して行う試験となります。

ストリップラインは並行平板間のサイズが小さいため、ワイヤーハーネスに対して行う試験となります。

平行平板間に発生する耐電磁界性について、自動車メーカ毎に要求している試験法が異なりますが、トリプレートとストリップラインを導入したことで、どの要求にも対応できます。

試験に使用するアンテナは、非常に大型のものとなりますので、設備を保有しているEMC試験所も少なく、試験場所の確保が難しい状況だったと思いますが、篠山EMCサイトの大型全無響電波暗室に導入し、大型の供試品・周辺機器にも対応した試験環境を構築しております。

グラウンドプレーン上に収まらない大きな供試品や周辺機器でも、グラウンドプレーンの拡張ができますので問題なくセットアップすることができます。

グラウンドプレーンの拡張
グラウンドプレーンの拡張

ご不明点やご質問がございましたら、
お気軽にお問い合わせ下さい。 皆様のご利用をお待ちしております。

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車載部品のEMC評価法のご紹介(2)

~放射エミッション測定法~

車載EMC評価担当の小ヶ倉(コガクラ)です。

今回、ご紹介する車載部品のEMC評価は、放射エミッション測定をご紹介します。

車載部品の放射エミッション測定(CISPR25、ECE R10)は、車載評価用テストベンチ上に設置した車載部品やハーネスから放射されるノイズをアンテナで評価する測定法です。
車載部品の放射エミッション測定は、商品からアンテナまでの距離は1mなのに、規格値は民生機器よりも低いという、非常に厳しい測定です。

民生は測定距離10m
車載は測定距離1m
民生機器と車載部品の規格値の比較

プロダクト解析センターでは、門真サイト、篠山サイトともに、車載部品の放射エミッション測定の対応ができますが、今回は篠山サイトの5m法電波暗室の試験環境をご紹介します。

まず、商品のセットアップに関してですが、大型商品やシステム商品を評価する時に、テストベンチが小さくてセットアップに苦労したことはありませんか?
5m法電波暗室は、W 10.3 m × D 10.3 m × H 6.0 mと広く、その中にW 3.0 m × D 2.0 m × H 0.9 mのテストベンチを設置していますので、大型商品やシステム商品のセットアップを楽々行うことができます。

車載部品の放射エミッション測定の測定環境
テストベンチ

また、重量物の搬入では、通路に段差があったり、テストベンチまで持ち上げたりというのは、けっこう面倒だったりしますよね。
そういった重量物でも楽々搬入できるよう、通路も含めバリアフリー構造を採用し、段差なく電波暗室に搬入できます。さらに、ハンドリフターも常備していますので、テストベンチへの持ち上げも安全に行えます。

バリアフリーな試験環境で、台車も楽々搬入
重量物はハンドリフターで楽々搬入

次に測定システムですが、車載部品の放射エミッションの測定は、測定周波数帯域が広いため、複数のアンテナを使って測定する必要があります。
そのため、使用するアンテナごとで測定ケーブルの切り替え作業があり、この切り替え作業に時間がかかります。
そこで、プロダクト解析センターでは、自動で経路を切り替え測定ができるユニットを常設しています。
これにより切り替えのミスもなく、切り替え作業時間の短縮が出来ます。
さらに、安心・確実な測定が出来るよう、プリアンプの飽和確認用のステップアッテネータも常備しています。

経路自動切替ユニット

最後に、みなさんは測定中に供試品のノイズ源を特定したいと思われたことはないでしょうか?

ご利用のお客様からも「不合格の際に、どこからノイズが発生しているのかを特定したい」というご要望をいただきましたので、弊社では、ハンディタイプのノイズ可視化装置を導入しております。
試験室内にも持ち運びが可能なため、試験配置そのままの状態でノイズの可視化を行えます。
測定結果も活用すれば、発生源を特定したい周波数だけを可視化することで、ピンポイントで効率的な対策検討が行えます。
この可視化装置は、サイトご利用のお客様は無料でご利用いただけますので、是非ご利用ください。

ノイズ可視化の測定風景
ノイズ可視化の測定結果

車載規格がよくわからない、測定の経験がない、という方でも大歓迎です。
経験豊富な試験員がサポートいたしますので、お気軽にお問合せ下さい。

電子回路設計とノイズ対策のご相談もお受けしております。
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